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85歳の現役ヘアスタイリスト

取引先美容室に85歳の現役美容師オーナースタイリストさんがいます。

1939年、ドイツがポーランドに侵攻した年、第二次世界大戦勃発の年に生まれた人。


30歳で独立し55年間、仕事を続けながら家庭と両立し、お子さん二人を育て上げた。おっとりしているがパワフル。臨月までハサミを持っていたそうだ。

ほぼ白髪なので完全ブリーチしてプラチナシルバーのベリーショート。
来店客に対しての最低のマナーとしてメイクは必ずすると宣う。

とはいっても、ファンデ無し、日焼け止め+フェイスパウダー+アイブロー+目尻だけマスカラ、透明感のある肌に際立つ赤い口紅。

DIESELのデニムにリネン白シャツと首元のスカーフがワークスタイル。
ファッション誌でよく見かけるパリのマダム風。

着付けも総理大臣賞を受賞し、お弟子さんも多い。

正月休み明けは和服で店に出る。

とにかく粋だ。

客層は3世代、家族ぐるみ。孫世代のストリート系ヘアのお客さんもいる。

成人式の着付け、さすがに帯は力仕事なのでスタッフさんにお任せですが、
毎年、早朝4時から予約客を手際よく仕上げていく。

休みの日はプール、太極拳。顔の輪郭にたるみがない。
背筋も真っ直ぐ。
立ち姿も年齢を感じない。

食事にこだわり、どんなに忙しくてもキッチンに立つ。

モットーを聞いたら「自分で決断してやったことは失敗してもくよくよしない、後悔しないこと」と「ウエストがゴムの服は着ない」とのことだった。

仕事の話が終わり、世間話をしているだけも元気と勇気をいただいています。いつも。

この人に会うと
誰もが誰かと同じ人生を歩むことはない「平凡こそ非凡」という言葉が浮かぶ。


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