木の葉化石の魅力
植物の化石から地質時代の植物のことを理解するのが古植物学ですが,そもそも植物も化石になるのですか?と思う人もいらっしゃるのだと思います(高校生にもそういう生徒が一定数いてびっくりです).
植物も葉や材(木の幹や枝のこと),根,果実,種子,花弁(はなびら)などが立派に化石に残ります。保存状態の良い化石ですと,葉の葉脈(葉についている「筋」です。維管束の通り道ですね)が細部まで残されているものや,なんと細胞壁がそのまま残されているものまであります。
この美しい化石の画像は1200万年前ころの新生代新第三紀中新世後期の木の葉化石です。ご覧のようによく見ると細かな葉脈もはっきりとわかるのではないでしょうか?まるで現代の落ち葉のようにも見えますよね。
※ ちなみにこのような形をしていますが,この木の葉化石はなんとカエデ(紅葉)の仲間なのです!(Acer subcarpinifoliumという名前がついています。この植物については後日改めて紹介いたします)
何千万年,何億年も前の植物の化石でこのようなものまで残されていることがそもそも驚きではないでしょうか!?そして何よりとても美しいです。ただの「石ころ」(生徒には岩石や鉱物にも立派に名前があるので「石ころ」とは言わないように!と伝えていますが・・・)をハンマーでパかっと割ると,中からそのような化石が出てきたとしたら・・・誰もがその感動,美しさに魅了されることと思います。
私はそのような感動体験を多くの皆さんに味わっていただけるような取り組みを行いたいと思っています。