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教えて!ファシリテーターvol.19「異世代コミュニケーション」その4
はじめに
この連載ではファシリテーターとして、企業や行政の会議や議論の場をまとめ成果に結びつけてきた渋谷健さんに、会議初心者でも取り入れやすい「ファシリテーション」のテクニックや、「会議における疑問・質問」をお聞きする「初心者向けファシリテーション」をお届けしています。
若者がオジサンと話すと「モヤ」っとするのは
教えて!さん:渋谷さん、異世代コミュニケーションの4回目ですね。前回までは、ベテラン側の視点からお話していただきましたけど、今回は若手側の視点で考えてみるんですよね?
渋谷さん:そうです。今回は「ベテランと話せない若手編」と題して、若手が感じるモヤモヤについて見ていきましょう。
教えて!さん:モヤモヤ…!具体的には、どういうことなんでしょう?
渋谷さん:話した後に消化不良というか、すっきりしないことってありますよね。うまく通じてないなとか。では、なんで若者がベテラン(オジサン)と話すと、通じてない……とおもうのかを考えてみますね。
渋谷さん:まず、ベテランの方々は「自分の話を聞いてくれる人がいると嬉しい」と感じます。うれしいんです。だからしゃべりすぎてしまう。人の話を遮るのはただでさえためらわれるのに、ベテラン相手ならまず遮る人はいませんよね。
それをいいことに、好き勝手に話しすぎたり、上から目線でマウントを取っちゃうことがあるんですよね。
教えて!さん:それ、わかる気がします。ひたすら話を聞く若手はどう感じてるんでしょう?
渋谷さん:若手は「自分の考えも聞いたうえでアドバイスをほしい」って思ってる、と思うんです。真剣なアドバイスはとても役に立ちます。でもベテランが一方的に話しすぎると、話をさえぎるのも難しいし、聞きたいことが聞けなくなっちゃうんですよね。
教えて!さん:ああ、ベテラン相手に話の方向を変えるのって勇気いりますよね…。で、結局どうなるんですか?
渋谷さん:最終的には「ありがとうございました」で終わらせるんですが、心の中では「なんか違うな…」ってモヤモヤが残るんです。
教えて!さん:それ、若手あるあるですね(笑)。でもどうすればいいんでしょう?続きは次回のお楽しみ?
渋谷さん:はい、次回は「どうやったらベテランと有益に話せるか」をお話しします。楽しみにしていてください!
まとめ
1.ベテランの視点
ベテランは「自分の話を聞いてくれること」に喜びを感じがち。その結果、好き勝手に話してしまい、時には上から目線で話を進めてしまうことも。
2.若手の視点
若手は「自分の意見を聞いてからアドバイスをしてほしい」と考えているが、ベテランの長い話を途中で遮ったり、聞きたいことを引き出すのが難しくなってしまうことが多い。
3.コミュニケーションの結果
若手は「ありがとうございました」と話を終わらせるが、モヤモヤが残ってしまうことが多い。これは、異世代間のコミュニケーションでよく見られるパターン。