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Leicaに恋して。2nd Season〜新たな季節の風に吹かれて〜
拝啓、Leicaに恋したみなさまへ
実は、少し前から「Leicaに恋して。」を再稼働させた。
いや、再稼働という言葉は正しくない。
新たに始動したのだ。
コミュニティではなく、あくまで写真好き、Leica好きの活動名としての位置づけだ。
そこに至る経緯については、Leica友達であるKENZIさんがnoteに書いてくれてる。
今回はこの素敵な記事のB-Side、Andy目線での半年間であり、アンサー的な位置づけで記してみた。
コミュニティ「Leicaに恋して。」解散当時の葛藤から、新しい試みへと走り始めたおよそ半年間の物語り。
ぜひ、ご一読を。
灰燼
今年初めての、蝉の声を聞いた。
誰が宣言するともなく、夏が始まったのだろう。
時の流れはいつだって早い。
夏はボクにとって、始まりの季節でもあり、また終わりの季節でもある。
初めて「Leicaに恋して。」というコミュニティの立ち上げを宣言したのは2022年の夏だった。
そして「Leicaに恋して。」というコミュニティの解散を宣言したのは、2023年の夏だった。
あの時期、確かに燃え上がり、燃え広がった「Leica」という恋の熱病は、ちょうど一年で綺麗に燃え尽きた。
失恋にも似た、かすかな痛みだけを残して。
いや、「燃え尽きた」という表現は少し違うのかもしれない。
正確に言うなら、手に負えなくなる前に消し止めたけど、まだ自分の心の中では燻っている・・・そんなイメージの方が近い。
膨れ上がるコミュニティの人数に対して、自分の活動参加の限界を感じたのが解散を決めた理由の一つだ。
責任と労力ばかりが膨れ上がり、それに向き合う時間も余裕も全然足りなくなっていた。
楽しいから始めたはずのコミュニティ活動が、いつしか自分の写真活動を制限し、苦しいものにしていたと気がついたのは、実は解散した後、しばらくしてからだった。
コミュニティ解散後は、一人で写真活動を続けていた。
詳しくはこちらの記事にも書いているので、もしよかったら合わせて読んでもらいたい。
写真を撮る行為そのものは楽しい。
でも、その行動や思考、感動や感想、そして技術や機材を誰かと分かち合うことができたら、その喜び、楽しみは何倍にもなる。
それはある意味でコミュニティの醍醐味だった。
逆に、一人で活動をする限り、その「共有」だけはどうあがいても出来ない。
いつだって、集中と孤独は背中合わせにやってくる。
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邂逅
やがて年が明け、2024年になった。
相変わらず仕事に忙殺される日々が続いていた。
寒さに時折心折られながらも、写真を撮り、その様子をYouTubeで公開することだけは細々と続けていた。
特に大きな目的があったわけではない。
ただ、せっかくここまで育った「Leicaに恋して。」というタイトルを絶やしたくなかったんだと思う。
何より、自分が生み出した「Leicaに恋して。」という言葉を、なぜか自分が使わなくなり、第三者に素知らぬ顔で使われる状況はあまり気分が良いものではないから。
一方で、ルーティーンとなりつつある更新と写真活動の閉塞感を自分自身どこかで打開したいと感じていたのも確かだった。
そんなタイミングで、偶然にもひとつのnote記事を読んだ。
コミュニティ、「Leicaに恋して。」の元メンバーであり、大阪に暮らすKENZIさんのこの記事だ。
公開から一ヶ月も経った頃にボクのおすすめ欄に表示されていたという、不思議な運命の巡り合わせ。
内容は特にカメラのことには触れていない。
お酒と、それをどう飲むと美味しいのかがシンプルに、でも魅力的に綴られていた。
特にボクが感化されたのはこの1文だ。
大好きなお酒を飲む時間がもっといい時間になるコツは、やっぱり大好きなひとと飲むのが一番。
オツマミはたこ焼きでもおでんでもなんでもいい。
「世界で1番美味しいお酒」by KENZI🍻
理屈ではなく、間違いなく直感が働いた。
だからこそ、読み終わるや否や、何も考えずにコメントを打ち込んでいたのだと思う。
今度、カメラ片手にブラブラした後、
たこ焼きつまみながらビール飲みましょー。
これは、振り返ると自分でも不思議な行動だと思う。
返事が来ないかも?という疑問すら一瞬も頭をよぎらなかった。
