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帆布生地でベンガラ泥染めと藍錠染めの合わせ染めをやってみた
昨年の夏ごろからベンガラ泥染めや藍染めなどの天然染料にて染めた帆布生地でバッグを作っています。
ベンガラ泥染めの染料は大阪の「古色の美」さんから仕入れています。
先日、たまたま古色の美さんのWebサイトを見ていたところベンガラ染料と藍錠染料を合わせて染める合わせ染めという技法があると書いてあり、組み合わせによって紫色や淡いブルーに染めることが出来ると知り、以前から天然染料で紫色や淡いブルーで染めたバッグを作りたいと思っていたので早速染料を注文しました。
藍錠って初めて知ったので備忘録も兼ねて書いておきます。
藍錠とは
藍の生葉を発酵・沈殿してできた顔料を藍錠(あいじょう)といいます。本来の藍錠染めはアルカリ剤を使って建てて染めますが古色の美の藍錠染めは建てずに水に溶いて染める新しい藍染めです。
昨日の金曜日は木曜日から発令されていた大雪警報も午前中に解除され午後から晴れそうだったので慌てて生地を染めることにしました。北陸富山の冬は雪か雨ばかりで晴れる日が少ないのです。
自分の帆布生地の染めつけ手順は次の通りです。誰にも教わらず独学でやっていますのでこれが正解なのかよくわかりませんが試行錯誤しながらやってます。機会があれば古色の美さんのワークショップに参加して勉強したいと思ってます。
水通し
あらかじめ生成りの帆布生地を5時間程度たっぷりの水に浸して水を繊維全体に染み込ませます。目的はバッグが完成した後に雨で濡れたり洗ったりした時に生地が縮んで型崩れを防ぐのと染めやすくするためです。ちなみにいつも使っている生地だと幅95cmの生地を150cmにカットしたものを染め上げてから測ると幅92cm、長さ137cmくらいまで縮みます。染めてない生地なので結構縮みます。
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油分や汚れなどを落とす
のり付けなどの処理をしていない帆布生地を使っていますが綺麗に染めるために余分な油分や汚れを落とすために無香料の中性洗剤をお湯に入れてよく洗います。いつもは庭先でやりますが雪が積もっているし寒いので浴室でやりました。
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下染め
下染めは濃く、発色よく染めるために行います。下染め剤を水に溶かした中に生地を入れてよく染み込ませます。薄く染めたい時はこの工程を省くことがあります。
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染め付け
今回使用した染料はベンガラ泥染め染料の胡粉色(ごふん)と茜色(あかね)、藍錠染めの3種類です。白いのが胡粉でレンガ色が茜です。ベンガラ泥染め染料は多くが酸化鉄なんです胡粉は酸化鉄ではなくて酸化チタンだそうです。染料の組み合わせは胡粉と藍錠で淡いブルー、茜と藍錠で紫色を作ります。配合する量で色が変わるので奥が深く面白いです。
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天日干し
染め終えたらよく絞って天日で干します。一般的な草木染めのようにすすいだり色止め処理の必要はありません。しっかりと乾燥させると色が定着します。
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アイロンがけ
干せたらスチームアイロンで大きなシワを取ります。細かいシワは無理に取りません。しわやむらが天然染料の手染めの良さだと思うからです。最後にロール状に巻いて完了です。
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最後に
今までに薄い順に11号、10号、9.5号の帆布で試しましたが一番綺麗に染まるのが11号帆布です。9.5号だと色にもよりますがかなり薄くなります。目が細かくて厚い生地なので仕方がありませんが。最近では染めやすく薄くて柔らかくて扱いやすい11号帆布を使ってます。9.5号以上の厚い生地は染料に増粘剤を入れてとろみをつけて絵の具のように筆で直接塗ったりシルクスクリーンや型紙を使用して捺染・ステンシルをするのがいいのかもしれません。このあたりはまだ試していないので次の機会に試してみたいと思います。