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企業動画はテレビのプロが創るといい?その真相に迫る

クリーク・アンド・リバー社(C&R社)が2021年2月に開始した社内報動画制作サービス「カンパニー報道局」。それは、テレビ業界のクリエイターにいい仕事をしてもらおうとC&R社が始めた祖業の想いが、動画配信隆盛の現代に結実したサービスです。

スマホがあれば誰でも撮影・編集ができて、TikTokやYouTubeなどSNSで自分なりの動画を創れます。そしていわゆるバズる動画で個人が話題になることも多々あります。でも、老若男女に安心感を持たせて観せる動画には、テレビ業界のプロフェッショナル(プロ)の熟練の技が必要になるという、ちょっと逆説的なお話です。


テレビ番組制作のプロ集団

1990年、7人の映画監督やディレクターの登録でエージェンシー(派遣・紹介)事業をスタートさせたC&R社。今では93,000人以上のクリエイターが集まる規模になりました。毎日800名ほどのディレクターや編集・MAなどのクリエイターが、キー局地上波45%以上のテレビ番組で働いています。有名どころではテレビ朝日系の『家事ヤロウ‼!』の制作や『激レアさんを連れてきた。』の制作協力も行っています。

※番組名を書ききれないので詳しくは「リクナビ2025」で!
 https://job.rikunabi.com/2025/company/r370900036/

なぜ「カンパニー報道局」は始まったのか

2020年初頭に世界を襲った新型コロナウイルスのパンデミックは、出社して対面で話したり、紙の書類が当たり前だった企業活動を根本から変えてしまいました。非接触でオンライン。それでもコミュニケーションはより密にしないといけない。企業では動画活用が急激に増加しました。

2021年2月。カンパニー報道局は動画社内報としてスタートした

社会のピンチは課題解決するチャンス。C&R社のテレビ部門が常日頃思い描いていたことを実現するタイミングがやってきたと、執行役員の岩崎とマネージャーの峯岸が動きました。「本当にいいクリエイターがたくさんそろっている。テレビのディレクターの取材力と演出力、そして技術力を生かしたら、クオリティが高い動画が手際よく創れるはずだ」。この考え方をもとに「カンパニー報道局」はスタートしました。

スタートしてまもなく、auじぶん銀行やリクルートなど大手企業がクライアントになりましたが、もう一段階クオリティのレベルを上げたのが、営業として後から加わった緑川です。

動画の予算で、テレビクオリティを実現する秘密

「カンパニー報道局」は企業の困りごとを動画で解決するサービスで、「リクルーティング(採用動画)」「インナーコミュニケーション(動画社内報)」「プレゼンテーション」の3つの基本パッケージがあります。1コンテンツ制作は60万円からと、ある程度フォーマット化しているためコストを抑えて制作できるのですが、それだけでクオリティが担保できるわけではありません。

最大のポイントはテレビ番組のディレクターが制作すること

まず強みの一つは制作するのが現役のテレビディレクターであること。テレビの報道番組や情報番組のクオリティを担保できるからです。ただ、ここに一つポイントが。テレビの報道や情報番組をつくるディレクターは企画・構成・取材・撮影・編集まで一連の流れをすべてできるので、そのまま丸投げしてしまえば確かにいい動画を創れます。でも人には必ず得意不得意があります。企画や構成は得意だが撮影は苦手とか、編集は時間がかかるとか。一人に任せっきりにした場合、作業スピードもその人任せになってしまいます。

スタジオ撮影風にアナウンサーがナレーションするこことも

そうならないように、「カンパニー報道局」では「得意なことは得意な人に任せる」「作品の総合監修をきちんとつける」という方針で制作しています。ただし、何人ものクリエイターが制作に関わるためそのスケジュール調整は複雑になります。ディレクターが全員バリバリの現役なので、日にち単位、もっと言えば時間単位でのスケジュール調整が欠かせません。

そこで今回インタビューした2人の登場です。クリエイターを取りまとめる制作プロデュースは峯岸が行って、クライアントの要望を調整するアカウント営業は緑川が行うという強固な分業体制をとっています。しかも峯岸は元々フジテレビの報道ディレクターで、緑川は元電通マンというプロ同士。これが「カンパニー報道局」のもう一つの強みです。最高の作品に仕上げるために外からは喧嘩してる?と思われるくらい2人の間でバチバチの調整や対話が日常的に行われています。

左から営業エージェントの緑川、制作プロデューサーの峯岸

つまり「カンパニー報道局」は演出も進行も営業も全部がテレビのプロで成り立っているということがどこにも真似できない強みなのです。

テレビは短時間で放送まで持っていくため、予算を抑えて手際よくはお手の物。テレビクオリティでの動画制作を実現できているのは、テレビ番組のクリエイターのネットワークと、テレビ業界や動画の世界、クライアントへの深い理解力と調整力があるからと言えます。

クリエイターから満足の声

制作しているディレクターは「カンパニー報道局」に対してどんな思いを持っているのでしょうか。話を伺うと、
「大きいクライアントの仕事ができるのはうれしい」
「番組は制作に関わるだけだが、これは自分のポートフォリオ(作品集)に入れられる」
と、たとえ大きな番組に関わっていても、企業と直接やり取りできる作品にディレクターはやりがいを感じているようです。

得意なことは得意な人が行う分業制でクリエイターの能力を発揮

クライアントの期待を必ず上回る

「カンパニー報道局」のクライアントはこれまで20社以上、コンテンツは100近くにも上ります。先述のほかにもポニーキャニオンや阪急交通社、日立建機などの採用動画も数多く手がけています。

「完成した作品はいつも、打ち合わせをした通りとか、話した以上の仕上がりだ、とクライアントに言われています。一度も『違うんだよな』と言われたことがない」と、峯岸と緑川は胸を張って言います。

【カンパニー報道局制作事例:ポニーキャニオンの社員紹介】
https://www.youtube.com/watch?v=VE_6qWyLpBM&t=1s

今後の展開は

そんな「カンパニー報道局」ですが、今後はどのような展開を考えているのでしょうか。
「絵コンテを描ける人など、クリエイターとのネットワークをどんどん広げていきたい」「今社内は2人体制で進行しているが、社内のプロデューサー、アカウント営業できるエージェント人材を育てていきたい」という体制の話から、「動画だけではなく採用に関する広告展開やコンサルティング全般を受けていきたい」「1つの企業と付き合いをもっと長くして、プロフェッショナルの紹介など既存事業のエージェンシーにもつなげていきたい」など先を見据えた話がたくさん聞けました。

動画は自分一人で十分できてしまうという錯覚におちいりがちですが、実は企業が求めているのは、テレビ番組のように誰にでも分かりやすい高いクオリティの作品を、プロの進行管理でワンチームとなって創り上げてくれることなのでは、ということを改めて思えた取材でした。■CR

CREEK & RIVER 公式note編集部 TK

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