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文化を感じるということ-9

舟屋群を訪ねる

日本で唯一の風景が残る伊根町へ。
舟屋が残るエリアは全国に幾つかありますが、二百三十軒もの舟屋が群として在る場所は“伊根の舟屋群”ではないかと思います。

山側の建物
陸側から舟屋を望む
湾側から舟屋を望む

五キロもの沿岸に建ち並ぶ風景はやはり圧巻で日本の原風景のひとつといって良いもの。船のドックとして機能するよう直接海に面する路が開けられた造り。現在でもここの舟屋の多くは同じように使われている“現役の舟屋”と言えます。
住まいはその二階かと思いきや、実は独立していて通常舟屋の後ろにあるものですが・・今は舟屋の二階に生活場所や収納場所が追加され使用されているようです。(かつてはそうでなかったと言うのが興味深いです・・なんでなんだろう?)

伊根の舟屋は“重要伝統的建造物群保存地区”に指定されており、その貴重な外観や風景を維持するために特別な注意が払われており、多くの建物は燻された杉板と暗色の瓦屋根で造られています。
伊根湾を囲むような地理的性質がこの舟屋を海に非常に近く建てた理由だと言われており、また地形的に狭い入江と小さな島があり、それにより保護される格好になった非常に穏やかな海。潮の干満も約三十センチほどで、年間の海面差も七十センチほどしかないそうです。

そもそも歴史を紐解くと今から千六百年ほど前から住み始めたそうな。しかし面白いことに当時から魚介は重要な食料源であったものの、現在のように海の真横に舟屋を建てはじめたのは千七百年代になってからのことですから定住後随分経ってからのことだそう・・ちょっと面白いですね。
そして現存する一番古い舟屋は千八百年半ばのもので、案外新しいものしか残っていないのは少し残念です。

しかし、こんな地域にも中華圏からのツーリストが大挙押し寄せています。
市中もとんでもない数が押し寄せてきていますが、こんなところにまで・・と驚くばかりです。船上から舟屋群を見ることのできる船が着岸する桟橋に居た人のほぼ全てが中華圏と思しき人・・日本はいつからこんなことに?
それよりやはり気になるのは“お行儀”の悪さです。
ここは日本、あくまでもツーリストは部外者であって“郷に入っては郷に従え”ですが・・そんなことも守れない方々には来日して頂くのを控えて頂きたいと言いたい今日この頃。

穏やかな伊根湾を望む
反対側の入江にも広がる舟屋群

それにしてもここにも数時間滞在するような時間の使い方ではなく、数日または数週間いることで見えてくるいろいろがありそうです。
まだまだ見る場所や体験できることがある。だから何れまたゆっくり滞在して歴史探訪をしたいものです。
皆さんも時間を見つけてこの伊根町界隈に泊まり、ゆっくり回ってみてはどうでしょうか。

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