ワークとライフを分けない。仕事を面白くする方法 #あの会話をきかっけに(キャリコンサロン編集部#16)
心が変われば行動が変わる。
行動が変われば習慣が変わる
習慣が変われば…
という名言がありますが、今考えると、あの時のあの会話がきっかけで、私の「仕事」に対する考え方が変わったような気がしています。
鈍い私は一足飛びとはいかず、ゆる~っと氷が解けていくような変化でしたが、
改めて思い起こすと、やっぱり「親の言葉と冷や酒はあとで効く」でも書いた上司の言葉でした(うーん、やられっぱなしで悔しいです)。
その上司が来るまでは、
仕事というのは、効率化したり改善工夫を凝らしながら、基本的には与えられたタスクをしっかりやって帰る、そういうもんだと思っていました。
だから元々は、仕事とプライベートは分けておきたい派。
ですが、今では、仕事とプライベートは分けなくてもいい派。
今回はそう思うきっかけとなったお話(#あの会話をきっかけに)と、そこから気づいた、「仕事を面白くする方法」について書きたいと思います。
着任早々に上司が放った言葉
その上司は着任早々に、部下である私たちにこんなことを言いました。
何をしてもいい。遊んでいてもいいから、アウトプットを出してこい。
もう少し細かく説明すると、
・この会社のやり方や考え方をすべてと思うな。満足するな。
(会社の経費も使っていいから)東京はじめ県外にもどんどん行って世の中をみて貪欲に吸収してこい。
・まずはインプットをたくさんせよ。
といっても始めに出てくるアウトプットには期待してない。それでもどんどんインプットをして、陳腐なアウトプットでもいいから出してこい。
・普段は本を読んでいても、遊んでいてもいい。いざという時に結果をだせ。
というもの。
「やったー。どんどん東京に行っちゃおう!」と思ったのも束の間、
日本語の意味は分かるけど、
何をしてもいいからアウトプットを出せって言われてもね。
一体何をどうやっていいか分からず、1か月ほど途方に暮れていました。
自由ってホントは辛いもの?
多くの仕事というのは、過去からの連続であり継続性のある仕事です。
組織の職務範囲に基づき、ある程度は決まった仕事があります。
ですので、それに対して効率化を図ったり、改善をしたりすることが、多くの仕事、ということになります。
ましてや若手に与えられる仕事の多くは、こういうものだと思います。
しかしその時は、新しい体制でスタートする部署に集められ、何の仕事をするかもはっきり決まっていませんでした。
何をするか、何をしたいか決めていいよと。
決めていいけど、なぜそれをやるのか、自分で経営者に説明するつもりで考えてみよ、とも言っていました。
決めていいって、自由ってうれしいけど…。
自由って辛いもんだと思った時はこの時でした。
もがきながら、変わったこと、気づいたこと
何をしたらいいのか。
そもそも会社の何が問題なのか。
問題は日々、大中小いくらでもある中で、部として取り組む価値があることを見極めて、課題を打ち出す。
課題を打ち出すといっても、どこまで目指すのか。
そもそも目指すビジョンは何か。
ゼロからのスタートでした。
「世の中でいうところの問題」や「流行りの打ち手」に流されるのではなく、業界、自社の成り立ち、強み弱み、今後のビジョンからするとどうなのか、1つ1つ関係を明らかにして説得力を持たせる。
そういう仕事ははじめてのこと。
様々な本を読み漁り、経営層や社員にインタビューしたり、明け方まで議論したり、家に帰ってもずっとぐるぐる考えていました。
振り返るとその頃から、仕事に対する考えが変わっていきました。
生活の中に仕事があっても楽しいと思えました。
「ワーク」と「ライフ」、仕事とプライベートと分けたい、とは思わなくなっていました。もっともっと考えたいと思いました。
両者を分けて思考に区切りをつけるということはもちろん大切なことです。
ただ、ワークとライフを分けなくてもいいと感じるには、1つ大切な要素があることに気がつきました。それは、
仕事というのは裁量が大きいほうが面白い。
やり方の裁量、時間的な裁量、空間的な裁量もあるけれど、
そもそもの目的を考える裁量、ビジョンを描く裁量、そこから何をするかを決める裁量があれば、最高に面白い!
(実はこれってすごくしんどいけれど)。
つまりやっぱり、自由と責任です。
そうやって本当の意味で、仕事が自分のものになっていくということ。
仕事が自分のものになったとき、ライフの中のワークだって楽しくなる。
仕事に対する向き合い方が180度変わっていきました。
仕事をどんどん面白くする方法
いつも自由で裁量的な仕事ができるかというと、職務内容によって特性も違うし、組織にいるのだから、完全にやりたいことをやっていいというものではありません。
究極の裁量、究極の自由と責任があるのは、社長です。
だから社長の持つ裁量には到底及ばないけれど、経営者でなくても管理職でなくても、どんな仕事にも、小さな裁量はある。
まずは与えられた裁量の中でやっていくしかないけれど、
少しずつ少しずつ、「裁量が大きくなるような仕事の仕方をすること」が、仕事を面白くするコツだと思います。
ではどうするのか?それは、
① 上司が仕事を与えてくれる、判断してくれるというを考えをやめること
② 仕事の「そもそも」や「目的」を、一度自分の言葉にしてみること
(何のために、誰のために、どうするか、どうありたいか)
③ ②により今の仕事のスコープを広げ、考えることをあきらめないこと、
やってみること
上司が何とかしてくれるって思っている時はまだ上司の手の中、裁量は小さいまま。
だから面白い仕事には出会えない。
仕事の目的を考え、自分の言葉にしてやっていると、仕事の裁量が次は少し大きくなってやってくる。そうやってすこしずつ仕事が自分のモノになっていく。
そう思います。
と偉そうに言っても、改めて振り返ると、
「遊んでいてもいいからアウトプットを出してこい」と言った上司は、最終的に責任を取るつもりで温かく見守ってくれていたと思います。
そういう「心理的に安全な場」があったから、「自分で考え、やろうと決めたことを自分が経営者に説明するつもりで(部長になったつもりで)頑張ろう」と思えた日々。(そして本当に、経営陣に説明をしました)
あの時上司が放った言葉は、
・やらされるのではなく、仕事とは自ら創造するもの。
・そうやって仕事をする楽しさ(自由)と大変さ(責任)を味わい、成長してほしい。
ということなんだと思います。
それが上司の、究極の部下育成の方法だったのだと思います。
感謝。
この記事は、キャリコンサロン編集部として掲載しています。
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