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嘘?ごまかし?行動経済学 その3

割引あり

話題の行動経済学とは? 行動経済学の7つの理論の2つめ&3つめ

道徳/哲学/社会/神学などの分野から、人間などの行動を観察して、その原理などを研究している とらです。人間の面白い・怖い・不思議な言動について深く興味があります。
この記事は、注目が増してきた行動経済学の7つの理論の2つめ&3つめをとりあげます!

行動経済学:ハロー効果とは・・・

・評価がゆがめられる現象

『権威と権力 ― いうことをきかせる原理・きく原理 (岩波新書)』(なだいなだ著)はとても興味深い内容です。人々を動かすものは何なのか?について権威と権力について語っているからです。

権威と権力というと、政府や国家権力……など、大きなものを想像しますが、それは実は身近にあったりします。
「モンドセレクション受賞」というお菓子をみたことがあると思います。受賞しているから、きっと良いお菓子だろうと思いますが、モンドセレクションは実はベルギー民間企業が、絶対評価を用いて賞品を指標しているだけです。
受賞しているのはコンクールの勝利ではなく、定められた技術水準を満たしているという認証なのです。しかし「〇〇受賞 商品」と聞くと、そうでない商品と比較し、位が高いように感じるのです。
モンドセレクションが何かを知らなくても……。これがハロー理論です。

ハローとは「目立つ特徴が、対象の印象や評価に影響を与える現象のこと」です。1920年に心理学者のエドワード・ソーンダイクによって提唱されました。「halo」は日本語で「後光」や「円光」など、後ろからさす光のこと。対象が後ろから照らされることで、対象の価値以上に輝いているように錯覚してしまう... … というわけなのです。

例えば、有名なタレントがテレビで「あのカフェはいい」と言って「テレビで紹介された店」と看板を掲げたら、これまで興味を持たなかった人も「あのカフェのコーヒーはおいしいはず」と感じ、行列に並ぼうと思うでしょう。このようにハロー効果によって人の評価にはゆがみが発生します。行動経済学や社会心理学の「認知バイアス」のひとつとして研究されているのです。私たちは物事の評価に歪みが発生していることを認識していません。

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