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葛飾北斎『富嶽三十六景』の通称「赤富士」と言われる『凱風快晴』を拝む
ミュージカルラーニングのプロデューサーの石垣です。
2023年、知のとびらをひらく、学びと芸術の教育プログラム「ミュージカルラーニング」をはじめることになりました。
今も現役のデザイン『富嶽三十六景』の『凱風快晴』
開催地の河口湖では、とにかくこの『凱風快晴』を見かけます。河口湖で目にするお土産や看板など至るところのデザインに採用されているのです。
そんな200年も現役のデザイン、当時流通したものをひと目見ようと長野県は松本市にある『日本浮世絵博物館』に足を運びました。4月28日41周年を迎え、3日間だけ、『凱風快晴』がみられるとのこと。
恥ずかしながら、現物をみたことがなかったのです。
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『富嶽三十六景』は、部数こそ明らかではないですが、大ヒット浮世絵ですから、現物も一点ものの絵画より、目にできる機会は多いと思いますが、自分の目で約200年前に刷られたものを拝めるとはやはり感動体験でした。
10万点ものコレクションは日本のクリエイターチーム力にある!?
日本浮世絵博物館は、松本の紙問屋、酒井家のコレクションで、10万点にも及ぶ浮世絵を所蔵しています。浮世絵が木版画であったからこそ、これだけ多くの点数を保有でき、世界中にも広まったわけですよね。
絵師が注目されがちですが、浮世絵の凄さはチーム力でもあります。彫師と摺師がいて、絵を手にすることができます。もちろん、版元の存在も忘れてはなりません。
浮世絵美術館では、シャチハタスタンプで木版画をイメージできる体験ができます。
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赤富士はどこからの富士山か?
山梨在住の私としては、山梨からの富士山であって欲しいところですが(笑)研究者から一般の方まで多くの人がその分析を発信しているのも面白いです。
描いた地点が明らかにしていないのは、風景画という側面よりも、富士山への心理的な描写なのでしょうか。後世の人の想像力を刺激するためのマーケティングだったのでしょうか。約200年もの間、これだけ多くの人の好奇心を刺激しているということに驚かされます。
河口湖からの富士山を描いたのは『甲州三坂水面』
さて、河口湖からの富士山も『富嶽三十六景』にあります。
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http://www.museum.pref.yamanashi.jp/4th_fujisan/01fugaku/4th_fujisan_01fugaku36_29.htm
実際の河口湖のボートから見た富士山はこんな感じです。
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浮世絵はデフォルメされたものと思っていましたが、北斎の浮世絵は実に写実的なのですよね。
プロジェクトを後押ししてくれる存在
3万4000点という浮世絵・肉筆画を残した北斎。どれだけの風景を、人を、者を、あるいは見えないものまで知覚し、想像し、記憶し、表現として紙に封じ込めたのでしょう。北斎を知れば知るほど、その質的量的凄まじさにただただ畏怖の念を感じざるを得ません。
このプロジェクトも、初めての試み。子どもたちに最高のものを!という志で、進めているのですが、いろんな荒波に見舞われます。
そんな時、北斎のことを考えると自然と元気をもらえます。子どもたちにも北斎を知ってもらえたら、表現することの素晴らしさとともに、大きな生きる気力をもらえるのではないかとワクワクしています。