外交・防衛系の話題のニュースでよく「インド太平洋」というフレーズが出てくる。
どうやら、インド洋と太平洋、という意味らしい。
外交青書にあるヘッダー画像のような図をみると、確かに日本と関係の深い東南アジアの一部の国々は太平洋にかからないので、そのあたりの地域も話に含めるには「インド太平洋」という表現が適切なことがわかる。
ここで筆者はあることを思い出した。
そう、ペリー来航である。
日本に開国を要求したときのペリーの肩書きは、「東インド艦隊司令長官」なのだ。
調べてみると、この「東インド艦隊(East India Squadron)」というのは、
日本への来航のずっと前、1830年代に、東アジア諸国と国交を結ぶためにつくられた船隊のことらしい。
主な目的は、捕鯨の際の寄港地をつくること。
これは、教科書で習うペリーの来航目的と重なる。
それにしても、「東インド」ってずいぶんざっくりしすぎでは?と思ってしまうのは、筆者だけだろうか。
まあ、英国やオランダも「東インド会社」なんていう貿易会社で、日本でも商売をしていたので、
あの当時の欧米のひとは、日本ないし東アジアは「インドの東にある地域」くらいにしか認識していなかったのかもしれない。
冒頭の「自由で開かれたインド太平洋」は安倍首相の構想らしいが(外交青書参照)、
その「インドの東にある」ちいさな島国自身が、「東インド艦隊」に開国させられた160年くらいあとに、インド洋と太平洋にある国の融和を呼びかけるなんて、
なんだか歴史のいたずらという感じがする。