脳を鍛えるのに必要な運動量は?
1ヶ月かけて「脳を鍛えるには運動しかない!」を読み終えた。
専門的な単語が頻出して正直サラサラ~と読みとばした部分も多いが、2箇所特に印象に残った部分をまとめておく。
BDNFって??
たしか、樺沢先生の「神・時間術」でも登場したBDNF。どんな物質なのかよく分からないままスルーしていたところ、本書の説明が分かりやすく印象に残った。
本書には用語解説が付いている。その中でBDNFには以下のような説明書きがある。
脳由来神経栄養因子(BDNF):活性化したニューロン内部で作られるタンパク質。脳にとっての「ミラクルグロ(肥料)」で、細胞の養分となってそのはたらきと成長を支えるとともに、ニューロン新生も促している。
つまり、BDNFは脳を鍛え、成長させるためになくてはならない物質ということ。ちなみに、うつ病の患者はBDNF値が低い傾向にある。(そのため、抗うつ剤でBDNF値を上げたりする。)また、健康な人でもBDNF値が低いと落ち込みやすく、神経質だったり攻撃的になったりする。
ラットのBDNFを増やす上で、運動は抗うつ剤と同程度か、場合によってはそれ以上の効果をみせる。人間も運動をすると、(少なくとも血液中では)抗うつ剤を飲むのと同じぐらいBDNFが増加する。(脳内のBDNFレベルを直接量ることはできないので。)
以上が、本書がうつ病に対して運動が効果的になりうる、と述べている根拠の1つである。
必要な運動量とは?
実際、脳を鍛えるためにはどの程度の運動量が必要なのか。本書では心拍数で運動の程度を分類して説明している。(この本で全体的に言えることだが、全てにおいて根拠がしっかりしていたり、明確な数字によって説明されている。ふわっとではなく論理的な説明を求める方にオススメ。)まず、理論上の最大心拍数は以下の式で求められる。
(最大心拍数)= 220 -(年齢)
これを踏まえて運動の強度を以下の3段階に分類する。
低強度の運動(ウォーキング):最大心拍数の55~65%
中強度の運動(ジョギング):最大心拍数の65~75%
高強度の運動(ランニング):最大心拍数の75~90%
(これを細かすぎて面倒と思うか、数字で表されていて分かりやすいと思うか、個人差があるが、後者の場合この本を読んでみると納得する部分は多いはず。)
理想の運動量は「6日/週なんらかの有酸素運動を45分~1時間、うち4日は中強度で長め、あと2日は高強度で短め」ただし、体と脳が成長するためには回復のための時間が必要であるため、2日続けて高強度の運動をやってはいけない。この提案は週のうち6時間を脳のために費やすということで、これは起きている時間のせいぜい5%だ。
毎日1時間、多いようにも感じるが、やらないよりかはどんな運動もやった方が良い。続けられることから小さく初めて継続したい。
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