プラダ青山のミランダ・ジュライ展『F.A.M.I.L.Y. (Falling Apart Meanwhile I Love You)』
遠く離れた参加者たちがソーシャルメディア経由で送ってきた素材を繋ぎ合わせて、未知の生命体みたいな肉体の塊を作るというフッテージ。エロくてグロいんだけど、それが変な動きでうごめく姿を眺めていると、なんとも言えず可笑しい。
「離ればなれだけど愛してる」を繋げて「家族」と読ませるタイトルを念頭に起きながら眺めていると、様々なことを想起するインスタレーションでした。人間をこういうアングルで眺める自由をアートは持っている、と改めて感じるし、それをメゾンのブティックの館内で見せることで、服と肉体、身体とコミュニケーションについての新たな視点に気づかされます。
20年前、ここの館内で藤田嗣治がミラノスカラ座での『マダム・バタフライ』公演のために作った衣裳を展示していたのを思い出しました。思えば今回の展示も、そういった肉体とコスチュームとの関係性や在り方に思いを馳せるためのスプリングボードではあったのだと思います。
https://www.prada.com/jp/ja/pradasphere/special-projects/2024/miranda-july-family-prada-aoyama.html