大宰府天満宮の曲水の宴
太宰府天満宮で毎年三月の第一日曜に開催される「曲水の宴」、今回初めて見ることができました。ずい分前から知ってはいたのですが、テレビで見るだけで実際に見たことはありませんでした。
今回、楽しみに太宰府天満宮を訪れました。
「曲水の宴」というのは、平安時代の雅やかな宮中行事を再現した神事です。上流から流された杯が、自分の前を通り過ぎるまでに和歌を詠むという優雅な会です。和歌を短冊にしたためた後、流れてきた杯を飲み干します。
太宰府天満宮では、詩歌の名手だった菅原道真をしのんで毎年開かれています。
平安時代の衣冠や十二単(じゅうにひとえ)などの衣装をまとった人たちが、実際に筆で和歌を短冊に書いていました。
まずは太宰府天満宮にお参りしました。
表参道はたくさんの観光客でにぎわっていました。
表参道にあるスターバックスは隈研吾さんのデザインで有名です。
心字池(しんじいけ)にかかる三つの橋は太鼓橋と呼ばれ、それぞれ過去、現在、未来という三世一念を表しています。この橋を渡ることによって三世の邪念を払うとも言われ、参拝者の身を清める橋でもあります。一つ目の橋を渡るときは、後ろを振り返らないで渡り、二つ目の橋は、つまずかないように渡り、三つ目の橋では立ち止まらないで渡ります。本殿からの帰りは「過去にさかのぼる」ということになるので、橋を渡らずにわき道から帰ることが良いと言われています。
橋の左側の景色です。
二つ目の橋はカーブのないまっすぐな橋です。
三つの太鼓橋を渡ると、正面に楼門が見えてきました。左に曲がると梅の市が開かれていて、梅の苗木が売られていました。
右奥に麒麟の像が見えます。
太宰府天満宮本殿は、124年ぶりの令和の大改修中で、仮殿の姿が見えてきました。屋根に森を載せたデザインは藤本壮介さんによるものです。
改修中のこの姿が見られるのは、2023年5月からの約3年なので、ある意味貴重でした。
菅原道真公を慕い、京より一夜にして梅が飛んできたという飛梅伝説の飛梅は、早く花が咲いたのでほとんど残っていませんでした。
この右奥に進みます。
ここにも御神牛がいました。天満宮の中には何頭も御神牛がいるそうです。入口の御神牛はなでたり、写真を撮ったりするために行列ができていたので、こちらでゆっくり写真を撮りました。
こちらの照星館で早めの昼食を取りました。
大宰府といえば梅なので、梅入りのうどんにしました。手前のピンクの棒状のものはゴボウです。梅味で美味しかったです。
曲水の宴の会場に向かう途中で、係りの人が今から行列が通るのでロープより下がってくださいとアナウンスしていました。おかげで一番前で行列を待ち構えて写真を撮ることができラッキーでした。
参宴者の行列は梅の苗を見ていた時に、ちょうど太鼓橋を渡っていたので遠くから眺めることはできましたが、こんなに近くで見ることができて良かったです。
華やかな平安時代の衣装に気分が上がります。。
十二単姿の女性が綺麗でした。
福岡市内は朝雨が降ったのですが、大宰府では曇りで良かったです。
服部知事も参加されていました。
笙(しょう)や笛を使った雅楽も平安時代を彷彿とさせるゆったりとした雅な演奏でした。
いよいよ曲水の宴が始まります。
立見席での見学になります。
曲水の庭のこちらが入口です。たくさんの人が立ち見をしていました。
望遠にしたのでちょっとボケていますが、雰囲気はわかると思います。
中央の男性が短冊に和歌を書いています。
左端の女性が杯にお酒をついでいるのが見えました。
時々弓を持った男性が見回りをしていました。
短冊に書かれた和歌は披露され、聞くことができました。
今年は梅の開花が早く見ごろを過ぎていましたが、まだ咲いている梅もあり、十分楽しめました。
見学の途中でテレビ局の人から感想を一言と突然マイクを向けられましたが、とっさに言葉が出なくて困りました。和歌と和歌の朗詠の間にお願いしますと言われ、ちょっと言葉に詰まっていると和歌の朗詠が始まったのでインタビュアーが他の場所に行ってしまいました。
平安時代にタイムスリップしたような優雅な宴に酔いしれましたとコメントしたかったです。十二単も美しくて飽きずにずっと眺められました。
もし次の機会があったら、11時から先着順の座って見られる座席を確保して、もう少し近くで小川を流れる杯の様子等をじっくり見たいです。
とはいえ初めて見学した曲水の宴でしたが、十分楽しめました。