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【教育関連エッセイ】PTAの新しい形を考えた。

先日、日経新聞で興味深い記事を読んだ。
PTAは、今や「外注」という選択肢があるという。

PTA(Parent-Teacher Association)は、ご存じのように子どもの健やかな成長と教育効果の向上を目指し、父母や教師が協力して学校行事をサポートする組織である。

小学生の頃の記憶を思い返してみると、私の母も頻繁に学校に来ていた。
児童の安全性を確保するために、旗を持って児童の道路横断をエスコートしたり、年に1回行われる学校イベントでは写真係として自分の子ども以外の児童の写真を撮るために校庭を走り回ったり等、子どもたち以上に奮闘している姿をおぼろげに記憶している。

そんなPTA行事だが、ここ15年ほどの間で大きく変化している。

記事に取り上げられている「外注」とは、主には民間企業への委託を表していた。
具体的な例をみてみよう。

2022年8月より、近畿日本ツーリストはPTAのアウトソーシング事業を始めた。
広報誌の印刷やWebサイトの制作等のほか、学校イベント関連の企画~運営、卒業式等の式典のの記念品作成業務も請け負ってくれるらしい。

旅行やイベントの開催に強い会社で企画される学校イベントは、児童にとっても刺激的で思い出深いものになると期待できる。
また、私の母のような、PTAの業務を全うするために我が子の晴れ舞台を見逃すという悲しき事態を避けることができるだろう。

今後、旅行会社だけでなく、
地元写真館へ、学校行事の写真撮影依頼、
警備会社へ、子どもたちの安全パトロールの依頼、
役者や声優へ、読み聞かせの依頼、
等、様々な掛け算が生まれそうだ。

教師不足が大きな課題となる中、私たちは、生徒ひとりひとりの教育を教師にすべて任せるのでなく保護者や地域を巻き込み、一体となって教育を支えていく必要がある。
一方、Wワーカーが増える等、保護者のワークスタイルもどんどん変化し、全保護者へPTAへの参加を強いることが難しくなる中で、地域や民間の力を借りながら教育サポートの新しい姿を創造する転換期にいると感じる。

また、私が当たり前のように見ていた15年前の母の姿は、「時代」となり、私自身が今後子育てをしていく中で、自分の常識が当たり前でなくなっているだろうな、という一抹の寂しさを感じた。

もちろん、PTA事業をすべて外注するわけにはいかない。
民間企業へPTA外注をするということは、お金を動かすビジネスが前提になり、その財源はどこから出すのか、現実的に考える必要がある。

これから自分に子どもができたとき、どのような形で学校教育に関わることが主流になるのか想像しながら、今後のPTAの在り方について模索していきたい。


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