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プロのデザイナーの画像生成活用のレベルが驚くほど向上、但しリスキリングはどの会社も失敗し方針転換/第69回目のCreative.Edge Live - Blog 2025/01/16

昨夜のライブ配信でお話したとおり、年始から生活道路の確保(除雪)や燃料調達などの生活労働に追われ、仕事もまったくできない日々でした。
昨夜はライブの後(深夜2時頃から)、Zoomで突発の雑談会があり、今年初めての意見交換となりました。

雑談メモ:
大手エージェンシー経由、デザイナー100人以上在籍するデザイン制作会社

画像生成AIの使い方、および品質向上のレベルが驚くほど高くなっており、大変驚きました。どの会社も画像生成AI活用時の複数の問題をすでに克服していました。


成功しているデザイン会社の共通点:

  • 生成後の手直し作業
    画像生成AI活用によって、今までになかった“生成された嘘や破綻(ハルシネーション)”を見つけて修正する新たな手間が発生するという大問題を解決していた。

  • 管理や編集のコスト増
    画像生成AIによって手軽に多くのバリエーションを生み出せるが、その分だけ“どれを採用するのか”、“どこを修正して最終形にするのか”という判断やディレクションが増えていくという問題も解決済み

リスキリングはうまくいかない

デザイナーに対するリスキリングは、どの会社も失敗していて、方針転換していました。生成AIの技術進化が速すぎて、体系的な教育設計ができないことが原因です。教授できる人材がいないことも大きく影響しています。

生成AIに不慣れな人たちは「初心者」として扱われ、コンシューマー向けの敷居を下げた入門講座が実施されましたが、プロフェッショナルの現場では逆効果だったようです。

各社の対応策は、身も蓋もない話なので雑談やライブ配信にとどめておきます。生成AIが好きで寝食を忘れて没頭している社員が取り組みのエンジンにならないと期待した結果を得られないということ。
つまり、このような過渡期の技術に対して「何ができて」「何ができないのか」を即答できる生成AIマニアの社員の存在が不可欠ということです。


雑談会の最後で、私が簡単なデモを公開しました。
画像生成AIのハルシネーションはあまり改善されておらず、そのおかげで既存の画像処理テクニックの価値が上昇中。

Midjourney v6.1 による複数の人物の表現

重要なのは、画像生成AI(この場合はMidjourneyを使用)は「嘘が多く(ハルシネーションが必ず発生する)」、たんに「それっぽい」イメージを創り出しているだけ、という特性を理解することです。

プロフェッショナルはこの低品質な画像をCreative UpscalerやPhotoshopなどの画像処理テクニックを使って、実用に耐え得るデータに仕上げていきます。

生成画像のブラッシュアップ
Midjourney v6.1 による複数の人物の表現
生成画像のブラッシュアップ

必須条件:

  • 会社やチーム単位で週に数時間は「AI検証のための時間」を確保するなど、“カジュアルに試すのが当たり前”の文化をつくる。

  • 無制限生成は最低条件(クレジット制限のある環境は最悪)。
    “無駄撃ち”でもいいからガンガン生成できる環境をデザイナーに与えることで、「どこが破綻しやすいか」「どうすれば改善できるか」を肌感覚で知ることができる。


明日(金曜日)、昨夜の続きのライブ配信をやります。

  • Creative.Edge Live 第69回目:17日の夜11時頃から


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更新日:2025年1月16日(木)/公開日:2025年1月16日(木)

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