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奇妙な世界

ダイナミック・プライシングという奇妙でご都合主義な仕組みも、アンバンドリングなる今までの当たり前を付加価値だと言いはじめ必要以上の金品を要求する仕組みも“ただ混乱を生じさせより高額な費用を支払わせる構造としての機能”しか持ち合わせていない。

例えばホテルの設定された部屋代が休前日や暦の中でイベントがある時期になると突然倍々ゲームのように急騰する仕組みは誰もが知るところで僕がみたもので驚くしかなかったのは“5,000円”で設定された通常期の価格に対してその月のある日は“88,000円”で予約をとっているという尋常ならざる光景は流石に唖然とした。

安い日と高い日に泊まったとして、何か歴然とした差が生まれるのか、はたまたスタッフにも当然そういう日には通常期よりも高い賃金が支払われるのだろうか。(そんなこと絶対にないことだけは間違いない)

航空会社の席指定が追加料金を課すシステムになって久しいがある国の5社の航空会社ではある時期5年間で2兆円ほどこのシステムによって利益がもたらされたそうだ。

これもまた席を思い通りにしたいということなのだろうが、どの席とてファーストクラスやビジネスクラスに乗ればほぼどうでも良いレベルになるし、そういう席を選んだ時にどの席に当たるかを言ったところで大差なくなるので、やはりまさに安いものに結果として高額になるよう誘導するシステムというさもしいやつに成り下がっているのは化けの皮が剥がれた時には大変な騒ぎとなるのではないかとさえ思うが、まあ今はそういう社会背景ゆえに何を言ってもそれが正しい金の巻き上げ方ということになるのだろう。

レストランなどでも当たり前に料金とは別にサービス料なるものが取られることが多くなってきたが、はてそんな追加チャージをされるほどの“サービス”を受けた記憶がないが?と訝しむことしばしば。

どの側面でもものすごく一方通行で我先に己の懐を暖めることだけに終始していて、その連続の中の関わるところにその値上げ分が分配されていないのが末端と付き合っていろいろ聞いていると透けて見えるわけです。

つまり“高騰”の拠り所になっているそれ自体が“詭弁”のような怪しげなものであって、むしろ本当に値上げをしなければ立ち行かなくなるところに限って気概や使命感などで踏ん張っているようにも見える。

あるレストランでいわゆる変態の領域まで高まる“こだわり”の先にそれは1,000円で提供されるがなんとも美味なのだ。対してそこそこにやってはいても日を追うごとに質の低下が否めない同類のレストランでのそれは1,800円で供される。前者を知ってしまうと、勿論後者には足が遠のく。何より価格という側面より維持または向上がないことが残念で行かなくなるのだと言うことを事業側が敏感に察知しないとと思うのだが・・

行けるけど行かなくなった店って星の数ほどあるけれど、個人的には大凡理由はこれです。

金儲けも結構。しかしながら、それをする前にある“大切なこと”を飛ばしたり手を抜くことがないようにして欲しいなと思うわけですが。。

いや、しかし今日も師走とは思えぬ陽気。

今現在18℃を超えて外でも半袖シャツ一枚でも動いていると汗ばみます。人様にとっては良いですが、その他のものにとってはまたいろんなものが不出来になってしまわぬかと心配になります。

晴天

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