子どもたちに、「夢のカケラ」を発見する授業を行いました①☆彡(授業化までのストーリー編)
「子どもたちが自分らしさを見つけて、
ワクワクする未来をつくることを応援したい」
子ども二人が小学校に上がり、キャリアコンサルタントして就労支援をする中で、こんな思いが芽生えてきました。
本当は家庭の中で話す、何気ない会話で応援するのが一番なんだと思うけど、
やっぱり血が繋がった親と子なので、大人げないことを口にしてしまって、モチベーションを下げてしまったり、子ども自身もだんだん他人と比較して、自分というものを感じる年齢になってきています。
子どもが小学校に通っているというだけで、実際のところ教育とは何の接点もなく、どうしたらいいのかなぁと漠然と思っていたのは、今からちょうど1年前のことです。
そんな私が先日、ある小学校の授業で子どもたちと関わり、「『ワクワク』をたくさん集めて、自分だけの宝地図を描く」という授業を仲間と行うことができました。
その授業は、「夢のカケラ発見プロジェクト」☆彡
子どもたちに、本当に意義のあるキャリア教育をしたい、という熱い思いが集まったメンバーと、半年をかけて授業の目的から具体的な展開までをゼロから企画してきました。そして遂に実際の授業で、キャリアコンサルタントとして子供たちと関わることができました。
授業のことや子供たちの様子、改めて思ったことを伝えたいのですが、
授業に至るまでの思いもたくさんあって長くなりそうなので、
前編として、なぜキャリア教育なのかや、この授業ができる背景を、後編として、実際の授業についてレポートしたいと思います。
きっかけは、子どもが学校で書いた「将来の夢」
上の娘は小学4年生。
毎年新学期に、「将来の夢」を書きます。
お母さんの仕事は、「将来どんな仕事についたらいいか考えるためのお手伝いをしている」と知っている娘。
昨年は「パティシエ」でした。
「思いついたのを書いた」って言っていました。スイーツ大好きだしね。
今年は、「『会社員』と書いたよ」と、ちょっとすまなそうに言いました。
「どうして会社員?」と聞くと、
「だって会社にいる、社長じゃない人が会社員っていうんでしょ?
私、社長になりたくないし、会社ってわからないけど、普通でいいの。」
と答えました。
そうか、会社員って「普通」に見えるんだ。「普通」がいいんだね。
自分の気持ちを表現したり、注目を浴びるのが少し苦手な娘です。
会社員だっていいよ。いろんな仕事があるし、やりがいもあるよ。
(お母さんだって、「普通」を選んだけど、会社員やってみたら奥深いし)
会社の仕事を知って、これからどんな仕事が自分に合っているか、選んでいけたらステキだよ。
だけど、小学生の段階で、「消去法」で選んでいるのってちょっと寂しいな…。
小学校に上がったばかりの下の息子は、好奇心旺盛なやんちゃ坊主。
「大工さんとサッカー選手になりたい」
と書きました。
「どっちになりたい?」
「うーん、どっちも好き。僕は工作とか大好きだから、大工さんもいいし、サッカーも楽しいから。」
思わす微笑んでしまいます。そして、夢があるということに少し安心してします。
対称的な二人の子供を前に、ふと思いました。
そもそも、小学校の段階で、なりたい職業とか夢って、具体的にあったほうがいいのかな…?
大人は、「子供に夢があること」を求めすぎているのかしら…?
いざ、キャリア教育の世界へ!
文部科学省の、「小学校キャリア教育の手引き」には
刻々と変化する社会の中で、
子どもたちが「生きる力」を身に付け、社会の激しい変化に流されることなく、それぞれが直面するであろう様々な課題に柔軟かつたくましく対応し、社会人として自立していくことができるようにする教育が求められている
とあります。
つまり、
「生きる力や自立を育むという課題」に対して、
「小学校でキャリア教育が必要だ」、ということです。
平成11年に初めて「キャリア教育」という言葉が登場し、以降検討を重ねながら、様々な報告やその推進策、子どもたちが身につけておきたい能力が打ち出されています。
キャリア教育の定義は、
一人一人の社会的・職業的自立に向け、
必要な基盤となる能力や態度を育てることを通してキャリア発達を促す教育
だけど、自分だって胸張ってこうだと確かに言える能力や態度、そして生きる力というものはあるのだろうか…。
「生きる力って」…。
「キャリア発達を促す教育」って…。
この、明確な答えのないテーマに対して向き合ってみたい。
ニッポンの文部科学省が、「学校でキャリア教育が必要だ」、と言うからには、キャリアに関する資格を持っているだけなんてもったいない。
将来子供たちや、自分の子どもにそれを伝えることができたらいいなぁ。
そんな気持ちが沸いてきました。
Eキャリ部へ入部し、夢のカケラ発見プロジェクトに参加!!
そんな私は、「人生を楽しむ教育を子どもたち届けよう!」と熱い思いを持っているキタさんという方を知りました。
Eキャリ部という、子ども達のキャリア教育支援プロジェクトを「部活」として展開するステキな部長さんです。
「敷居が高かったらどうしよう」と思っていたのですが、とっても穏やかに迎えてくださったので、「えいやっ」とばかりにに飛び込んでみました。
そこは、みんながフラットな立場で、自分の思いややりたいことを話せて、やってみたいことをやってみたいメンバーと一緒に形にしていく場でした。
そこで私は、イチから立ち上がったプロジェクトである、「夢のカケラ発見プロジェクト」に参加。
「宝地図※」という、「『自分の好き』や、『やりたいこと』をいっぱいにした自分だけの地図を描いて、どんな小さなことでもいいから、夢を叶える素晴らしさを子供たちに伝えたい」、と熱い思いをもつ、みかちゃんが引っ張るプロジェクトです。
プロジェクトでは、現役の、なりす先生も参加して、どんなことを目的に、学校でどんなプログラムを展開できるか、成果物はどうするかなど、プロジェクトの意義から授業展開まですべてを、毎週オンラインで話しあいました。
画面越しに、始めはちょっとぎこちなくて、思いが違う時は言いにくそうに切り出します。
メンバー間でこの授業のイメージが揃うまでには、何回かヤマ場があったのですが、一番のヤマ場は、「夢」というものに対する認識を揃えることでした。
犬を飼いたい、スイーツを食べ歩きたい、北海道に行きたいという夢もあれば、ユーチューバーになりたいという夢もある。やりたいこと、目標、夢の定義。夢のレベル。授業でどこまでを求めるのか…。
意見が食い違っても、キャリア教育への思いは同じ。それぞれの考えを話しながら、だんだんと熱量も高まっていくのが分かりました。
授業のゴールから、詳細な授業展開、必要なツール(動画やワークシート)まで皆で作りこみ、出来上がるまでに半年の月日を費やしました。
(どんな授業かは、後編へ続く…)
※宝地図について:望月俊孝先生提唱夢を可視化していけるツール。
好き→やりたい→宝地図
言葉にして、可視化する事でワクワクな毎日になり夢に向けて行動していく一歩が踏み出せるというもの。