2024年の生成AIとクリエイティブについて - Blog 2024/1/2
2024年最初の投稿になります。
昨日 (元旦)、石川県能登地方を震源とする大きな地震がありました。被災された皆様に謹んでお見舞い申し上げます。一日も早く復興されますよう祈念致します。
2016年10月にスタートした「クリエイティブとAI活用」の活動も、7年目となりましたが、昨年の夏からは生成AIにフルコミットしており、同活動の90%以上を占めています。
今年も引き続き、生成AIの可能性やリスクを念頭に置きつつ、実制作を進めながら様々な検証を実施していきたいと思います。
以下は、生成AIを駆使して作成したイメージビデオですが、映像から音楽まで全ての構成要素をAIで生成しています。最終工程の編集作業のみ、After Effectsを使用していますが、撮影無し、ビデオの素材集なども使用していないのですから、驚くべきことです。
Another Tokyo (GenAI Parallel universe)
画像生成:Midjourney V6 (alpha)
ビデオ生成:Runway Gen-2
音楽生成:Suno AI / 歌詞の生成:GPT-4
編集:After Effects
見るに堪えないレベルだった生成ビデオが「わずか半年弱で」このレベルまで技術進化しました(Gen-2の品質が向上したのは昨年の7月)。
生成AIの高度化・複雑化も進み、プロンプトエンジニアリングだけではどうにもならない状況になっており、既存技術とのハイブリッドな使い方を実践しつつ、周辺知識 (動画生成AIなら映像の知識) の獲得も不可欠になってきました。
AIクリエイティブの民主化は、コンシューマー向けサービスの領域で達成しそうですが、プロフェッショナル用途では複数の生成AIの連携やAIトレーニング等でカスタムワークフローを構築していくことになるでしょう。
今の技術進化の速度を考慮すると、あと半年くらいで現在と同等の動画生成AIがコンシューマー向けのAdobe ExpressやCanvaなどのクラウドサービスに実装されているかもしれません(すでにCanvaではRunwayの一部機能が利用可能)。
今後、一貫性が維持された長時間の動画生成が可能となることが予想され、数分間程度の高品質なビデオクリップの生成が現実的になるはず。
プロ仕様の実装は、2025年以降になると思いますが、それでもあと1年少々です。
ただし、クリエイティブな用途に制限を加えずに、フェイクとして悪用されるのを抑止するためには、加工に強い電子透かし技術が必要です。AIによって生成されたものであることを識別できないと、何らかの規制の対象になると考えられます。
Runwayが幼い子どもの生成をブロックするように、厳しいコミュニティガイドラインとクリエイティビティのせめぎ合いがすでに始まっています。
数か月先さえ読めない状況ですが、2024年は間違いなく動画生成AIが与える影響について賛否両論が巻き起こり、物議を醸す年になるでしょう。
個人的に最も注目しているのは、やはり「映像の生成」です。
1年もあれば、現在より優れた制御UIや他技術との連携機能等が開発されると思いますので、撮影なし、CGなしの個人制作による映像作品が生み出される可能性があります。
1990年初頭、Apple QuickTimeやMacromedia Directorによって、大量のマルチメディアコンテンツが創られ、たった1人のアーティストが大規模なインタラクティブゲームをリリースするというムーブメントがありましたが、同じようなことが起こるかもしれません。
今月の第10回・報告会は、27日(土)AM10:00 - 11:00 です。
先月の報告会:
更新日:2023年2024年1月2日(月)/公開日:2024年1月2日(月)
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