教えて!ファシリテーターvol.8「定例会の進行の仕方」
会議の「型」を4象限で解説しています。今は定例会編をお届け中です。
はじめに
この連載ではファシリテーターとして、企業や行政の会議や議論の場をまとめ成果に結びつけてきた渋谷健さんに、会議初心者でも取り入れやすい「ファシリテーション」のテクニックや、「会議における疑問・質問」をお聞きする「初心者向けファシリテーション」をお届けしています。
会議を4象限で分解する
vol.4からは、会議の種別ごとのファシリテーションをご案内しています。
ここでは「動的・静的」と「攻め・守り」の2軸で会議を整理しました。具体的には、企画会議、定例会、勉強会、トラブル会議の4種類(4象限)を取り上げます。これらの会議はそれぞれ特徴が異なり、適切な進め方も変わってきます。一つ一つ見ていきましょう。
現在は「定例会(静的・守り)」のについて、解説をお届けしています。
定例会の進行
教えて!さん:渋谷さん、今回は定例会の進め方について、お聞きしたいと思います。オンライン会議を効果的に進めるコツについて教えてください。
渋谷さん:はい。まず大前提で「顔出しマスト」にしましょう。オンラインだと参加者はそれぞれ異なる環境にいます。音声だけではどうしても受け身になりがちです。顔出しにして、会議の場に集中してもらいます。
教えて!さん:わかります。聞くだけだと手持無沙汰になり、つい他の作業をしてしまう事がありますよね。他に大事なことはありますか?
渋谷さん:次に重要なのは情報を事前に共有して確認しておいてもらう事。会議の日には、すでに共有された情報の確認や、その上で起こった変更点、現在の課題やタスクの確認などに焦点を当てましょう。こうしておくと、会議の時間を有効に使えます。
教えて!さん:確かに、会議の内容が頭に入っている状態で始めるとスムーズですよね。では、会議中の進行方法にはどんな工夫をするべきでしょうか?
渋谷さん:いい質問ですね!進行にはメリハリが必要です。まず、チェックインで始め、各自30秒程度で最近の状況や心理状態を共有するのが良いでしょう。それから、ホットトピックを関係者が挙手して共有します。上司など偉い人の話はこのタイミングでしてもらうといいですよ。それが終わったら、全体のアクション項目の把握へと移ります。これは淡々と進めましょう。
教えて!さん:質問や新たな話題が入ることもありますよね?
渋谷さん:そうですね。そうした新しい話はいったん聞いたうえで、議論が起こりそうであれば別に時間を取りましょう。重要なのは、全体のアクション項目を明確にし、誰がいつまでに何をするのかを決める、まで終えることです。
教えて!さん:話し合いを具体的なアクションプランの形に変えて、動けるようにしておくんですね。議事録についてはどのように準備すればいいのでしょう?
渋谷さん:会議を進めながら、リアルタイムで主要なポイントをホワイトボードや共有ツールに記録していくと良いでしょう。最後に確認したアクション項目を中心にまとめれば、それがそのまま議事録となります。これで、後から振り返りやすくなりますよ。
教えて!さん:なるほど、リアルタイムでの記録できると時短ですね。定例会は何処に手間をかけて、どこに手間をかけないかのメリハリがとても大事なんだと思いました。ありがとうございます。
次回は定例会で起こりがちな失敗についてお聞きしていきます。お楽しみに!
まとめ 会議は顔出しマストのオンラインで
当日はリマインド(再確認)メインで行う(情報は事前に共有ツールで) -今回までの間で起きた事実で重要なこと
-現の在問題や課題 -タスク -イベントやスケジュールの確認
-事務連絡進行はメリハリをつけてサクサクすすめる
①チェックイン(全員:30秒/一人) 心理状態、今週の振り返り、今週の予定、プライベート
②ホットトピックの共有(関係者が挙手で)
※エライ人の話はこのタイミングで。あくまでフランクに。
③全体アクションの把握(司会)
-スケジュール一覧(共有、更新しておく)を上から順に確認。
-必要なことがあれば追加で発言してもらう。
-議論が起こりそうな場合は別途時間をとる。
④次回までのアクションの確認(司会)
-継続案件、追加案件の整理 -アクションは必ず「だれが」「いつまでに」やるかを明確にまとめて議事録にする。
-会議は進行しながらホワイトボードや共有ツールに入力しておく
-④の部分をまとめれば議事録に
ポイント
:定例会は予定通り進める。議論や相談ごとは別の時間を取る。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?