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ミレニアル世代のデザイナーが考えた、生きづらさ解消のために解決すべき課題とは?-アイディア出しのその前に-
こんにちは!FLAGS - ミレニアルズの生き方研究所 - です。
FLAGS - ミレニアルズの生き方研究所 - は、富士通株式会社デザインセンターに所属する20代後半~30代前半(ミレ二アルズ)のデザイナー6名が進めるプロジェクトです。
前回の投稿では、ミレ二アル世代を対象に行ったインタビューの結果から新しい課題仮説を導く方法についてお話ししました。次のステップは、アップデートした課題仮説に対して、どうすれば解決できるのか検証するためにアイディアを広げていきます。今回はアイディア展開の前の準備編です!
何を解決したいのか整理する
前回の投稿で新たに導いた課題仮説を要約すると 、以下のような内容でした。
a. 生きやすさを高めるには抽象度の程度の差はあれど、軸が明確になっていることが大事
b. 軸(どう生きたいか)が明確になっていることで、自らのアクションを起こしやすくなる
(ただし、固執しすぎると逆に生きづらくなることもあるので、軸は柔軟に変わる余地を残すことも大事)
c. 軸を他者に共有することで周囲からの支援を受けられる可能性が高まる
上の説が正しいと仮定した場合、ミレ二アルズは以下のような問題を抱えているのではないかということでした。(詳細は前回の投稿をご覧ください。)
1. 軸は皆が潜在的に持っているが、それを認識できていない
2. 軸を他者に共有しづらい
3. 自身の軸に沿って生きていくために、より確実なアクションを実行したいが、確実なアクションが何かわからないから動き出せない
ここまでが前回のお話でした。ここから、なぜ上記のような問題が起こっているのか、どうしたら解決できるのかという観点でメンバーで問題点を深堀りをし「課題」を抽出していきました。
1.どうして軸がぼんやりしてしまうの?
このプロジェクトをメンバー以外の人に話すと、「受験期や就活時期を思い出す」といったコメントをもらいます。受験や就職活動では、人生の節目として大きな選択を迫られ、自己分析、他己分析した方も多いですよね。しかし、社会人になると、次の節目が途端に見えづらくなってしまいます。人によっては定年退職まで節目が見えないということもあるのではないでしょうか?自分で意識的に節目をつくらなければ、簡単になぁなぁに過ごすことができてしまいます。そうすると自分が今どこに向かっているのか、どのくらい進んでいるのかを実感しづらくなりがちです。社会人になっても短いスパンで自分の人生について考え、言語化する機会をつくることで解決できそうです。
また、「大事な軸は複数あっても良いよね」という意見はメンバーの中でも一致しました。ただし、ぼんやりしてしまうのは軸が複数あることを認識することができずに、それらが複雑に絡まってしまっているからなのではないでしょうか。
こちらに対しても自分と向き合う時間をつくることで、ある程度サポートできるのではないかと考えました。
課題:自身の軸について考え、言語化する機会を創出する
2.どうして共有しづらいの?
周囲の人に自身の軸(どう生きたいか)を共有することで、周囲からの支援が期待できるのではと仮説を立てました。一方で、中には共有することに抵抗を感じる人がいたことも事実です。その理由はどこにあるのでしょうか。
そもそも、他者に軸を共有するためには、うまく伝えられるように思考を整理し、言語化する必要があります。そこで躓くと正しく軸を共有できず、自身が望む支援も受けることができません。軸を共有しづらいという問題における課題は、軸の正しい言語化です。正しく軸を言語化するためには、日常を記録しビジュアル化することも有効そうです。
課題:自身の軸を言語化・ビジュアル化する
共有しづらい理由は他にもあります。人生の軸というとかなりプライベートな内容を含むこともありますよね。共有する相手によってどこまで開示できるかのレベル感は変わります。例えば、「話しても理解されず関係が悪化してしまう」や「立場が悪くなってしまう」などの可能性を考えると外に向けて発信することがリスクになります。
つまり、信頼している友人やプロなどリスクが少ない人にしか開示できない心理が働いているのです。この問題を解決するためには、周囲の人に開示できるような情報の伝え方をする必要がありそうです。
課題:周囲の人に開示できるような情報の伝え方をする
3.軸に沿って生きるための確実なアクションを実行するには?
自分と向き合い、軸が明確になったとします。しかし、明確にするだけでは不十分です。現実と軸(どう生きたいか)にギャップがあったとき、軸に沿って生きていくためのアクションを起こす必要がありますよね。そうでないと、理想と現実のギャップに苦しむことになってしまいます。
ですが、メンバーからは「軸に沿ったアクションを決められない」や「アクションを決めても実行できない」といった声が上がりました。「なぜか?」ともう一歩深掘りすると、近くに生き方の参考になるモデルがいないことが原因の一つだとわかりました。生き方も価値観も多様化しているが故に、同じ環境(組織、コミュニティー)に属しているからといって必ずしも理想とする生き方や価値観が近い人と繋がれるわけではないことが問題でした。
それなら、「似た軸で生きている人」を参照できる仕組みがあれば良いのではないでしょうか。せっかくインターネットで全世界がつながっている時代だからこそできることかもしれません。
課題:似た軸で生きている人を参照できる仕組みをつくる
では、なぜ似た軸で生きている人を参照したいのか。それは「失敗をせずに最短距離で理想に辿り着きたい」という潜在意識が存在しているからではないかと私たちは考えました。そもそも時代の変化に合わせて軸は変わる部分があって然るべきですし、実際にやってみないことには自分の軸として正しいかどうかを判断することはできないのだから、やってみて失敗したら経験にして進めば良いという考え方もできますよね。
失敗を恐れてアクションを実行できないという問題に対しては、「やってみてダメだったらまた考えてもう一度やってみよう」というマインドの変化を促せればそれでも良いかもしれません。
課題:「やってみてダメだったらまた考えてもう一度やってみよう」というマインドをつくる
「課題」と「問題」は似ているようで違う
仮説を深堀りする際に気をつけたことをお伝えします。それは「問題」は何か、「課題」は何か、ということです。同じ意味に感じる2つの単語ですが、厳密には意味するものが異なります。「問題」と「課題」の違いは以下の通りです。
・「問題」は、目標とするものと、現状との間にあるギャップのことで、目標達成のために、解決しなければならない事柄。
・「課題」は、目標と現状とのギャップを埋めるために、やるべきこと。問題を解決するために起こす具体的なアクション。
参照:https://news.mynavi.jp/article/20180326-596685/
一つの問題からはたくさんの課題を設定することができます。問題に対してどう課題を設定するかで、出すべきアイディアも変わります。私たちは上のような課題を設定し、それらを解決するアイディアを出しました。そして出したアイディアをビジュアル化し、広く意見をもらうことで、設定した課題の確からしさを検証しようと思います。
↑課題に対して出したアイディア
今回はここまで!
次回は、今回整理した課題を解決するアイディアについて考えたお話を、具体的に例を示しながら紹介したいと思います!
次回をお楽しみに。
※掲載内容はFLAGSメンバーの見解であり、富士通グループを代表するものではありません。
#ミレ二アルズ #若者 #生き方 #デザイナー