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「フラッグバーガ―!!!」アプリ完成記念! FLAGS×THE COACHコラボ vol.1 - 私たちの生きづらさについて考える -

こんにちは!FLAGS - ミレニアルズの生き方研究所 - です!

これまで、私たちFLAGSは何者か、そして「ミレニアルズがよりよく生きるためには?」というテーマに至った経緯や、プロトタイプでの試行錯誤など、プロジェクトの状況をこのnoteを通じてお伝えしてきました。
数々の検証を重ね、たくさんの方にご協力いただきまして…

私たちFLAGSのミレニアルズへの想いが詰まった「フラッグバーガ―!!!」Webアプリが完成しました!

「フラッグバーガー!!!」は、いいなと思う人を参考に、あなたが大切にしたいことが見つかるwebアプリです。簡単ステップの自己分析で自分の人生に旗を立てよう!

この完成を記念して、THE COACHの代表 小林 かなさんをお招きし、インタビューを実施。その模様を「vol.1 私たちの生きづらさについて考える」 「vol.2 アプリ、体験してみた」と、2回に渡りお届けします。

インタビューに至った経緯

「複雑な現代をミレニアルズがよりよく生きる為にできることは?」をテーマに活動してきたFLAGS。インタビューやアンケートを通じて、ミレニアルズの生きづらさの根本には、「自分の軸(大切にしたいこと、価値観、信条)が分からなくなっている」ということがあるという結論に至りました。

公開したwebアプリ「フラッグバーガー!!!」では、「自分の軸が分からない」という生きづらさに対し、いくつかの問いに答えるワークを通じて、自分の大切にしたいことを言葉にし、軸となる旗として立てるというアプローチを通じて、生きづらさの軽減を図ります。

問いから気づきを生み出し、​ありたい姿へ導く…このアプローチはコーチングにとても近いものだと気づきました。「生きづらさを感じるミレニアルズに必要な要素はコーチングに詰まっているのかも?」と興味が湧き、ご自身もミレニアル世代で、FLAGSと同じくデザイナーのバックグラウンドを持ち、コーチング事業を展開するTHE COACHの代表を務める小林かなさんにコンタクト。FLAGSの活動に共感いただき、今回のインタビューに至りました。

小林 かな  -  Profile
THE COACH 代表。デザイナーとして株式会社DeNAに入社後、株式会社THE GUILD、フリーランスを経て株式会社THE COACHを創業。キャリアとエグゼクティブを中心にコーチングの実績400人以上。国際コーチング連盟認定コーチ(ACC)。開講以来、講師として150名以上のトレーニングを担当。Twitterやnoteでコーチングについて発信しており、SNS合計フォロワー数6万人以上(2021年3月時点)。

https://thecoach.jp/#teacher

コーチングで悩めるミレニアルズと向き合う機会も多い小林さん。示唆に富んだインタビュー、じっくりご覧ください。

1.そもそもコーチングとは?

FLAGS:コーチングとは何か、お聞かせください。

小林さん:「コーチングとは?」という定義や考え方は人によってさまざまであり、世界共通の定義はありません。THE COACHが考えるコーチングとは、「気づきと行動が生まれるプロセス」を指します。コーチとクライアント(コーチングを受ける人)は、コーチングセッション(両者が対話する時間・場)で、クライアントに気づきが生まれることを目的として対話を重ねていきます。

テーマとしては、「自分の軸や強みがわからない」「キャリアに悩んでいる」「同じ問題を起こすので根本解決したい」など、クライアントの内側に答えがあるものを扱います。

もともと私はデザイナーで、スキルアップのために始めたコーチングを始めました。しかし続けるうちに、スキルアップ以上に、人の役に立ち、感謝されるものだと、コーチングの面白さを実感しました。自分一人で出来ることには限界があるし、すばらしいコーチは沢山いる。この素敵なものをもっと広めたいという想いで、THE COACHを起業しました


2.ミレニアルズの生きづらさは、時代を表すもの

FLAGS:ご自身もミレニアルズで、コーチとして生きづらさに惑う同世代とセッションを持つ機会もある小林さんは、ミレニアルズの生きづらさについて何か感じることはありますか?

