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経験から得た『口が軽い人』の行動

世の中には『口が軽い』という人が必ず存在する。

あなたの周りでも一人や二人、思いつく人がいるのではないだろうか。

私は地方公務員として20年間勤務してきた。

ネットで『口の軽い人の特徴』で検索してみると、どのサイトも共通したような特徴が書かれている。

その中でも、
・噂話が好き
・話の中心にいたい
・自分のことしか考えていない
・承認欲求が強い
などといったことが書かれている場合が多い。

これらは特徴というよりも性格的なものである。

確かにこのような性格の持ち主は、『口が軽い』か『口が堅い』のどちらかで言えば『口が軽い』方に属するかもしれない。

普段、面白おかしく話をする人は『口が軽そう』に思えても、実は肝心なことは話さない『口が堅い人』もたくさんいる。

生きていく上でTPOをわきまえているのだ。

私が長年、公務員生活をしてきた中で生粋の『口が軽い人』が2人いた。

その2人には『共通した行動』にあった。


【職員Aの場合】



職員Aは私の同僚で同い年である。

その日は、昼食を買いに近くのコンビニへ職員Aと一緒に出掛けた。

私が弁当を選んでいると職員Aが後ろから私の肩を叩き、「あの子、あの子。あの子やで!」と囁くのだ。

まったく何のことか分からず「えっ、誰?」と聞き返した。

職員A:「この前、職場からSNSを投稿したことが問題になって処分された子がおったやん。あの子がそうやで」

私:「あ、そうなんや。全然知らん子やわ。見たこともない子や、ふ~ん…」

職員A:「えっ、知らんか?結構、話題になった子やけどなあ…」

私:「別に知らんかったら知らんでもええんとちゃうの?名前も公表されてるわけとちゃうし、知って何の得にもならへんやん」

私は、別に誰が処分の対象となったのか知りたいとも思っていなかったし、興味もなかった。

刑事告訴されないような事案では氏名は公表されないケースが多し、当該事案も氏名が公表されるようなこともない、軽い処分であった。

なのに職員Aは、処分の対象となった職員が『誰なのか』知りたくて知りたくて仕方なく、人づてに聞きまわっていたみたいだ。

そして、ようやくその人物を知り得たのだ。

興味本位で職員Aが知ることは、職員Aの自由かもしれない。

しかし、その情報をわざわざ私に教える必要は全くないのである。

しかも私から「教えてほしい」など一言も言っていないのに、一方的に私に教えてきたのだ。

知った情報を教えてくれるのは、ありがたいと思うこともある。

気になったのは、処分になった職員が誰なのかを自ら知ろうとしていたことである。


【職員Bの場合】


職員Bは私の後輩である。

日ごろから何においてもアンテナが高く情報通である。

そんな情報どこから仕入れてきたのかというほど、職場の噂話が大好きな人物だ。

この日は情報は今までと少し違った。

職員B:「先輩の同期の〇〇さんって、仲がいいんですよね。病気で入院してるみたいですよ」

私:「えっ、ほんまに?」

職員B:「なんか難病みたいですよ」

私:「えっ、そうなん…?でも、なんでそんなこと知ってんの?」

仲の良い同期が『難病で入院してる』と聞いて驚いたのと同時に、自分にはまったく入ってきていなかった情報だ。

この同期と私は、プライベートでもゴルフに一緒によく行く間柄である。

ここ数ヶ月は仕事が忙しく、連絡が疎かになっておりゴルフに行く約束ができていなかった。

それにしても、私よりも後輩が先に入院しているという情報を知っていたということはショックだった。

私には後輩の職員Bが、どうやって知ったのか不思議でならなかった。

職員B:「人事に休職届があがってきてますよ」

私:「えっ、なんで人事の情報をお前が知ってんねん!」

もちろん、私は語気を強めた。

職員B:「いや、まあ、その~…。いいじゃないですか、先輩の同期の情報だったし…入院してるから、知りたいかなと思って…」

私:「同期の情報とかの問題とちゃうやろ!お前がなんで人事情報を知ってんねん!そんなん、あかんやろ!」と叱責した。

私はすぐさま、人事にクレームを言いに行った。

決してクレーマーじゃない。

人事情報(個人情報)が、関係のない職員Bに漏れていることに抗議したのだ。

もし、個人情報を取り扱う人事から職員Bに情報が漏れていたなら、組織としてどうなのか…

結局、人事担当者もいろいろと言い訳をしたが、「職員Bと話しているうちに隠す必要もないことだと判断して情報を漏らしてしまった」と白状したのだ。

この人事担当者が『口が軽い』というよりも、驚いたのは職員Bが自らネタになるような情報を人事担当者に仕入れに行っていたことだ。

ちなみに、この職員Bは普段からいろんな情報を提供してくれた。

それは、ためになるような情報もあれば『そんな情報、どこから仕入れてくるねん?別に知りたくもないし』という情報も多々あった。

【まとめ】

職員A・職員Bの傾向から『口の軽い人』には、その行動に特徴があった。

両者とも、情報を自ら取りに行く傾向がある。

いろんなことに興味を示し、自ら知りたがる。

➡相手が聞いてもいないのに自ら話したくなる。

自分から知り得た情報は、どうしても誰かに話したくなる。ということだ。

『口が堅い人』でも、状況によっては話してしまう場合もある。

一般的に噂話とか、聞いた話は、知ってしまうと誰かに話したくなるということは理解できなくもない。

ここで我慢できる人が『口が堅い人』であることは間違いない。

しかし、聞かれたから話すタイプの人も多いとは思うけれど、それだけでは口が軽いか否かは判断しにくい。

なぜなら、そのときの状況により『仕方なく話した』こともあるだろうし、『話すほうがベター』『話しても問題ない』ことだと判断してしまう場合だってある。

したがって、一概に『口が軽い人』だとは決めつけられないのだ。

しかし、職員A・職員Bには、率先して情報収集を行っているという共通した特徴があった。いわゆる情報通だ。

そう、このようなタイプは生粋の『口が軽い人』に分類してもいいと思う。

「教えて、教えて」と自ら聞いてくる人に教えてしまうと、ほぼ情報は広まってしまう。

なんでも自ら聞いてくる(知りたがる)人は『口が軽い人』と思って接する方がよいかもしれません。

情報通と呼ばれるのには、それなりの理由があるのだ。

以上が、私が実際に感じた『口が軽い人』の行動である。

参考までに。

おわり





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