事勿れ主義vs施術中に〇〇〇〇するセラピスト
事の発端は、ホットペッパーからのクーポン券。
マッサージ等のリラクゼーションが3000円オフという破格で受けられるというのだ。
こちとら12連勤の最中。渡りに船。
近所のヘッドスパ専門店で施術の予約をした。
到着し、簡便な説明の後、個室に案内される。
仄暗い照明。
漂うアロマ的香り。
心地よいヒーリングミュージック。
そして始まるマッサージ。
いやぁ、うとうとしちゃったんですよね。
店員が。
施術の序盤、手による揉みほぐしの際は問題なかった。
異変が起きたのは「カッサ」と呼ばれる器具を、頭にゴリゴリ押し当てる施術の際だ。
チカラを入れる揉みほぐしとは異なり、器具を押し当てるだけの施術。
器具を押し当てられていたのだが、不意にその手の力が抜けた。
そして、セラピストが明らかに「カクン」とした。
あん?寝た????
カクンとした後、また再度カッサを押し当てられる。
しかし、10秒経たずして、また手が止まる。
そして、カクン。
うとうとしている。完全に。
その後、「押し当てる」→「手が止まる」→「カクン!」→「押し当て直す」のループが止まらない。あらまあ。
さて、困ったのが僕である。
どう対応したもんか。
僕は人生のさまざまなシチュエーションにおいて、基本的に「事勿れ主義」を採用している。
店にクレームを入れたりしたことがない。大概適当になあなあにして済ます。面倒だし。
しかし、今回の「問題」は現在進行形で起こり続けている。最初の3回くらいまではめちゃめちゃおもしろがっていたのだが、流石にこのままセラピストの居眠りにお付き合いするワケにもいかない。
脳内で会議を開く。出てきた案は以下の通り。
1.注意をする。
2.適当な話題で話しかける。
1番は即却下。謝罪されても気まずいだけだ。
2番に関しても会議メンバーから否定的な意見が相次いだ。この場合の「適切な話題」なんやねん。「寝不足ですか?」と敢えて火の玉ストレートをぶち込むくらいしか浮かばない。
3.いっそセラピストにスマートにベッドを譲ってスヤスヤ寝ていただく。
残念ながら不採用。ベッドを譲ってくる客は紳士通り越してサイコパスだ。禁固刑になりかねない。
ということで採択されたのが、
4.暗に「客は起きているぞ」と伝える。
聡明な僕は気づいたのだ。コレ、客が寝ていたらセラピストが寝ててもバレないよな。
行く前に軽く見たレビューには「思わず寝てしまいました!」という言葉が踊っていた。
技術の証明として好意的に受け止めていたが、客の寝込みを見計らって自分も寝るという、完全犯罪を成立させてしまう可能性があるのか。
であれば、まずは「このお客さんは寝ていない!しっかりしなきゃ!」と思わせるべきであろう。こちとらギンギンである。寝れるかボケ。
そうと決まれば、どう気づかせるかである。
「目をガン開きにして、居眠りから覚めたときにバチッと目を合わせる」というのも考えたのが、普通にトラウマものだ。懲役刑になりかねん。
できるだけ自然に。でも起きていることを伝える。
僕が行ったのは、「体制を整え直すふりをして、大きめに動く」であった。
結果から言うと、大成功。セラピストは「ビクン!」とし、その後一切寝ることはなかった。
そうこうしているうちに施術終了。
部屋が明るくなり、セラピストがひとこと。
「お疲れ様でした〜」
お疲れなのはあんただよ。
その後当たり障りのない話をして終了。
クーポン券から足が出た分、850円だけ支払って退店した。コレで3850円まるっと払っていたら、流石にちょっとニヤけてしまったかもしれない。
帰路、店舗のレビューを再度覗いてみる。
被害者、他にもいたか〜。
案外、この「完全犯罪」はバレやすいのかもしれない。バレやすい完全犯罪ってなんやねん。
実は、近所にヘッドスパ専門店がもう一店舗ある。そっちにするべきだったか〜とレビューを見ると、
「業界あるある」なんかーい。
皆様もヘッドスパ専門店にはお気をつけを。
ぜひ、今回の僕のスマートな対応を参考にし、完全犯罪を暴いてやってほしい。
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