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「感情の粒度」が高いほどメンタルを病みにくい

「感情の粒度」が高いほどメンタルを病みにくい

健全なメンタルを保つためには「感情の粒度」が重要なようです

感情の粒度とは感情を細かいグラデーションで識別し、表現することができる程度のことです。

例えば、イライラすることが起きたときに「むかつく」「うざい」という単純な言葉だけでしか表現できない場合、感情の粒度は低いと言えます。逆に、「しゃくにさわる」「腹が立つ」「憤りを感じる」などの多彩な言葉で表現できる場合、感情の粒度が高いと言えるでしょう。


2015年のジョージメイソン大学の研究によると、感情の表現が豊富な人ほどメンタルのコントロールがうまいことが明らかになっています。具体的には、激しい苦痛を経験した時に感情をより細かく表現できる人の方が以下の傾向があるようです。

  • 過度の飲酒・自傷行為など不適切な行動に走るリスクが低い

  • 重度の不安やうつ病を経験する傾向が低い


考察

感情の粒度が大事な理由は、自分の身体的な反応と頭の中での感情の識別を一致させることが大切だからだと考えられます。 実は肉体は言葉よりも繊細に感情をキャッチします。 例えば怒りを感じた時にも、その怒りの大きさによって発汗量、 心拍数、体のこわばり…などの程度は変わります。肉体が様々なグラデーションのある感情の信号を送っているにも関わらず、言葉では「むかつく」といった単一な表現しかできないと 頭が混乱してしまうのです。

確かに、「もやもやしているけどこの感情に 言葉で表すことができない」というときは余計にモヤモヤが強くなってしまいますよね。


【本日の行い】「この感情は何と似ている?」と考えてみる

感情の粒度を高めるためには、感情を表すボキャブラリーを増やすのが効果的です。しかし、いきなり辞典とにらめっこをするのもなかなかに退屈でしょう。

そこで、今回は感情の粒度を高めるためのトレーニングとして日記を書いてみましょう。


ステップ1:書くものを用意しよう

まずは日記やメモ帳など、自分が続けやすいツールを用意しましょう。


ステップ2:1日のなかで起きた体験を書き出してみよう

日記に書き出す内容は以下の通りです。

  1. 1日の終わりにその日に起きた出来事

  2. 出来事に対して感じたことや思ったこと

  3. その感覚が自分の過去の出来事の何と似ているか


重要なのは3です。感情のボキャブラリーが乏しくても「この感情は何と似ているだろうか?」と考えることで、より正確に感情を表現することができます。

例えば、以下のような日記を残してみました。

  • 出来事:普段はあまりかない夜の時間帯に出歩いて散歩をした

  • 感じたこと:夜に散歩をするのはなんとなく気分が高揚すると思った

  • 何と似ている?:帰りのバスの中でみんなが寝静まっている中、1人だけ起きている時のようなささやかな興奮に似ている

まとめると、「街にほとんど人がおらず、静まっている雰囲気の中一人で歩く時の気分の高揚は、帰りのバスの中で1人だけ起きている時のようなささやかな興奮に似ている」と表現できます。

このように表現すれば、より精密に自分の感覚や感情に向き合うことができるでしょう。

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