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写真は「腕」か「機材」か?その問いを見かけるたびに思うこと|Leicaに恋して。

今でもよくSNSで目にするのが、「写真は腕か、機材か?」という議論。

このテーマ、写真を撮る人なら一度は聞いたことが、いやタイムラインで目にしたことがあるはず。
確かに、つい意見したくなるトピックなんだろうな、と感じます。

ただ、正直なところ、私にとってはあまり重要な議題であるとは思っていません。
というのも、写真の本質って結局、仕上がった写真の完成度でしか語れないからです。

展示された、あるいはSNSに投稿された写真を見たときに「この写真、すごい!自分も撮りたい!」と心から思えたら、それは最高の価値だと思っています。

そして、あまりにも好きすぎて「どうやって撮ったんですか?」と質問した際に、「これは私の腕があってこそです」とか、「この機材でしか撮れませんでした」なんて返されたら、心にぐさっと刺さるものがあるでしょう。

前者なら間違いなく自分も腕を磨くし、後者ならもしかしたら機材を買い替えるかもしれません。

ただ、結局それは仕上がった写真があってこその話です。
それ以前であれば、腕か機材かなんて、どうでもいい。

いや、もちろん腕や機材も大事な要素ですが、私にとっての写真の魅力はそこではないということです。

憧れが私を動かす理由

私が写真の魅力にハマっていった理由の一つに、ソール・ライターやアンリ・カルティエ=ブレッソン、そして木村伊兵衛といった写真家たちの作品を「すごい」と感じたから、というのがあります。

彼らの写真には、ただ見ているだけで心を揺さぶられる何かがあります。
それは簡単には言語化するのは難しいですが、惹きつけて離さない何かしらの魅力というか、力があるように感じるのです。

そして、その写真たちを目にするうちに、自然と彼らが使っていたカメラや機材に憧れるようになりました。
ライカやハッセルブラッド、古き良きカメラたちが、彼らの感性を形にする手助けをしていたのだろうと思うと、その道具を手に取ってみたくなるのです。

もちろん、憧れのカメラを手にしたからといって、すぐに彼らのような写真が撮れるわけではありません。
それでも、私はそのカメラを使いこなせるように日々努力し、少しでも彼らに近づきたいと願っています。

これは、あの有名なバスケ漫画「SLAM DUNK」に出てくる矢沢さんのセリフ「バスケットの国アメリカの空気を吸うだけで、僕は高く跳べると思っていたのかなぁ…」に通じる部分があるんじゃないかと思います。

ようは、憧れだけで上手くなれる気はするけど、結局うまくなるためには基礎を初めとした多くの努力が必要だという現実がある、ということです。

誰だって最初はカメラについての知識や経験がないわけで、それはもう機材も腕も関係なく、あまりうまくいかないのが当たり前です。
だからこそ、試行錯誤する。

その試行錯誤の中に、機材を変えたり、技術を習得したり、感性を磨いたりということが含まれます。

ただ、「憧れ」が私たちを高みへ導くエネルギーになるのもまた事実だと思います。
いや、上達の一番のモチベーションは、「憧れ」であることは多いはずです。

高い機材が写真を上手にする?その逆もまた然り

時々聞くのが「高い機材だからいい写真が撮れるんでしょう?」という意見。

でも、私はそれに対して「うーん、それだけじゃない」と感じています。

逆に「腕があるから、機材は何でもいい」という意見も同様に少し違和感があるんです。

腕と機材、このどちらが大事かという問いに正解はないと思っています。

同じ腕なら良い機材の方が撮れ高は増すだろうし、同じ機材なら腕がある人の方が良いと言われる写真を量産できるだろうから。

なので、当たり前ですがどちらも大事で、どちらも欠かせない要素です。

ただ、それ以上に大切なのは、自分が「これだ!」と思える瞬間を撮りたいという強い気持ち。
そして、撮りたいものに対して情熱を持ち続けることではないでしょうか。

だからこそ、憧れの写真家に思いを馳せることがスキルアップの原動力になることもあるでしょうし、新しい機材が新しい撮影方法や作風に挑戦する勇気をくれることだってあるはずです。

なにはともあれ、他人のスキルや機材を貶めるのではなく、純粋に写真を楽しむこと。
上達したいと素直に願い、努力すること。

それが一番幸せで、上達への近道なんだろうなと思う今日このごろです。
それではまた。

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