earth,ashes,dust
ひとりじゃさみしい?
さみしくないよ。人間なんて死ぬ時はひとりだもん。
わたしは悲しいだけ。きみがわたしをないものとして歩んだ時間が。
よくわからないけど、多分きみはひとりになるのが怖いんだね。
過去のあの人が原因かな?それとも違うあの人かな?
まぁ、どの人でもいいんだけど。
結局きみがひとりになるのは自業自得なのに、ひとりになりたくないからいつでもスペアを作るようになったわけだね。
そのスペアに久しぶりに駆り出されたのがわたしってことね。
わたしは優しいもんね。
きみのさみしさを埋めて、落ち込んだ時には励まし、癒し、笑わせてあげるもんね。
その部分についてはね、正直腹立つよ。
弱みを見せてくれるのが嬉しい、なんて馬鹿みたいなことを思ってる自分に。
本当は束縛されたいんでしょ。
本当はわがまま言って欲しいんでしょ。
本当は責め立てられたいんでしょ。
それがきっときみの愛されてる実感に繋がってるんだよ。
わたしを試さなくてもいいんだよ。
そんなことは無駄だから。
わたしは束縛もしないしわがままも言わないし責め立てもしない。
きみを揺るがせ続けるだけ。
でもね、覚えておいて欲しいな。
わたしの愛の深さはね、そういうことじゃないの。
わたしはね。どっちかが死ぬときが来たらいっせいのーせーで、一緒に死にたい女だよ。
一緒のお墓に入る?バカ言わないで。
一緒の棺桶で、一緒に焼かれて、一緒くたの灰になるの。
人間死ぬ時はひとりだけど、これなら寂しくはないでしょ?
きみがすきだと泣くわたしのこころを試さなくったっていいの。
*62日目