かつて海を旅した伝統の波佐見焼コンプラ瓶を現代に。林九郎窯の手仕事
創業72年の歴史を持つ波佐見焼の窯元「石丸陶芸株式会社」から、 コンプラ瓶とカップのセット「ワグネルブルー」が登場。 江戸時代からお酒を運ぶ容器として親しまれていたコンプラ瓶は、 お家での新たなお酒の楽しみ方を増やしてくれるアイテムに生まれ変わりました。
江戸時代から愛されるお酒の容器「コンプラ瓶」
コンプラ瓶とは本来、 江戸~明治時代に東南アジアやヨーロッパへお酒や醤油を輸出する際の容器として使われていたもの。
木の樽だと風味が損なわれるため、 長崎で生産されている波佐見焼で作ったのが始まりです。 瓶に記された「JAPANSCHZAKY」の文字は ポルトガル語 で「日本のお酒」という意味。 丈夫で手に取りやすい形、 そしてそのユニークなデザインから、 実は現代でもコンプラ瓶を愛する方は多いのです。
かつてのコンプラ瓶は、 お酒や醤油を入れ日本から長い時間をかけて海を渡り、 東南アジアなど高温多湿な国まで旅をします。 そのため気候の影響を受けにくく、 風味の劣化を防ぐ容器である必要がありました。
高い密閉性・遮光性・陶器に比べて吸水性が低く、 匂いが移りにくいという特徴を有しています。
シンプルだから伝わる。波佐見焼の美しさ
少し青みがかった白磁(はくじ)に、 呉須(ごす)という藍色の顔料を濃(だみ)と呼ばれる技法で染付をしています。 濃とは、 たっぷりと呉須を染み込ませた筆で、 広い面塗っていく技術。
よく見ると、 筆のストロークが単調ではない深みのある表情を見せています。 これは「林九郎窯(石丸陶芸株式会社)」の得意とする技法のひとつで、 手仕事でしか出せない奥行きなのです。
400年の歴史を受け継ぐ「林九郎窯」
波佐見焼でおなじみの器の産地、長崎県波佐見町。今回のコンプラ瓶を作っている「林九郎窯」は、この地で昭和43年に産声をあげました。
今では石丸陶芸の1ブランドとして位置する林九郎窯。今回のコンプラ瓶にふんだんに使われている「呉須」や金の装飾などの技法を得意とし、波佐見焼400年あまりの伝統を受け継いだ器を作り続けています。
林九郎窯のものづくりは、今日でも手仕事による技が多く使われています。
たとえば絵付け。呉須などの顔料を、筆を使って器の表面に描いていく、器の顔となる工程です。
手作業でなければ出せない奥深い表情は、こうして熟練の職人が黙々と仕上げています。
石丸陶芸で活躍するのは、熟練の職人だけではありません。若手の職人の育成にも力を注いでいます。次の伝統を作り、引き継いでいく存在だからです。
石丸陶芸の敷地内には、古陶磁美術館「緑青」があります。緑青は、波佐見青磁をはじめ、古平戸、古薩摩など歴史的、文化的にも重要な陶磁器を展示している施設。こうした文化財を展示、保存するのも、伝統を受け継ぐものとしての使命だと考えているからです。
今回のコンプラ瓶は林九郎窯の、ひいては波佐見の歴史、伝統を盛り込んだ酒器。ぜひその重み、面白さもお酒と一緒に、身近に味わってみてください。
コンプラ瓶の楽しみ方いろいろ…
コンプラ瓶は容器としてはもちろんですが、特徴的なかたちやコルク蓋がつくるアンティークな雰囲気は現代でも人気なのです。
19世紀ロシア文学を代表する文豪 トルストイが、コンプラ瓶を一輪挿しとして使っていたのはちょっと有名なお話。当時の輸入先では、中身がなくなった後にコンプラ瓶をインテリアとして使う人も多かったのだそう。
焼酎の前割りやアウトドアへの持ち運びにも
コンプラ瓶を使ったお酒の楽しみ方のひとつ「前割り焼酎」。
「前割り焼酎」とはあらかじめ焼酎と水を馴染ませておく、鹿児島県で親しまれている飲み方です。
作り方はとっても簡単。コンプラ瓶にお好みの焼酎と水をお好みの割合で注ぎ、冷蔵庫で数日寝かせるだけ。
じっくりと時間をかけて馴染ませることで、口当たりがとてもまろやかになります。度数も低くなるので、焼酎が苦手な方にも是非試してほしい飲み方。一晩寝かせただけでも違いがわかりますよ。
コンプラ瓶はおよそ700mlと、お酒を嗜むのにちょうどいい容量。片手で注ぎやすく、冷蔵庫にも入るサイズになっています。
「お家でお酒をもっと楽しく。海を旅した伝統の波佐見焼コンプラ瓶「ワグネルブルー」は、2020年7月30日までMakuakeにて先行発売中。リターンのお届けは2020年8月末を予定しております。
https://www.makuake.com/project/ishimarutougei_japanschzaky/