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春の野に咲くすみれのように―岡潔 春宵十話より

私はバッグ作りをしながらAmazonのオーディブルで本の朗読を聞いています。手仕事をしながら読書が出来るので重宝しています。

先日ある事がきっかけで、岡潔さん(1901-1978)の春宵十話を聞きました。それはフォローさせていただいている藤井あき乃さんが岡潔さんの春風夏雨の事を書いている記事を読んだからです。

岡潔さんについては天才数学者だったということは知っていましたが、思想家でもあったという側面を初めて知り、とても興味が湧いたのでした。早速、オーディブルでも聞けるか調べたところ春宵十話がライブラリーに登録されていたので聞いてみました。


「私は数学なんかして人類にどういう利益があるのだと問う人に対しては、スミレはただスミレのように咲けばよいのであって、そのことが春の野にどのような影響があろうとなかろうとスミレのあずかり知らないことだと答えてきた」

岡潔 春宵十話より引用



 

この言葉には、「何かの役に立つから価値があるのではなく、本質的に存在すること自体が尊い」という考えが表れていると思います。岡潔さんは数学者としての探究が、単なる実用性を超えたものであると考えていたのだろうと思います。スミレがただ咲くように、数学もただ美しくあればよいという視点に心を打たれました。

何かを学んだり研究したりするとき、すぐに「役に立つかどうか」を考えてしまいがちですが、それだけが価値基準ではなく、自然の花のように、ただ「ある」ことの美しさを受け入れることが、人間の営みにも当てはまるように感じました。


これからは、何かを学ぶときなど、実用性だけでなく「純粋に楽しむ」という視点を忘れないようにしたいと思います。岡潔さんの言葉を通じて、何かを「好きだからやる」ことの尊さを改めて感じました。

次は春風夏雨の書籍を購入して読んでみようと思います。

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