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レオパの卵胞うっ滞経過

 はちゃめちゃ不安で調べ散らかしたので、似たような境遇の方々に向けて書きます。

卵胞うっ滞になったレオパ

とてつもなくかわいいがとてつもなくアホ

 我が家のスーパーマックスノー、名前はいりごま(推定1歳5ヶ月~1歳半)。私にとっては2匹目のレオパで、家に来たのはベビーのころ。時期的には2021年12月半ば。
 家に来たときから栄養失調で一発目の脱皮に失敗。
 動物病院に駆け込んで通院した結果、特に膿んだりもせずに治癒したが、左眼の瞼の腫れが治らずハート形になってしまった。
 この時点で嫌な予感がした私は、「こいつ病院通いがデフォルトになりそうだな」と覚悟を決めた。
 とはいえその後一年ほどは何事もなく、爆食・爆睡・爆走の三拍子揃った健康優良レオパとして育った。

4/10 目がなんかおかしい

 基本的にレオパを観察するのは寝る前に餌をやるときと決めていたのだが、その日は何となく目が気にかかった。
 腫れてない?
 というか眼球がでかくない?
 光に透かすと顕著。めっちゃ腫れてる。でも元気そうだし腫れも透明。
 ともあれその日はもう夜が遅かったので、次の日に病院に即連絡。しかし直近の土曜日は激込みで予約が空いておらず、日曜は仕事(私の仕事は土日のどちらかが出勤必須)。当レオパの様子からしてもあまり緊急性は高くなさそうだったので、次週の日曜に予約を入れてもらった。

4/13 呼吸がおかしい?

 いりごまの目を毎日確認していたが、一進一退という感じ。この日は仕事がなかったため、病院まで間が開いてしまうこともあり心配で観察していたところ、いつものように爆睡しているいりごまが急に口を開けた
 レオパが口を開けるのは大変まずい。かなり呼吸が苦しくなっている状態で、開口呼吸を高頻度で繰り返すようであれば、もう既に事態は相当ひっ迫している。この日もよく動き、餌を食べ、結局その1回以降は口を開けることはなかったものの、1回であっても口を開ける時点で何らかの異常があるのは明らかだった。

 肺炎だったら本当にまずい。大慌てで病院に電話。何とかして土曜の診察に捻じ込んでもらえないか交渉するも不可との返事があり(相当混んでいたらしい……)、職場の方々に連絡を取って何とか勤務日程を調整してもらった。すぐに病院に連絡し、翌日の診察枠に入れてもらうことになった。

後から見るとかなりしんどそう

4/14 病院へ

 私の住んでいる田舎にはエキゾチックアニマルを診てくれる病院が少なく、電車で一時間半ほどかけてかかりつけへ。比較的すぐに通してもらい、先生に診察をお願いする。
 まずはレントゲンを撮ってもらった結果、どうもお腹に何かが詰まっており、肺を圧迫して苦しかったのではないかとのこと。元からレプラーゼも大して効果のない便秘症だったため、恐らく胃腸の内容物だろう……という話をして、薬の種類を決めるために超音波検査をお願いした。
 そもそも消化管が動いているかどうかによって、油で滑りをよくして流すか、それとも消化管を活発化させる薬を使うかが決まるらしい。蠕動の状態を見て決定するという。なるほど。

 17時まで時間を潰して迎えに行った先で卵胞うっ滞判明。

 いりごまは元々尾曲がりだったり、歯の生え方がおかしかったりと、器質的な問題の多いレオパだった。そのため繁殖をさせれば確実に卵を詰まらせるという確信があったのだが、無精卵の問題は早くとも性成熟が完全に進んだ来年に出て来るだろうと思っていたため、そこそこ衝撃を受けた。
 上記の思い込みに加え、食欲旺盛な割に便秘症で常にお腹が大きく張っていたために腹部の膨満に気付けなかったのも、生殖器の問題を疑えなかった原因。猛省するところである。

 先生曰く、手段は二つに一つ。
 これがピークだと考え、投薬療法で1~2週間様子を見るか。
 この場で開腹手術を決断するか。

 即座に「切ってください」とお願いした。切って治るならまだマシである。

 診療を早めてもらった結果、4/27とゴールデンウィーク直前ギリギリで何とか手術の日程を確保してもらい、それまでは炎症止めと抗生剤、それから宿便を出すための油を投薬し、呼吸を改善していくこととなった。

 ちなみに肺は小さく潰れていたものの健康で、本題だった目は体内や口内の分と合わせた炎症止めで治るだろうとのことだった(飼い主はこれも卵胞うっ滞による免疫低下が原因だと睨んでいる)。

