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荒木経惟の写真集『花人生』に衝撃を受けた話。|Leicaに恋して。
荒木経惟の写真集『花人生』が教えてくれたこと
荒木経惟(あらき のぶよし)さんといえば、国内外で高い評価を受けている写真家です。
彼の作品は、独特の感性とエロスが絶妙に絡み合ったものが多く、見た瞬間に「うわ、これすごいな」と思わせる力があります。
そんな荒木さんが手がけた写真集『花人生』、これがまた一味違うんです。
先日撮影したこちらの動画でも話題に出てますが、KENZIさん(以下、けんちゃん)イチオシの写真集がこの『花人生』でした。
私も同じ写真集を持っているので、この機会に見返してみて、あらためて彼の表現力に驚かされました。
枯れかけの花が持つ独特の美しさ、そこに込められたメッセージ性。
普段、私たちが目にする「きれいな花」とは一線を画する、枯れゆく瞬間にこそ感じられる命の輝きを切り取っているんですよね。これってまさに、写真の魔法です。
枯れゆく美しさの再発見
荒木さんが撮る花は、いわゆる「満開」ではありません。
むしろ、ちょっと枯れかけている。でもその「枯れ」によって、逆に花が持つ本当の美しさが引き出されているんじゃないか、そう思わされました。
私もこれまでに何度も花や葉っぱを撮っていますが、荒木さんのように感情を引き出す写真には、まだまだ到達できていないなと痛感します。
ペイントされた花が示す感性
『花人生』の中には、ペイントされた花が登場します。
これがまた面白い。
普通だったら「いや、これやりすぎでしょ」と思いがちな要素を、荒木さんは見事に作品に昇華させています。
この感覚、実際にカメラを持って写真を撮り続けているとわかるんですが、どこまでやっていいのか、その境界が難しい。
「ペイントされた花」なんて普通ならチープに見えてしまいそうですが、荒木さんの手にかかるとそうならない。
これって、彼が花を単なる被写体としてではなく、命そのものとして向き合っているからこそだと思います。
フィルムでこの質感を出せるのもすごいですよね。
こういった繊細な色彩表現をどうやったら模倣できるのか?その興味は尽きません。
写真を通じて伝わるエロス
荒木さんの作品には、どこか「エロス」を感じます。
それも、ただ性的なものではなく、人間の本能に訴えかけるような力強いエロスです。
『花人生』の中でも、花が枯れていく過程に見え隠れする生命の力、そしてその消えゆく瞬間を撮りながら、どこか人間の生と死の境界線を感じさせるような気がします。
この感覚、写真を撮る者なら一度は追求してみたいものですよね。
荒木さんのように「命を切り取る」という感覚で撮影すると、撮る対象への向き合い方が変わります。
私も、Leica M4-2を使い続けている理由の一つがここにあります。フィルムカメラならではの「一発勝負」感が、命の瞬間を捉える緊張感を与えてくれるんです。
もし、これからカメラを選ぶなら、フィルムカメラも一度試してみてください。
フィルムとデジタルの両方を使い分けるとまた違った楽しさが味わえますよ。
表現の幅を広げる
写真をやっていると、表現の幅を広げたいと思うことがよくあります。
最近、私がフィルムやモノクロに挑戦しているのもそのひとつ。
荒木さんの作品はそのヒントを与えてくれるものばかりです。
写真と絵画の境界線を曖昧にしながらも、どちらにも属さない、独自の世界観を築き上げている。
これを見ていると、私ももっと大胆に表現してみたいという気持ちが芽生えました。
写真をもっとアート的に仕上げたい。
それも、出来たらフィルムでも、デジタルでも。
フィルムカメラは、デジタルでは出せない「深み」や「味わい」を引き出してくれます。
作品を撮る際、フィルム独特の色合いが、見ている人の心を揺さぶることもあるでしょう。
デジタルは何度もトライ・アンド・エラーができるというメリットがあります。
デジタルにしかない色も出せます。
デジタルとフィルム、どちらも試しながら自分なりのスタイルを見つけていくのがいまはとても楽しいです。
終わりに
荒木経惟さんの『花人生』は、花という被写体を通して人間の本質に迫る、そんな写真集です。
枯れゆく花の美しさ、命の儚さ、そしてエロス。
私たちが写真を撮る際、何を見て、何を感じながらシャッターを切るかが問われます。
もし、あなたがカメラを通じて何かを表現したいと思っているなら、荒木さんの作品を参考にしつつ、自分の感性を信じてトライしてみると面白いかもしれません。
そして、次に使うカメラを選ぶなら、やっぱりフィルムとデジタルの両方を一度試してみるのもオススメです。
自分のフォトスタイルに合った機材を使うことで、撮影そのものが楽しくなるし、表現の幅も広がりますよ。
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