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うるしで繕う生活道具/ほうろうや金属製品の補修金継ぎ
金物も金継ぎ補修しています!
台所道具は丈夫なため、油断して焦げ付かせたり、空焚きしたり、錆びつかせてしまったりすることがあります。自分の不注意で傷めてしまった時の落ち込みは大きいものです。過去には、ぶつけてガラス質の釉薬が欠け、そこから錆びて水漏れを起こした琺瑯ポットを、泣く泣く処分したことが何度もありました。水道水のカルキが露出した鉄素地に浸食し、劣化が進んでしまうのです。琺瑯製品は修理を受け付けている業者が少ないため、新調するしかなかったのですが、金継ぎの材料を使って金物の修理を試したところ、ある程度錆止め効果が得られ、十分に使えるようになりました。それ以来、鉄や銅なども金継ぎの材料で補修しています。特に鉄製品は、湿度の高い住環境ではすぐに錆びてしまうので、同様に手入れをしています。金継ぎと同様に、修理や手入れの参考になれば嬉しいです。
その1 琺瑯
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ぶつけて欠けた部分以外は、購入当時と変わらず、我が家では何年も炊飯時の水計量に使っているビーカーです。琺瑯は、鉄などの金属材料の表面にガラス質の釉薬を高温で焼き付けたものです。そのため、落としたりぶつけたりすると表面の釉薬が剥がれ、下地の金属が露出してしまいます。欠けても使用できますが、そのまま放置すると腐食が進むため、漆を塗って錆止めをしています。真鍮粉を蒔いた部分は、経年変化で変色していますが、錆が広がることはありません。
その2 鋳物や鉄瓶
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地下水位が高く、谷戸地形で湿度が高い環境に住んでいるため、日頃から黴やさびつきには悩まされています。特にシンク下にしまい込むとすぐに黴びてしまうため、鉄製品は必然的に表に出しておくことが多いです。コーヒーミルも随分くたびれてしまったので、こちらも拭き漆で手入れをしました。
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全体的にサビついてしまいました
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鉄瓶は生漆を塗り色艶が戻りました。
鉄瓶は冬にストーブの上で空焚きしてしまい、全体が錆びてしまったのですが、生漆を塗ることで錆止めと艶の復活ができました。南部鉄器も防錆のために表面に漆の塗装を施していたため(現在はカシュー塗料となっていますが40年ほど前までは漆を使用)この方法で火にかけても問題なく使用しています。
その3 ビンテージ銅やかん
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接合部分から水漏れしていた銅のやかんは、修理扱いをしている工場に問い合わせましたが、古いものだったため修理不可との返答を受けました。そこで、自分で錆漆を埋めて補修し、今も使い続けています。
ほうろう鋳物鍋(ル・クルーゼ)
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干し椎茸の煮物を焦がしてしまい、琺瑯の一部が剥がれてしまいました。長年使ってきたこともあり、劣化していたのかもしれませんが、やはり無念です。今は修理中で、剥がれた部分に錆漆を塗る凹み埋めから始めています。
生活実用品の修理にも漆を
漆で直したものは直火にかけても、飲食物に直接触れても大丈夫です。
直さなくても使える場合もありますが、丁寧に補修された道具は気持ちが良いものですし、時に買い替えることを考えることもありますが、長く使ってきた道具は愛着もあり、手放しづらいものです。生活のなかで使用する道具でも、金継ぎの手法で修繕ができることが多いのでぜひ試してみてください。