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83.公開されない映画たち
ジブリだのゴジラだのが受賞しまくった去年に比べ、今年はとんと話題にのぼらないアカデミー賞だが、やっとニュースが出てきた。
しかし、題材が性暴力に遭った経験なので、ノミネートを素直におめでとうと言いづらい気がしてしまうのは、筆者だけだろうか。
昨年、ウクライナ侵攻についてのドキュメンタリーが同部門を受賞したとき、受賞のことばで「こんな映画をつくらないで済めばよかった」とあったが、
似たような印象を受ける。
問題は、この伊藤さんのノミネート作『Black Box Diaries』の日本公開が未定だということだ。
許諾なく使った映像が含まれているとかなんとか、よくない話も聞こえてくるけれど、
まずは観てみないと感想すら持てないまま、憶測で悪口を言うことになる。
そもそも、今年のノミネート作品は、日本公開予定が決まっていないものが結構ある。
たとえば、以前、本ブログNo.34でちらっと言及した『ノスフェラトゥ』という吸血鬼ホラー。
(※なるべく公式の動画を引用したいと思っているのですが、サムネが結構怖めなので今回はこれで ↑)
アカデミー賞常連のウィレム・デフォー(サムネのひと)をはじめ、
次期ジェームズ・ボンドとも噂されるアーロン・テイラー・ジョンソン、
Netflix英国王室ドラマ『ザ・クラウン』でダイアナ妃を演じたエマ・コリン、
クリント・イーストウッド監督最新作『陪審員2番』での主演も記憶に新しいニコラス・ホルト、
さらにヒロインはジョニー・デップの娘のリリー・ローズ・デップ
というすごい豪華キャスト。
そもそも、ホラーというのは人気ジャンルだし、
この映画は1922年の同名作のリメイクだから、古いほうのファンだって気になっているはず。
これだけの作品なのに、
一番最初に予告編が公開されたのは、もう半年前になるのに、
まだ、日本公開の情報がこない。
アメリカ本国ではクリスマスに公開された、というのもなかなかすごいが、
そもそも欧米には、クリスマスには怖い話を楽しむ文化があるのかも。
There'll be parties for hosting
パーティーだって開かなきゃ
Marshmallows for toasting
マシュマロだって焼かなきゃ
And caroling out in the snow
外は銀世界、クリスマス・キャロルだって歌わなきゃ
There'll be scary ghost stories
And tales of the glories of Christmases long, long ago
こわい怪談話、むかしむかしのクリスマスのおはなし、いろんな物語も聞かせてもらおう
これも、日本で実写洋画が売れないせいなのかなあ。
寂しい限りである。