カメレオン俳優ならぬ、カメレオンAD。
私がカメレオンADになったわけ。
突然ですがカメレオンをご存じでしょうか?
獲物が射程内に入るまで身を潜めたままでじっとしている。 周囲に合わせてその体色を変化させることができ、また両目がそれぞれ独立して動くために360度近い視野を持つ爬虫類です。
初めまして。
よく初対面の方に、「格闘技やっていた?」とか、「ラグビーやっていた?」とか言われますが、どちらかというと文化系な人生を真っ直ぐ送ってきた、見た目のゴツい?!アートディレクター宮野亮と申します。
「ADK CREATIVE MALL」の中で「エグゼキューション・クリエイティブ」というコンセプトを掲げるルームに所属。制作会社と広告会社、出自の異なるメンバーが集まったハイブリッドなチーム編成だからこそ出来る、機動力と定着力を武器に、クリエイティブを提供する実行部隊!の一員として日々業務に取り組んでおります。
少々自己紹介をさせて頂きますと、砂丘で有名な鳥取県出身の私は高校を
卒業後、上京し苦節4年の多浪の末、美術系の大学へ入学しました。
(3浪あたりからはそれはもう地獄のような日々でした。。。)
卒業後はグラフィック系の制作会社、個人事務所を経て現在に至ります。
制作会社ではスピーディーで質の高い定着力につながる基礎の基礎を学びました。
個人事務所では朝のトイレ掃除から始まり、アートに触れることが出来る宿泊施設のロゴタイプやMAP、アプリケーションツールにいたるまでの視覚ビジュアルを統一するビジュアル・アイデンティティ(VI)、地方企業のブランディングなど、戦略性の高い豊富なアイデアを開発。たくさんの経験と修行をさせて頂きました。
そんな長年の経験から導き出した私なりの答えがあります。
クライアントさんの抱える課題を解決するために必要なのは、広い視野とあらゆる環境への適合ではないでしょうか。演じる役柄になりきるカメレオン俳優ならぬ、課題や表現によって自分を変えられるカメレオンのようなアートディレクター。
それが、私の目指す道となりました。
カメレオンADだからIPをこうとらえた。
〜4年前に出会ったIPクリエイティブ〜
「IP」とは「 Intellectual Property (知的財産)」のことで、広告のお仕事で言う、キャラクターやマンガ・アニメ・ゲームなどの作品を指します。
それまではあまり深く関わってこなかったIPの分野なのですが、一人のCDとの出会いでIPクリエイティブの魅力にはまりIPクリエイティブの色に染まっていくのでした。
(そのCDは、このADKクリエイティブ・ノートにも登場しています。【「IPを愛し、IPに愛された女」が語る、「IP」でお仕事をもっと素敵にする方法。】)
そんな中でここ数年たくさんのお仕事をしているのが
「クレヨンしんちゃん」です。
カメレオンのように憑依し、しんちゃんの世界観にどっぷりと浸かるきっかけとなったお仕事。
クレヨンしんちゃん×クラフトボス
「すべての父ちゃんたちへ」WEBキャンペーン
テーマは、何気ない毎日を日々頑張っている働く人(特にお父さん)たちに、ほっと一息ついて「明日も頑張ろう」と思ってもらえるような、クラフトボスからの応援メッセージ。
企画を出す中で、クレヨンしんちゃんの世界観にどっぷり浸り、しんちゃんでしか伝えられないボスの魅力を伝えられたらと、しんちゃんの父であり、商品ターゲットの働く人でもある「ひろし」にフォーカス。自身も働く人、一人の息子の父として、アウトプットの表現を探っていきました。
特に染まりポイントとして私が一番着目した点は、キャラクターの「セリフ」です。
名言だけではなくそのキャラクター、一人一人の喋り方や何気ないセリフをメモしたり、何ども繰り返し見ることでキャラクターや世界観の特徴を自分の中にインプットし、表現開発のエッセンスとしています。
セリフは、何気ないものであっても、受け手の感じ方次第で人の心に響かせる強い影響力を持っていると思います。
世界観に染まった例をお仕事以外でも1つ、
サッカー(football)です。
自己紹介でもお伝えした通り、割と文化系路線を歩んできた私にとって、IPクリエイティブと同じくこれまであまり関わってこなかったもの、それがサッカーです。(代表戦を見たりするレベルです。)
息子がサッカーを習うことになったのをきっかけに、サッカーの世界に少し関わることになりました。そんな未経験の自分が、サッカーコーチのサポート役としてチームの試合のために、なんと4級審判なるものまで取得したのです。
プレーヤーとしての経験がない、サッカーというものをほぼほぼ知らない私が審判を取得したことで、プレーヤー視点ではなく競技のルールの方に自分をどっぷり染めていき、ルールベースの視点でサッカーのおもしろさや難しさに気付かされました。今では、サッカーを見る時プレーヤーの動きより、審判、ラインズマンの動きの方を見てしまうほどです。
IPクリエイティブもサッカーも同じで、深く関わってこなかったものでも、やりすぎなくらいカメレオンのごとくその世界観にどっぷり浸かり深掘りしてみる。すると、今までと違った視点や角度で新たな気づきを得られた上で、アウトプットを表現できるのではと思います。
ただここで注意することは、その世界観に浸かるからといって主観になりすぎないこと。客観的視点も大事にしながら俯瞰で物事をとらえつつ、クライアントさんの目線にたって商品との親和性を考える。主観と客観の視点のいいバランスを探ることがポイントです。
・知らないことにも臆せず一歩踏み出す。とにかく始めてみる=機動力
・深く染まってみる。どっぷり浸かり深掘りする=定着力
これらはまさにルームのコンセプトです。徹底して成りきったカメレオンアートディレクターのフィルターを通して発信する言葉や表現は、リアリティと説得力が違ってくると思います。だからこそ、そこから生まれる表現は、企業の想いがしっかりと込められたものになるのではないでしょうか。
距離を縮めるエグゼクリエイティブ。
社会に出る時にだれにもまけない武器(表現)を1つ持て。
大学時代の教授の言葉です。
社会に出て色々な経験をしたから手に入れた、誰にもまけない武器。私にとってそれは、表現だけではなく、あらゆる状況に対応でき、環境に合わせられる=コミュ力の高さだと思っています。
さらに私には、制作会社と個人事務所を経て培った、デザインを定着できるという強みがあります。この定着力が武器となるエグゼキューション・クリエイティブは、作り手と受け手の距離が一番近く、かゆいところに手が届く!そんな存在だと思っています。
何年経っても、青臭く行こう!
最後に。
働き出して3年くらい経った時に、自分の中に作ることへの情熱がまだあるのかどうか確認するために作った「青春」というタイポグラフィの作品。この自主作品を制作してからかなりの時が経ってしまっていますが、今でも作ることへの気持ちが霞まないよう定期的にこの作品を見返しています。
これからも熱い気持ちを持ちながら、エグゼクリエイティブでカメレオン俳優ならぬカメレオンADとして、周りの環境や課題解決に深く入り込んでいきたいと思います!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!