 一週間遅れていたら手術がかなり先にずれ込んでいたかもしれないというのもあり、後日ちゃんと職場の人に菓子折りを持ってお礼をした。

術後より検査のための鎮静後の方が辛そうだった

4/23 またしても病院へ

 徐々に元気になって、最初は10分足らずで済んでいた投薬に40分かかるようになってきた頃、なんだかめちゃくちゃ口を開けたり鳴いたりするようになった。
 苦しい! というよりは気持ち悪い! という感じの仕草だったが、病院に「行った方が良いですか?」と訊くと「気になることがあれば念のため……」ということで病院へ。
 相談の結果、手術も近いので、めちゃくちゃ嫌がっていた油の薬を一旦やめることに。それ以外は特に変化なく、手術に向けて体力を温存しながら耐えてもらう方針とした。

 ここからの数日間、口を開けたりすることはなかった。めちゃくちゃ嫌いやんけ。

4/27 手術~4/28 退院

 朝のうちに先生に預け、「何かあったら連絡します」と言われて帰宅。翌日の午後に迎えに行くことに。
 電話が鳴るなと祈っているときに限って二度ほど電話が鳴り心臓が止まった。別所からだった。閉院後に先生から直接お電話があり、「無事に麻酔から醒めて自力歩行してます」とのことで安心。
 切ってみたら腹水だと思ってたものが0.8mlもある水疱(恐らく先天性)だったが、とりあえずついでに処置してもらったので結果的には根治。

 迎えに行ったらまさかの脱皮中で鬼メンタルにビビった。帰宅直後は流石に麻酔が抜けきっていなくて眠たげだったが、夜の間に98%ほど脱皮に成功し、残りは5/5の経過観察時に先生に取ってもらうことに決めた。

眠気vs脱皮

5/10 糸が取れる

 なんでや。
 経過観察では良好、脱皮も乗り越えたのに何だか知らんが取れていた。当人は超絶元気で臓器脱などはなく、筋肉部分も癒合していることが見えたので大丈夫だとは思いつつも、翌日朝イチで病院に電話することを決定。

 というわけで5/11に病院に行き、「う~~~~んまあ大丈夫だと思うけど念のためね~~~~!!!」という感じで来週また再縫合を懸けた受診があります。目も治ってないので抗生剤+消炎剤を続投で様子見。
 なんでや!!!!

元気であることが信用できない

私見

 マジで運がよかった。
 
レオパに限らず、爬虫類は元気がないイコール瀕死! というレベルで症状が表に出ない。いりごまほど食欲が落ちない生き物も稀有かもしれないが、それを差し引いてもびっくりするほど元気だったし、何なら体重は手術直前まで増え続けていた
 実際、私も後になってから「あれ? もしかしてアレって抱卵のせい?」と思うようなことにポロポロと思い当たった(この反省を生かし、今後はより一層早い段階での受診が出来るよう心掛けたい)。

 いりごまは先天的に虚弱なものの元々生命力の強い個体で、たまたま目の調子が悪くなり、たまた口呼吸を発見しされ、たまたま即座に予約を取れた。レントゲンを撮ってたまたま糞詰まりが確認され、その薬を見極めるための超音波検査でたまたま卵胞と腹水が見えた。
 そして、たまたま飼い主がとんでもない心配性で、たまたま先生の腕が良かったために生還した。

 一概に言えることではないが、爬虫類に対して「なんかおかしいな?」と思ったときには、既に病態が進行していることが多いように感じる。
 あと難しいと思うが、切って治るなら切ることに躊躇しないことって大事かもしれないなと思った。手術は元気な方が成功しやすく、そして病気を持っている生き物は(人間を含め)今が一番元気ということを肝に銘じたい。

 話によると卵胞うっ滞は卵詰まりと違って有効な(吸収を促すような)薬がないらしい。爬虫類のメスは生殖器関係で命を落とすことも多いようなので、繁殖の予定がないなら良い機会だと思って卵巣を取ってもらうのもアリなのかもしれない。開けたら妙なものが見つかるかもしれないし。

費用について

 割と生々しい話ゆえか、ネットを彷徨ってもあんまり出て来なかったので、参考までに。
 手術が5.5万円+麻酔や投薬などなどで総計12万円、前後の通院や何やを含めたら全体で大体20万円くらい。
 金額だけでいえば割高めな病院にかかっているので、もしかしたら相場はこれより安いかもしれない(通っているところは院内が綺麗で設備も整っており、受付の人や看護師さん、先生も丁寧なので割高感はない)。

いりごま6匹分くらいした

 レオパは最近流行のペットとも聞く。犬猫に比べて安価で小さくて可愛くてランニングコストも低いと良いことづくめとはいえども、長生きしてほしかったらお金は貯めておいた方が良い。

 まあ、可愛い小さい命10年分の値段がちょっと良いゲーミングパソコン一台分と考えたら、安いもんだよね。

 レオパが元気になっていくなか、私はあまりに心配だったために寝不足になり、免疫力が下がり、五年ぶりに風邪を引き、原稿がギリギリになりました。〆切には余裕を持っておこう!!!!!

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