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「7日間映画チャレンジ」一日目 『ふたりのベロニカ』

御多聞に漏れず、Facebook上で「映画チャレンジ」やりました。でも、コロナ禍での自宅自粛期間、自分の映画との関わりを見つめ直した時間ではありました。それを回を追って掲載させて頂きます。

映画チャレンジ初日です。私を作ってきた映画というモティーフで、7本の映画を選びたいと思います。映画ファンとしてだけじゃなく、人間としての自分を作ってきた映画って何だったんだろう?そう思ったとき、頭に浮かんだ映画たちです。

1作目は、『ふたりのベロニカ』(1991)。

自分なりにタフな年代だった30代後半、この映画を見て救われたのを憶えています。この世界にもう一人の自分がいるっていう物語自体に、言葉にならない勇気をもらえた気がしました。一人で生まれて一人で生きる。そんな私たちの孤独な生を、慰め力づけてくれる映画です。

そう思えるのは、ヒロインの目の覚めるような魅力の故ですね。まっすぐな眼差しで身体ごと人生に向かい合う存在を演じるイレーヌ・ジャコブが、素晴らしい。彼女が人と出会い愛することで、魔法のような映画の場面が生まれてくるんです。ポーランドのベロニカの「命を奪う」ズビグニエフ・プレイスネル(声に出して言ってみたい名前マイランキング上位)の音楽も、悪魔的な魅力を放っています。

それら諸々のどきどきするような感じが、今回30年ぶりに見直して甦りました。

ジャコブは、2014年、平田オリザ作・演出の『アンドロイド版 変身』で、ある朝、アンドロイドになっている自分に気づく主人公ザムザの母親を演じていました。『ふたりのベロニカ』を見ているかいないかで、観客は彼女の見え方が違うだろうな、と思って、私もこの舞台を見てましたね。宮沢賢治の『月天子』という詩が美しく使われる、感動的な舞台でした。

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