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見直しは大事!イラスト制作時によくあるミスとは
こんにちは!
デザイン×エンジニアリング×ディレクションをベースに「新しい価値観」を創造するクリエイティブ集団、crage(くらげ)株式会社のグラフィックデザイナー、moi です。
イラストやデザインに携わる皆さま、作品完成後に一度はこう考えたことはありませんか?
「本当にこのイラストで大丈夫かな…?」
自分では良いと思っていても、相手には伝わらない時ってありますよね。
イラストやデザインに携わる方であれば必ず直面する問題だと思います。
今回の記事では実際に作品をチェックして「イラスト制作時によくあるミス」を修正しつつ、「イラストを仕事にする」という点で大事なポイントをご紹介します。
実際にイラストをチェックしてみよう
例えばこのようなお題(発注内容)でイラストを制作して欲しいという依頼があったとします。
![](https://assets.st-note.com/img/1679465946009-Cnjq2VyR3x.png?width=1200)
お題の内容を踏まえてこちらのイラストが提出されました。
![](https://assets.st-note.com/img/1679465963578-7Yxp7F2KEE.png)
このイラストを見て「自分ならこうするな」と思う箇所がいくつかあると思いますが、今回は特にチェックすべき「イラスト制作時によくあるミス」に絞って修正していきます。
適切な配色がされているか
今回のお題では「色味は明るく彩度は抑えて欲しい」と指定があります。
お題の内容と比べて髪は色味が暗く、服の青色は彩度が高いようです。
イラストは配色によって印象が大きく変わるので、お題に沿った適切な配色がされているか必ず確認しましょう。
オブジェクトのバランスは整っているか
オブジェクト(ここでは体)のバランスは違和感がないものになっているでしょうか。
まずお題の「2頭身」というのはクリアーしていますね。
しかし頭部が左を向いているのに対して、体は正面に近い斜めに向いているように見えます。
さらに右腕は左腕と同じ大きさで描画されているため、奥行き感がありません。
足部分も同様に、大きさや位置が適切ではないため足を広げているように見えてしまい、歩いているように見えにくくなっています。
![](https://assets.st-note.com/img/1679466126923-dC38mp7bCG.png)
オブジェクト(体のパーツなど)が適切ではない位置に配置されているとそちらに目がいってしまい、素晴らしいイラストも違和感のあるものになってしまいます。
この問題は基礎的なデッサン力を鍛えることで解決されることが多いですが、デフォルメの効いたミニキャライラストなどは更に難しいですよね。
何度も見返したり、参考となるイラストを見てバランスを整えましょう。
細かなミスがないか
左肩上部分に塗り残しがありますね。
![](https://assets.st-note.com/img/1679466213495-0LqLNhAAHa.png)
作業中は気にならないサイズの塗り残しであっても、イラストが大きく表示された時に目立ちます。
白色は背景色と被って見落としやすい色でもあるので、確認用のグレー背景などを使用して塗り残しがないかチェックしましょう。
色の塗り残しやはみ出し、ズレなどはよくあるケアレスミスなので見直すべき大事な部分ですね。
発注内容に沿っているか
これは一番大事で何度もチェックすべき内容です。
このイラストでは2つの項目に分けて修正していきます。
①指定されたアイテムや情報を取り入れているか
今回のお題では「ナイロンのスクールバッグ」というアイテムが指定されています。
イラスト全体で見た時は女子高生が持っているのでスクールバッグに見えますが…
![](https://assets.st-note.com/img/1679466406776-oqfFbhnnNl.png)
このようにバッグ単体で見た時にスクールバッグのように見えるでしょうか?
実際に「ナイロン スクールバッグ」と検索するとイラストのようなデザインのバッグは表示されないと思います。
このようにアイテムの詳細や形状を調べないで制作すると、相手に理解してもらえずに描き直し…ということも有り得るので、しっかりと参考資料を用意して制作に取り組みましょう。
また「スカートにラインがある」という指定がありますが、描画されていませんね。
こちらは一つ前の項目である細かなミスがないかに通じるものがあります。
しっかりお題(発注内容)を確認しましょう。
②指定されたテイストに沿っているか
お題には「描き込みは少なめ」「デフォルメ強め」とあります。
こちらのイラストではどうでしょうか。
![](https://assets.st-note.com/img/1679466525780-swrGjRIA6J.png)
スカートや靴に比べて瞳や髪、リボンを描き込んでいる印象があります。
詳細に描き込むと絵の密度が上がりポイントとして注目してもらいやすくなりますが、全体で見た時に一部分のみ描き込まれていると、違和感の原因になりやすいです。
また、自分の得意な部分は詳細に描き込みがちなので、全体のバランスを見ながら描き込み量は調節しましょう。
修正前と修正後を比べてみよう
ここまでさまざまなポイントをチェックしてきました。
チェックした内容を反映させたイラストがこちらです。
![](https://assets.st-note.com/img/1679466566175-Br3ybkPv2N.png)
修正したものと修正する前のものを比べてみましょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1679466578612-SKHesGHB0v.png?width=1200)
色味も明るくなり、体もしっかり進行方向を向いています。
描き込みや塗り方を統一し全体的にまとまりが出ており、指定されたアイテムや情報もしっかり取り込まれています。
必要な情報を伝えるために
お題(発注内容)を見直すことで様々な修正すべき点が見つかりました。
イラスト制作では、必要な情報を伝えるために「発注書(仕様書)をしっかり確認する」ことはとても大切です。
相手がイラストを通じて何を伝えたいかを制作前にしっかりと理解することで、制作時に必要な要素や表現が見えてくると同時に、相手との意識のズレを防ぐことができます。
(時々相手も伝えたいこと、作りたいことが定まっていない場合があります。こちらから提案をしたり企画しなければならない場面もあると思いますが、根気強く頑張りましょうね。)
![](https://assets.st-note.com/img/1679466621966-MKyuqpg6n5.png)
最後に
イラストの好みは人によって違うので、修正前の方が好き!という方もいると思います。
またお題(発注内容)に対して「自分はこう描くけどな…」と思った方もいるでしょう。
イラストやデザインには絶対的な答えは無いので「全ての人が納得するもの」を制作するのは非常に難しいです。
ですが、塗り残しを無くしたり体のバランスを整えたりするなど基本的なポイントを抑えることによってイラストに説得力が出るので、より相手に伝わりやすいものとなります。
作品が完成した後は開放感で忘れがちですが、細かなチェックや見直しを忘れないようにしましょうね。
今回もお読みいただきありがとうございました。
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