熱中症を予防するためにマスクは外してもいいの？【コロナ禍での新しい生活様式と熱中症】

気温が少しずつ高くなり、寝苦しい季節となってきました。あまりの暑さに扇風機やクーラーをつけ始めたご家庭も多いのではないでしょうか。私も先週からクーラーを使い始めたのですが、室内に入ったときの涼しい風がとても気持ちいいです。

さて、この時期になるとニュースでよく聞くようになることばが「熱中症」です。
今年も熱中症の患者数は増えているようで、消防庁の発表している「都道府県別熱中症による救急搬送人員　前年同時期との比較」によると去年の同じ時期よりも熱中症患者の人数が約２倍になっているようです。

（出典：熱中症情報（消防庁））

一概には言えませんが、感染症予防のためのマスク着用によって心拍数や呼吸数、血中二酸化炭素濃度、体感温度が上昇し、身体に負担がかかってしまうことで、熱中症にかかりやすくなっている可能性もあります。

ということで今週のしゅーいちでは「コロナ禍での新しい生活様式と熱中症」について考えてみたいと思います。

熱中症の症状

まず初めに、熱中症の症状についてみていきましょう。
熱中症とは、体温が上がり、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温の調節機能が働かくなったりして、体温の上昇やめまい、けいれん、頭痛などのさまざまな症状を起こす病気のことで、重症度によって、次の3つの段階に分けられています。

（出典：熱中症環境保健マニュアル 2018（環境省））

具体的な症状としては、Ⅰ度の場合には、たちくらみや筋肉のけいれん（一般的に「つる」といわれているもの）などが起こります。Ⅱ度の場合には、頭痛や吐き気、倦怠感などが感じられ、Ⅲ度になると意識がもうろうとしたり、手足が動かなくなったりします。

熱中症の予防方法

コロナ禍での熱中症予防のポイントが厚生労働省から発表されているので、今回はそちらを見ていきたいと思います。

（１）　マスクの着用について
　高温や多湿といった環境下でのマスク着用は、熱中症のリスクが高くなるおそれがあるので、屋外で人と十分な距離（少なくとも２ｍ以上）が確保できる場合には、マスクをはずすようにしましょう。
　マスクを着用する場合には、強い負荷の作業や運動は避け、のどが渇いていなくてもこまめに水分補給を心がけましょう。また、周囲の人との距離を十分にとれる場所で、マスクを一時的にはずして休憩することも必要です。

（２）　エアコンの使用について
熱中症予防のためにはエアコンの活用が有効です。ただし、一般的な家庭用エアコンは、空気を循環させるだけで換気を行っていません。新型コロナウイルス対策のためには、冷房時でも窓開放や換気扇によって換気を行う必要があります。換気により室内温度が高くなりがちなので、エアコンの温度設定を下げるなどの調整をしましょう。

（３）　涼しい場所への移動について
少しでも体調に異変を感じたら、速やかに涼しい場所に移動することが、熱中症予防に有効です。一方で、人数制限等により屋内の店舗等にすぐに入ることができない場合もあると思います。その際は、屋外でも日陰や風通しの良い場所に移動してください。

（４）　日頃の健康管理について
「新しい生活様式」では、毎朝など、定時の体温測定、健康チェックをお願いしています。これらは、熱中症予防にも有効です。平熱を知っておくことで、発熱に早く気づくこともできます。日ごろからご自身の身体を知り、健康管理を充実させてください。また、体調が悪いと感じた時は、無理せず自宅で静養するようにしましょう。

人が多い場所でのエアコンを使用しながらの換気やこまめな水分補給は日ごろから意識していきたいですね。

今回はコロナ禍での熱中症対策において注意すべき点についてご紹介していきましたが、一般的な対処法については以下のサイトを参考にしてみてください。

ケーススタディから学ぶ熱中症対策と対処法（大塚製薬）

ケーススタディから学ぶ熱中症対策と対処法｜大塚製薬

熱中症の予防方法と対処方法（環境省）

環境省熱中症予防情報サイト 熱中症の予防方法と対処方法

終わりに

今回のしゅーいちではコロナ禍での熱中症について考えてみました。これからは気温の上昇に加えて、久しぶりに部活動が始まり、急な運動によって児童・生徒の熱中症が増えていく可能性も考えられます。

周りの大人が１秒でも早く対応していけるように、最低限の知識を身に着け、適切な対応ができるようにしておくことが必要になってくるのではないでしょうか。

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