別冊・医学のあゆみ p76-80を読んで
QIという医療の質を示す指標について述べられていた。現状あまりなじみのなかった指標であり理解のため、記事の内容をまとめることにとどめた。
Quality indicator(QI)は医療の質を示す指標として、医療機関で活用される指標であり、それを元にした改善報告も見られている。
内容は画一の物ではなく、医療機関独自に設定されており公表の義務はない。問題点として、QIは施設間での相対的評価ではないこと、医療のすべての側面を評価しているわけではないこと、公表するにあたり都合の良い・改変された報告がされうることが挙げられる。QIの問題提起と、筆者の取り組み、今後の展望が述べられている。
多くのQIは期待される成果、それに至る水準に達しているかを数値化し表したものである。
・QIの評価方法
現状は医療機関ごとにQIの内容は設定されており、他の施設との単純な比較が難しい。その施設での活動が他の医療機関ではすでに標準の物として扱われている、客観性がない評価となりうる。筆者は、DPCデータが大多数の医療機関で使用される統一化された基準に基づく評価である事から、DPCを用いた病院間でのQI評価と質改善をするQuality Indicator/Improvement project(QIP)事業を行っている。
・QIが示すもの
QIは決して医療機関のランキングや成績ではない。糖尿病の血糖コントロール成績を評価するにあたり、施設の、重症・軽症度等の患者プロフィールといったストラクチャーの面が影響すること、プロセスにあたる目標設定が適切かといった点も重視すべきとしている。QIはその医療機関のすべての側面を示すものではないと認識する必要があると述べている。
・QI公表における問題点
QIが示すものでも述べたが、ランキングや成績ではない。公表に当たり、このように意識されてしまうと医療機関にとって対外的に都合の良い・改変された報告が行われる可能性がある。
現状の問題点を踏まえた多施設で利用できるQIの整備を進め、今後は医療機関全体としての質向上に役立つ指標となることを目標としている。