大工の世界はこのあたりが課題だぞ
「職人の世界は案外悪くない」と書きましたが、もちろん厳しいところもあります。
清潔感が薄い
夏がシャレにならないほどキツイ
自分で価格を決められない
大工さんが足りないはあんまり関係ない
いつまでできるか不安
清潔感が薄い
たとえば、トイレですね。
夏場のトイレは文字にすることすらできない凄まじいものがあります。
大工ではないですけど、時々女性の職人さんを見かけます。
とてもじゃないけどあのトイレは使えないんじゃ…と思う時があります。
男の私ですらあのトイレは使いたくないと思って近くのコンビニに飲み物買いに行きがてらトイレを借りるくらいですから。
現場によっては立ってする小用のトイレしか来ない時もあります。しょうがないのでそれでするしかないのですが、私は簡易目隠しをつけてしています。
が、他の大工さんは「そんなの気にしてたらこの仕事はできないよ笑」と言うんですが、目線を職人じゃなくて小用をしている人を見てしまう人に向けた方が良いよ、とは思うんですけどね。
全国的に見れば大工は不足していますから「どうせ大工も足りないしそれなら職人を極力起用しないで済む家の建て方」が主流になってもおかしくないですからね。こういう点で清潔感て大事だと思うんですよね。
夏がシャレにならないほどきつい
最近のこの暑さですからちょっとしたことでも熱中症になります。
あまりにも気温が高いと扇風機て熱い風が送られてくるだけなので却って気持ち悪くなるんです。
将来的にどんどん暑くなっていくのかなぁ、と思うと暑さ対策は必須ですし、体力が要必要な仕事ですね。
自分で価格を決められない
個人的にはこれが一番厳しいな、と思います。
大工の仕事の殆どは「手間請け」=受託なので仕事のペースや金額は会社側に握られてしまいます。
もちろん、仕事が取りやすいという受託のメリットはありますので、数年単位で気にする必要はないです。
現に不満はない程度に稼げているので。
が、受託の仕事に依存しすぎると、ある日突然単価がガクッと下がったとか、1か月後の仕事が急に無くなったとかに対応するのが難しいです。うちは子供がまだそこまで大きくないですけど、10年後に単価が突然下がったとなると大慌てになりますから、色々別のことも考えています。
たとえば大学受験の仕事をしていて勉強には慣れていますし、大学は法学部だったので趣味がてら法律系の資格をコツコツ勉強したいなあ、程度で今は考えています。
大工さんが足りないはあんまり関係ない
大工さんの人数が足りないと言われますが、大工は商圏ビジネスに近いので、正確には「足りてないところは足りてないんだろうけど、大工が足りてるところもわりとある」というのが実情です。
たとえばあなたがさいたま市の南区に住んでいたとして、南区あたりはもちろん、近くの川口市や練馬・板橋なら仕事場として近いですね。南区に住んでいて熊谷まで仕事に行く人はほぼいないでしょう。
どこのハウスメーカーも基本的には支店ごとに担当エリアが決まっています。
そして各支店、年間で立てられる家の数も概ね決まっています。
なので、そのエリアの年間棟数に対して大工がどれくらいいるかで不足しているかどうかが決まります。
現場レベルで見れば、全国的に大工の人数が不足しているというのはほぼ関係のない話なんですね。
前回「若いというだけで優遇される」と言いましたが、この点が矛盾していないのはお分かりいただけるかと思います。
いつまでできるか不安
60代はもちろん、70代の大工さんも大勢いるので勘違いするのですが、60~70代で引退している大工さんも大勢いるので、自分がやれてる側に回れているかはすごい不安です。
確かに何を食べても太らないし会社員の時と比べて平熱が1度上がっているので健康にはなりましたが、なんだかんだ体は酷使している感じはありますからね
【まとめ】この世界に飛び込んでくるなら
10~20年後は別の仕事をやっているかもしれない、というつもりでいた方が良いかな。
です。
これ、不安要素に聞こえますか?
私はあんまりそうは思っていなくて。
大工さんのほとんどは個人事業主なのですが、個人事業主てことは厚生年金もないですし、我々世代の国民年金はお小遣い程度の額ですから、基本的には生涯現役なんですね。
ですから、その時代に応じてフレキシブルに働くスタイルが求められますが、本来働くてそういうことだと思うんです。
フレキシブルに働く体質になっているからこそ、たとえば大工の仕事から離れたくないのであれば、10~20年後も大工の仕事関連で生きていくこともできると思いますし、別の生き方もできると思います。
こうして生きていくことが充実した生活になるんじゃないかと思っています。
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