人と距離を取りたがる
「人と距離を取りたい」というのは、回避依存症の代表的な状態です。
対人関係において冷たい印象を与えがちな回避依存症ですが、実際は、人と仲良くしたいという気持ちを持っている人たちです。
ただ、「自分を理解してくれる人が欲しい」という気持ちと、「本当の自分を見せてガッカリされることが怖い」という気持ちが共存している状態なので、人との距離を縮めることに抵抗があります。
いま自分が人に見せないようにしている部分も含めて、自分を知って認めてほしいと思っているのですが、回避依存症の人は「そんな自分を知っても相手が離れていかない」という自信がありません。
自分のことを知られることが怖いため、基本的には自ら自分の話をすることはほとんどありません。
しかし、何かしらの理由で自分のことを人に話す必要が出来た時には、実話ではなく作り話を伝えることもよくあります。
また、回避依存症の人は、そうでない人に比べると、人との関わりによっていやな思いをすることを極端に嫌います。
自分の時間や行動、感情を、他人のせいで振り回されたり縛られたりすることが不快で仕方がありません。
人間関係が近くなるほどわずらわしいことが多くなるという考え方を強くもっているので、それらから回避するためにも、人との距離をしっかり取っておくようになるのが回避依存症です。
人と距離を取りたがる人には上記のような理由が考えられますが、私のカウンセリングでは、これらを克服していくために以下のような点を意識しながらすすめていきます。
◇どんな自分を見せたくないと感じているのか、それらを人が見るとどうガッカリされると恐れているのかを具体的に自覚すること。
◇それは本当に恐れる必要のあるものなのかを、第三者と共に整理しながら、必要以上の恐れを手放して人と付き合えるように目指すこと。
◇今まで人と距離を取っておくためにやっていたことを、ひとつずつ止めてみるという行動を起こすこと。
また、回避依存症には子どもの頃の母親との関係が大きく影響しており、母親との関係のなかで出来た心の課題にも焦点を当て、改善へ向けてサポートさせていただきます。
ただ、人によっては回避依存症の考え方が根付く原因となった根本的な部分に触れることになるので、ご自身が「話したい」と思えるタイミングや問題に向き合うペースを大切にしながら、幼少期のお話を伺っていきます。
無理にまだ他人には許せない境界線へ踏み入るようなことは致しませんので、どうぞご安心ください。