まるですっと息をするかのように、すごく当たり前の流れで、気がついたらコメントを書き込んでいた。
そもそも、ボクはnoteでコメントをすることはめったにない。
というか、多分このコメントが最初で、いまのところ最後。
さらに言うなら、KENZIさんとはコミュニティでの展示やフォトウォークをご一緒したことはそれなりにあったけど、個人的にことさら仲良くしていたわけでもなかった。
まぁ、これはコミュニティを主催する立場なので、特定の誰かと偏って仲良くしないように自己規制をかけていたせいでもあるのだけど。
ただ、思い返すと実はボクとKENZIさんとの共通項は意外なほどに多い。
同い年なこと。
お酒が大好きなこと。
行動は即断即決が基本なこと。
Leica Q2からライカ沼にハマったこと。
お互い花や草木を好んで被写体にしていること。
アーティストをサポート、プロデュースをする立場にいること。
だからこそ表現の難しさや表現者の苦労と苦悩を良く理解してること。
嘘や不義理が嫌いで、筋が通っていない事に対し一切の妥協をしないこと。
上げ出したらキリはなさそうだ。
とは言え、あのコメントをした瞬間はそんなことは一ミリも知らない。
それまでLINEはおろか、SNSでもDMを交わしたことはなかったはずなのに、まさに脊髄反射の成せる技だった。
そして、ボクは社交辞令は言わない。
というか、「今度ご飯にいきましょう!」と声をかけ、「いつにします?」と返答されたら困る人にはそもそもそんな言葉を言わない。
そんなわけで、KENZIさんから返信があったわずか数分後には、心斎橋で一緒にたこ焼きを食べることが決まっていた。
お店もすぐに予約してくれた。
何より、電光石火のスピード感がとても心地よく、また即座に本気で時間を確保してくれたことが本当に嬉しかった。
当時の様子も動画で残しているので、良かったら見て欲しい。
もしかしたら、お互い少しだけ緊張した距離感が映し出されているかもしれない。笑
そして当日。
心斎橋で待ち合わせ、カメラやレンズの話などをしつつ、時折シャッターを切りながら、ゆるりとアメ村を歩く。
その先にあるKENZIさんオススメのたこ焼き海鮮居酒屋で、この日はとことん飲んで、食べた。
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たこ焼きも、刺し盛りも、めちゃくちゃ美味しかった。
そして、よく喋ったし、とにかく楽しかった。
が、何が楽しかったか、具体的なことは何一つ覚えていない。
しかも、お互いに。笑
そのあたりのディティールは、綺麗サッパリお酒が洗い流してくれたようだ。
とにかく、めちゃくちゃ話が盛り上がった記憶と、次回はまた別の街を撮り歩こうという約束だけを残して、その日は解散した。
たこ焼き屋でこんなに金額いくの!?と酔いが覚めるレベルのお会計をして、記憶も曖昧に帰路についた(のだと思う)。
ただ、今思えば、ボクは"答え合わせ"がしたかったのかもしれない。
いろいろあってコミュニティを解散したけど、それはそれとして、次のステージに進んでいくための、思考と感情の答え合わせ。
正解があるわけでもない。
慰めとか、肯定が欲しいわけでもない。
それでも、自分がどんな思考で解散を決め、どんな考えで次に進もうとしているのか、なんとなく話しておきたかったし、聞いて欲しかったのだ。
そして、全く同じではないにしても、なんとなく似た立場にいたKENZIさんの考えや感想も、逆に聞きたかったのだと思う。
ただ、この小さなきっかけが、また新しい季節を呼び込むことになるから面白い。
そう、あの記事を読んでコメントを書き込んだのは、今思えば偶然ではなく、必然だったのだ。
黎明
次にKENZIさんとスナップに出かけたのは翌月。
場所は大阪の京橋で、この日からノリフネさんが加わった。
ノリフネさんも元・Leicaに恋して。のコミュニティメンバー。
実は、年明けにボクが企画したクリエイティブ展に遊びに来てくれていた。
その時、「今度、少人数でフォトウォークにいきましょう」と軽く口約束をしていたのだ。
もちろん、社交辞令のつもりはなかったので、この京橋のタイミングで一緒に行かないかと声をかけた。
そんなわけで、3人で昼から撮り歩きというか、飲み歩き。
まんまと酔い潰れたボクはそのまま大阪のKENZIさん邸に収容されることになる。
この日も楽しかったという感覚だけを残して、具体的な思い出は全てお酒と一緒に流れて消えた。