小林さん:20-30代の死因1位が自殺であることが問題になり続けています。

精神的に疲れることは、誰にでもあり得ることだと思います。
この生きづらさをなぜ多くの人が抱えているのかを考えると、今の時代を表す現象ではないかと感じます。

例えば、インターネットが急速に拡大し、SNSなどで人々の日常や価値観がオープンにされる機会が増えている。それにともなって選択肢がものすごく多く増えている時代ですよね。

私たちは、義務教育などで「Teaching」の機会を与えられてきました。教えられて答えを導くような、画一的な教育ですね。そんな教育を受けてきて、多様な選択肢の中で、何をしていきたいのか考えるきっかけなく過ごしてきていたと思います。多くの人にそれを考えるきっかけが初めて訪れるのが、就活の時でしょうか。自分の意思でそうやって選択をしていくっていう経験が無さ過ぎるんですよね。

SNSで活躍している人が目立っている、自分自身は一体この先何をしていきたいのかわからない、このままでいいのかと感じる。このままじゃいけない、何者かにならなきゃいけないとか…そんな焦りを抱きやすい時代だなと。そういったことが、生きづらいと感じる要因になっていると思います。

3.優しく、気が使える人は生きづらさを感じやすい?

FLAGS:ご自身のコーチング経験から、生きづらさを感じているミレニアルズに特徴などありますか?

小林さん:一つは、これは私自身がそうなのですが、人目を気にする人は生きづらさを感じやすいんじゃないかと思っています。コーチングの理論の一つに成人発達理論というものがあります。人の意識は段階的に成熟するという理論なんですけど、1~4段階あって、「1.自己中心」「2.他者依存」「3.自己主導」「4.自己変容」の順ですね。日本では、「2.他者依存」の段階にある人が大体、人口の7~8割を占めると言われています。

成人発達理論の大家でもあるロバート・キーガン博士は、人間は5つの発達段階を経て成長していくと述べています。…発達段階3は成人人口の約70%を占め、「他者依存段階」と呼ばれます。自らの意思決定基準を持たず、組織や社会などの他者の基準によって自分の行動を決定します。組織や社会の決まり事を従順に守るという意味から「慣習的段階」とも呼ばれます。

ps://diamohttnd.jp/articles/-/95841

この「他者依存」の段階にいる人はどんな人なのかというと、主語が「みんなは」になりやすい人たちです。「みんなこうしてるから、こうしなきゃ」「常識がこうだから」というように、協調性とも捉えられる性格があって、その他大勢に馴染もうとしていくような意識の段階です。

「みんながこうだから」「何々すべきだから」と、自分の内側の声より、外側の声に耳を傾ける。そんな優しい、周りに気が使えるという方は日本人には多いかなと思います。そういう方こそ生きづらさを感じやすい。

もう少し年を重ねると、「私は私でいい」という感じで、「自己主導」の段階に上がっていきます。
コーチングでは、この「他者依存」段階の人が「自己主導」の段階に上がるところを橋渡しをしている事が多いと感じますね。


4.必ずしもアクションしなくていい

FLAGS:生きづらさ(悩みや負の感情)との向き合い方について、コーチングにおけるアプローチがあれば教えてください。

小林さん:例えば大企業で働いていて、故郷の両親的にも「なんか良かったわ」という状態だけど、自分としては日々仕事が楽しいわけでもない。別のことをしたい気がしていて、注目を浴びている企業やベンチャーとかに憧れる。しかし、子供が大企業に就職して安心した両親の声もあり、「今のままでいいのでは…」とも感じ、葛藤が生まれます。

結局転職せずにその会社にいてモヤモヤしているという場合、負の感情って色んなパターンがあると思うんです。「本当は活動的になりたい」と思っているのに、それが実現されていない。その状態に自分自身がフラストレーションを感じている。そういう状況だと仮定すると、解消する方法は多分2パターンあるかなと思います。

一つは本当に行動を起こして、現状を変えて、その気持ちが昇華される環境に自分自身を持っていくというパターン。
もう一つはこの感情を自分自身が認め、それを享受し、「こういう自分もいてもいい」と受け止めるパターン
。今「葛藤している」という状態を良しとして、「問題が、ある意味問題じゃない」考え方に至るというような。

前者に関しては、コーチングの王道ともいえるアプローチです。本当はどうありたいのかを考えたときに、他者の声よりも、自分の声を大事にしたいとその人が思ったのであれば、その行動に至る。自然なプロセスだと思います。

THE COACHの場合は、必ずしも行動しなくても良いという考え方を持っています。行動しないということは、現状で守りたいものがあるということのはずなので、無意識的にそれを選択している状態とも言えます。

「今はあえてこういう選択をしてるんだ。この葛藤は持ち続けるけど、自分としてはしっかり吹っ切れている。」
そんなふうに思えたら、自己肯定感も上がると思うんです。
コーチングにおけるこの正のパラダイムシフトを起こすような感覚は、新鮮に感じていただけると思います。

…インタビューはvol.2へ続きます!

※掲載内容はFLAGSメンバーの見解であり、富士通グループを代表するものではありません。


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