「三体」あらすじとざっくり感想※ネタバレあり
「ぼくは何も知らない。ただ、想像もつかない力が科学を殺そうとしているような気がする。」
相次ぐ科学者の自殺、視界に現れる謎のカウントダウン。紅岸プロジェクト、地球三体協会とVRゲーム「三体」の秘密。
文化大革命で父を失い、裏切られ、人類に絶望した天体物理学者、葉文潔(イエ・ウェンジエ)。全ての始まりは、彼女が宇宙に送ったメッセージ──
「作戦司令センター」の要請のもと、科学者の連続自死事件の謎を追うナノマテリアル研究者の汪森(ワン・ミャオ)。事件を追う中で、彼自身もまた、視界に映る「ゴースト・カウントダウン」に悩まされるようになる。
「今夜あなたに宇宙がまたたく」
科学では説明のつかない、人智を超えた光景を目の当たりにする汪森。
汪森自身もまた、他の自殺した科学者同様に精神を追い込まれていく。
打ちのめされた汪森に、同じく事件を追うテロ対策専門の警官、史強(シー・チアン)が言う。
「怖くなったら、おれの究極の法則を思い出せ」
全ての出来事の背後には、必ず黒幕がいる──
史強に背中を押され、謎のVRゲーム「三体」に再び挑む汪森。
「三体」の秘密を解き明かした時、遂に明らかとなる「地球三体協会」の目的、一連の事件と1979年の恐ろしい真実。
そして、全ての黒幕である「敵」の正体。
『おまえたちは虫けらだ』
三体艦隊の地球到達まで、あと400年…
劉慈欣作「三体」読了。今作は「三体」三部作のうちの一作目。
物語は中国の文化大革命から始まる。主に主人公汪森の現代パートと、物語のキーパーソンとなる葉文潔の回想(過去)パートの2つで構成されている。
始まりはホラーテイストだが、謎が解き明かされていくにつれて物語のスケールがどんどん広がっていく壮大なSFサスペンス。
作中のVRゲーム「三体」での人列コンピューターや超硬度ナノワイヤー「飛刃」での第二紅岸基地ぶった切りなど、とにかく全編にわたって読者の想像力が試されるような描写が多い。こういった場面が、ドラマ等の映像作品でどう描かれているのか気になる。
科学的な専門用語も多く、文系の自分にはやや理解が難しい場面もあったが、それでも非常に楽しめる作品。
本作のあらすじを超~ざっくり言ってしまうと、宇宙にメッセージを送ったらヤバい奴らに目をつけられてしまったというお話。
似たような話はいくつかある(真っ先に思いついたのはなぜか「バトルシップ」…)が、本作は別格の面白さ。次作の「黒暗森林」も購入済みなのでさっそく読んでみる。
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