別冊・医学のあゆみ p129-132を読んで

 生産年齢人口が減少する本邦においては労働力の確保が課題である。
生産性や業務の効率の向上維持にとって、労働者の健康は欠かせない資源である。産業医として、企業と連携を取り健康経営への取り組みとプレゼンティーズムへの対策に力を尽くすべきであると述べている。

 企業の経営資源には人・物・金・情報があり、その中でも人は基盤となる資源であり、人々の健康は土台となる欠かせない資源である。健康な従業員が収益性の高い会社を作るとして、従業員の健康に投資し企業の持続的な成長を目指す考えを「健康経営」という。
近年、従業員の健康への企業の取り組みを評価する枠組みが設定された。2014年度から健康経営銘柄企業の設定、2016年から健康経営優良法人が認定され、評価項目に沿ってPDCAサイクルを回し、項目が持続的に改善されているか見定められる。

労働生産性に関する損失として、アブセンティーズム・プレゼンティーズムがある。アブセンティーズムは病気欠勤により、その間の生産性に影響が出る。プレゼンティーズムは出勤はしているが、健康問題によって業務の能率が低下する状況である。プレゼンティーズムの要因としてメンタルヘルス疾患、筋骨格系疾患・症状が二大要因である。
医師として、これら要因の対策についてのガイドライン・指針を参考に職域での取り組みを推奨すべきと述べている。

健康第一という言葉があるように、人の健康は生産資源の根幹にある重要な要素である。専門知識を持つ立場として、臨床現場において患者のプレゼンティーズムを解決する一役を担うべきと考えた。

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