不動産投資リターンのαとβ
みなさん不動産に投資していますか?
不動産への投資にはいろんな形態がありますね。いわゆる収益不動産実物への投資のほか、REIT、不動産株、セキュリティトークン、クラウドファンディング、自宅購入(投資するつもりがなくても不動産にお金を突っ込むという意味では投資ですね)などなど多様な方法があります。
賃貸に住むというのも不動産価格変動のリスク(とリターン)を取らないという意思決定をしているという意味では不動産に関する投資判断といえるでしょう。
2013年のアベノミクス(というより黒田金融緩和)以降、日本の不動産は少なくとも都心では上がり続けています。この10年で不動産にポジションを持っていたかどうかで個人の純資産は大きく差異がでています。まあ、欧米もコロナ禍におけるガバガバ金融緩和は不動産の高騰につながりました。お金をじゃぶじゃぶ市中に流すと不動産の価格はあがるというのがよくわかった十年間だったと思います。そして金融が引き締まるとしっかり不動産価格は下るとよくわかった二年間です(欧米の話です、日本はこれからどうなるやら)。次にガバガバになるフェーズが来れば波に乗り遅れないようにしたいですね。
(本職の金融やさんには怒られそうな理解ですが)投資のリターンにはαとβがあります。
β:市場全体の動き
α:個別投資の動き(超過収益)
株式投資でいうところのインデックス投資はβ全振りです。αは諦めるかわりに低コスト。アクティブ運用はαを狙うわけですが高いコストの割に正直なかなかパフォーマンスが上がらないので見放されつつあるというのが株です。先程ふれた10年間不動産は上がり続けたというのは不動産のβといってよいでしょう。
不動産は株とは違ってαが結構狙える市場です。背景には情報の非対称性や流動性の低さがあろうかと思います。
βだけだと、例えば「首都圏のマンション10年前に買いました!含み益たっぷりです!」という場合、この10年間で他のマンションも同様にガッツリあがってるので、含み益を実現したところで買い替えると結局高いんですよね。
でもαの具体例として首都圏の湾岸エリアを考えるとこの10年〜15年で(多分)もともと同じような坪単価だったエリアより値上がり幅が大きいかと思います。これであれば(湾岸エリアから出れば)実現益を買い替えしたとしても享受することができます。
不動産のαの源泉として思いつくもの以下のようなものです。
・交通インフラ整備、大規模な再開発などによる地位の変化
・安く買えるチャンス(直近だと晴海フラッグがお金落ちてる状態で騒がれていました)
・高く売れるチャンス(隣地の人が高値で買いにきてくれたとか)
一番てっとり早いのはやはり「安く買う」ことです。相場の半値で買えれば負けることはまあありません(簡単に言っていますが簡単ではないです)
ちなみにお金を出すだけで買えるような投資機会には基本的にはαはありません。売主が全部αを持っていっています。不動産転売業を想像してもらえばわかりやすいかと思います。
なにか結論があるわけではないですが、不動産にエクスポジャーを取るときは、利回りだけみてとびつくのだけではなく、どんなストーリーが成立すればαとれるのか!?という観点を持ってみると見る視点が変わってくるかもしれませんね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?