サイコパスな発想ー『今日から俺は!』三橋くん
まだ離人症ミイラだった中学時代、
ちょいワルなヤンキー風ギャルの友達が
同じく悪友とコソコソこっちを見て
何か話していた
私は自分がちょっと変わってるとか
おかしいって状態に気づいてたけど
『思春期ってコレなんだ、
初めて体験するから戸惑っちゃった』
なんて思っていた(色々と違う)
そんなだから
あまり交友関係を広げたくなかったけど
何の因果か優等生然としてる私に
ギャルの友達ができた
(私は無気力だったが
教師陣は『大人しい良い子』に変換して、
たまに暴走する挙動
(別のギャルをしばいて泣かした)は
『なにか悩みがあるのよ』的にすり替えられ
何の指導も受けなかった)
『わかるー』『超ウケるー』
たぶんヤツらはそんな事を言っていた
その後おもむろにこちらを見て
『オマエって三橋に似てるよね』と言った
三橋とは漫画『今日から俺は!!』の主人公だ
2018年に賀来賢人氏によってリバイバルされ
特大ヒットを叩き出したので
90年代ツッパリが題材のわりに
2024年現在でも認知度が高いんじゃなかろうか
当時流行っていたのだろうが
私は三橋くんを知らなかったので
『それどんな人?』と聞いたら
『卑怯者』と返された
え、オマエら、アタイのこと卑怯者って
思ってたのおぉぉぉ
じゃあなんでつるんでんだよ、ほっとけよ
友達は続ける
『卑怯者っていうか、
目的のためには手段を選ばないっていうか
それがオモロいんやけど…』
なんかゴニョゴニョしている
そもそも卑怯者が主人公の漫画ってどうなん?
売れんの?共感されんの?
それでオモロいってどういうことよ
(うん、テレビシリーズと映画、おもしろかったです。ほんと誤解しててゴメンナサイ)
『でも人気者だし好きだよ』と友達は言う
卑怯者が人気ってどういうこと?
本当に世界って分からない
私の三橋くん像は漠としていたが
それ以上の興味はなかったし
漫画も読まなかった
ーーーーーーー
踊る大捜査線が好きだった。
たぶん高校生のときだったと思う
普段はヘラヘラしながら多忙を極める職場に
ウンザリしてタメ息ついてばかりいるのに
いざってときに
『事件は会議室で起きてんじゃない!
現場で起きてんだ!!』
とタンカを切れる青島刑事は
シビれるほどカッコよかった
もちろん織田裕二さんのことを大好きになった
離人症ミイラは自分の半径5メートルの世界は
わからないからか
遠く遠く遥か彼方のキラキラした人や世界に
憧れやすかった
うん、ただのミーハーだ(死語)
多くの人が織田裕二さんにハマったように
ミイラも織田裕二さんにハマった
でもミイラは織田裕二さんのことを知らない
東京ラブストーリーも見てないし
当時はWikipedia なんかないから
『Love Somebody』を聴いて過ごすくらいだ
でも織田裕二さんのことを知りたい!
高校生の私の心許ない貯金で
全ての雑誌を買うことはできないしっ!
どうすれば織田裕二さんのありとあらゆる情報を
すぐに手に入れることができるだろう
ぐわあああぁぁぁぁ
(考え中)
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誰かの情報が一挙にでるとき
そんなシチュエーション
ありとあらゆる、その人物に関する情報が
テレビや書籍で垂れ流される場面
それは『その人が亡くなったとき』だ
テレビは誰か死ねばその人の生前の栄光や挫折、経歴、インタビューなどありとあらゆる情報を
流すだろう
出版社はこぞって手持ちのありったけの写真やらインタビューをノーカット版で出すだろう
織田裕二さんが○ねば、織田裕二さんの
ありとあらゆることを知ることができる!
なんなら実母インタビューや今まで明かされなかったことまで出てくるだろう
よし、○そう
○したら織田裕二さんに関する全ての情報が
手に入って、入って、入って
その後どうすればいいの?
織田裕二さんのこれから(新作)が見れない
え、え、え、うわああぁぁぁぁ…あ?
ここでようやく自分がブッ壊れていることに
気づいた
ヤベーヤベー
これ犯罪者の思考じゃん、サイコパスじゃん
うわー恥ずい
(今更だが捕まることを考えられてない時点で
おかしい)
本当に私ってヤバいんだ
目的のために手段選んでないやん
気をつけよう(手遅れ)
その後、本物の織田裕二さんには
正規ルート:コンサートチケットを買う、を通じて
大阪城ホールでお会いできました
感激のあまり、実物を見て涙を流すという
初体験を味わえました
織田裕二さん、
あなたの存在があたえてくれた感動と
私の愚かさへの気づきを
本当にありがとう
もちろん次の映画、観に馳せ参じますね
え、出ない?えぇ、うん、まぁ
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