二日酔いで粕漬けみたいになったカラダを引きずって、翌日も待ち合わせて京都の写真展を見に行ったけど、さすがにこれはキツかった。
時々忘れてしまうが、もう20代でも30代でもないのだ・・・。
なにはともあれ、この頃から月一くらいのペースで3人で写真活動を一緒に行うようになった。
翌月の活動は、ノリフネさんの家での自家現像チャレンジの会だった。
実は、コミュニティ運営中もノリフネさんが「自家現像をしませんか?」と声をかけてくれたことがあった。
個人的にはとても興味があったし、ぜひ試したかったのだけど、やはりコミュニティ主催の立場的に最初から限られたメンバーとだけ遊ぶわけにもいかないと思っていた。
コニュニティ全体に軽くアナウンスをしたところ、集まった人数ではとてもノリフネさんの家に入り切れないということで、その時は単なる琵琶湖フォトウォークに変更した。
そんなわけで、この日の自家現像は一年越しの伏線を回収した思いだった。
ちなみに、この日はKENZIさんが酔って寝てしまい、そのままノリフネ邸に収容された。
そして、大きな動きが起きたのが先月。
その日はアメ村と心斎橋を三人で撮り歩いた。
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実は、その日の最大の目的はスナップではなく、展示ギャラリーの下見。
そう、せっかく写真活動をするのなら、やはり展示を目標にしたい、というところで3者一致し、いまグループ展の開催を計画している。
このあたりの情報はまたYouTube動画で順次公開しようと思っているので、ぜひお楽しみに。
そんなわけで、この日もギャラリー下見のあとはいつも通り飲んだくれ。凄まじく美味しいホルモン焼きを食べ終わったあたりで記憶は溶けた。
もはや行動が大学生と類似している疑いがある。
この飲んでいる時に、展示会をするのならやはり活動名を掲げたいという話が出た。
曖昧な記憶を辿るに、「学生ノリで気恥ずかしいけど、3人での活動名があると告知とかしやすくなる」と言い出したのはボクで、「それならLeicaに恋して。を使いたい!」と言ってくれたのがKENZIさんだった。
で、かつてのままで使うのではなく、2をつけるとか、「ライコイ」とか「ライコイ2」と略して使うのはどうか?とアイディアを出してくれたのがノリフネさんだったはず。(違っていたらごめんなさい。)
そんなわけで、「Leicaに恋して。2nd Season」、通称「ライコイ2」が始動することになった。
ちなみに、このライコイ2はコミュニティではないけど、必ずしもボクらだけの活動名だとは思っていない。
これから再びつながる多くの仲間と一緒にカメラを楽しむためのひとつの相性となって育っていけたら嬉しい限りだ。
そのうち少人数でのフォトウォークや写真集持ち寄り交流会など、気楽に楽しめる企画をゆるっと開催できたら良いなと思っている。
もちろん、自分の負担にならない範囲で。笑
そんなわけで、まずは3人の活動の様子をnoteやYouTubeでもお届けしようと計画中。
更新をぜひお楽しみに。
輪廻
ふとしたnote記事へのコメントから、あれよあれよと言う間に新しい風が吹いた。
それはまるで予想もしなかった、新しい季節の風だ。
そして、その風は少しずつ周囲を巻き込み、大きな嵐となり、台風となるような予感がする。
これは、一時的に燃え上がり、火のように燃え尽きてしまった以前の「Leicaに恋して。」とは全然違ったアプローチになりそうで、久しぶりにワクワクしている。
何より、今回の活動は、いまのところ自分自身にまったく負担になっていないのがとても嬉しい。
何事にも終わりはある。
だからこそ、始まりがある。
永遠に同じ荷物を抱え続けることは難しいし、抱えられる数や期間にだって限界がくる。
だから、少しずつ荷物を入れ替えながら、自分の本当に大切なものだけは見失わないようにしたい。
ボクはフォトウォークに行くなら少人数が好きだし、フォトウォーク開催でお金はいただきたくないし、展示会は自分の気分でやりたいし、誰に気兼ねすることなく仲良くなる人を決めたい。
ただのわがままだと思うかもしれない。
でも、それはとても大事なことだと思う。
おかげで今年の夏も、また新たな始まりの季節になった。
ライコイ2としての、新たな始動。
夏はボクにとって、やっぱり始まりの季節なのだ。
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