結局最後は感情論
「論理が飛躍しすぎているしデータの信頼性も低いね。やり直し」
学生でも社会人でも、プレゼンをする時重視される力が
論理的思考力。
PREP法やSWOT分析などを、様々な場面で利用し
ロジカルシンキングを鍛えよう、フレームワークを作ろうと
論理性向上を重視した教育が注目がされ、
MBA人気もその一つだと思う。
しかしAIの発達で、人間がデータ分析や情報編集の面で
AIに勝てる余地はない。
膨大な情報量から有用なデータを融合して、
近い将来を予言することもできるロジックの専門家だ。
では、人間が論理的思考力を鍛えるのはムダなのか。
私はムダではないと考える。
「論理」と相反する「感情」に対して
その思考力を駆使することで強い武器になる。
例えば、営業先で商品を売りこむとする。
特徴を淡々と論理性をもって説明をする場合と
完璧な説明ではないが顔色を見ながら愛想よく説明をする場合では
後者の方がいい返事をもらえる割合が高いとされている。
何事も最終的に決断するのは感情にまみれた人間であり
その後につながる先にも多くの人間がいる。
相手の感情を良い方向へ動かせなければ
どんなに優れた商品であってもいい成果は出ないだろう。
ここで顧客の感情をいかに操れるか、ロジックで考えてみる。
「○○さんは優柔不断な人だから、
二者択一式で小出しに紹介しよう」
「説明の例えに○○さんが好きな野球を使ったら
気分よく交渉できるな」と
論理性をもって相手の感情を分析し、攻略できることで
代替不可な人間特有の強みになる。
人だけでなく、産業界でも同じことがいえる。
音楽や芸能などのエンタメ業界、
ゲームや遊園地などの娯楽産業は
いかに人の感情を高揚させられるかを
第一に考慮して運営している。
最近のマンガやテレビは「ただ楽しい・面白い」だけでなく
「身になる・役に立つ」など
+αの内容を含むものが流行っている。
例えば『はたらく細胞』
実際のデータに基づいた、身になり楽しめる作品。
若年層だけでなく
普段アニメを見ないような?教師や医師にも
+の感情を鷲掴みにさせた。
また、バンドやYouTuberで食べていくと言うと
「不安定だ・まともな仕事にしろ」と、
多くの人はいい目をしないが
コロナの影響で彼らの活動は心の拠り所となり、
健康的な生活をする上で不可欠な存在になっている。
本当に危機的状況に陥ると論理性云々ではなく
怒りや悲哀の感情制御
嬉しさや不安の共感などが第一となる。
買い占め行為なども、供給は十分だと説明したところで
みんな不安になっているから意味がない。
『感情論は不要だ、決め手にならない』と見下されがちだが
結局のところ人を支配しているのは感情なのだ。
嬉しい・楽しい・モヤモヤの感情を
言語化するのはなかなか難しいため
そんな場面を見晴らしよくするのに論理的思考は役に立つ。
ロジックは、人の感情に刺激を与える触媒であり
お守りのような存在くらいで考えていいかもしれない。
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