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八方尾根にだけ咲く花

北アルプスの唐松岳(2696m)から信州側に伸びている尾根を八方尾根と呼んでいます。
この尾根の下部は長野オリンピックのアルペン競技の会場ともなった巨大なスキー場が開けています。
そして夏場はトレッキングコースとして途中の八方池までは散歩感覚でアルペン気分が味わえる尾根です。
白馬三山を見ながら歩く最高のコースですが、その足元には高山植物が多く生息し、私は避暑を兼ねながらこの高山植物の花見をしたわけです。
八方尾根に咲く花の中でも「ハッポウ」の名前を冠する、ここだけに咲く特産種がいくつかあります。
その中で私が見つけた3種類の特産種をご紹介しようと思います。
それ以外の花はまとめて次回ご紹介します。

ハッポウタカネセンブリ

形と模様が面白いハッポウタカネセンブリ

センブリ、よく生薬や漢方薬で聞く名前で、苦そうなイメージがありますが、花はかわいらしく花弁に模様がります。
タカネセンブリは南アルプスなどで何回も見たのですが、それよりも青が強く、花は小さく感じます。
八方尾根が蛇紋岩であり、蛇紋岩の地層でないと育たないということです。八方尾根の固有種と言われています。

ハッポウワレモコウ

濃い赤紫色をしたハッポウワレモコウ

この花、見るとワレモコウかなと思いながらもなんとなく違うような。
どうやらカライトソウとワレモコウが交雑してできたようなのです。
八方尾根ではあちこちで見るのですが、他では見たことがないので、多分ここだけの花と思います。

ハッポウウスユキソウ

オヤマソバに囲まれるようにして咲いていたハッポウウスユキソウ

高山に行くとウスユキソウは普通に見ることができるのですが、ウスユキソウは種類が多く、見分けるのが難しいです。
普通に見られるのはミネウスユキソウです。この花を見つけたときもミネウスユキソウと思っていたのですが、なんとなく違うなと思い、調べたら、ミネウスユキソウの近縁種だそうです。ただ葉っぱが細く、斜め上に向かって伸びているのがミネウスユキソウと違うようです。
どうやらそれでなんとなく違うと思ったみたいです。

ここだけに咲く花を見に行くのも楽しいですね。

 

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