(元)保護猫・銀二の記録 別れ
新しい家に引っ越し
体重を計ってもらったら2.5㌔。
そして、ガンがしこりとなって頬っぺたが固くなっていました。
それよりも自分でひっかくことによるキズで血がでるので
カラーを付けることになりました。
嫌そうでしたが頑張って付けてくれました。
ちなみに、カラーは、3つありました。
最近はかわいいカラーもあるんですね。
キズから膿などがでるため毎日洗って付け替えしていました。
とはいえ、自分でご飯ももりもり食べます。天気が良い時は
病院の帰りは歩いて外の空気を銀二に吸わせたりするととても気持ちよさそうにしていました。(猫のかごリュックに入れた状態でですが)
また車が好きだったみたいで、運転している主人をじっと見つめていたり
気持ちよさそうにしていました。
幸いにも病院の事がとても好きで、
はじめは抵抗していたのに何も抵抗しなくなりました。
この頃から1週間に1度行っていた病院が2週間に1度のペースになりました。
そして新しい家に引っ越した頃、私はドバイで仕事が入り
10日ほどいない日がありました。
戻ったところ、少し細くなったかなという印象を受けました。
それでも体重が2.5㌔とか・・そんなに変化はありませんでした。
私も民間療法でもなんでもあやしいグッズでも(笑)ガンによさげなモノを
取り寄せては銀二に与えてました。
その中でも、特殊な水ってのがすごく良くて、それを塗布していたら
ガンが小さくなってきました。
そして夏で暑かったので薬だけもらったりするなどをして過ごしました。
銀二は元気でご飯も食べますし、蓮とも遊びます。
そして自分の定位置に収まり、カラーが付いていて不自由そうなことを除けば元気な状態です。この頃から、外出用のがごの中に銀二は入って
寝るようになりました。そのため病院へ連れて行くのがとても楽でした。
そして8月。
銀二の調子は相変わらずです。が気になったのは頬っぺたのキズと体重。
膿んでいて半分えぐれているような状態です。
キズが治ったような治ってないような・・そんな印象でした。
体重は2キロくらいになってしまいました。
キズは途中で縫ってもらったりもしました。しかし、ガンが広がっているのか縫ってもすぐとれてしまう状態でした。
骨が見えてるんじゃないかってくらいの深い傷・・
そのため、私たちは包帯を巻くことにしました。
キズは特に痛そうな様子もなく至って元気なのです。
ご飯も普通に食べますが少し食は細くなってきたような感じはありました。
そして8月中旬から私たちは仕事でウズベキスタンに行く事になりました。
猫をどうしようかと思いました。
元気だしはじめは家に見にきてくださる方に銀二も見てもらおうと思いましたが、病院に預けることにしました。
その時の体重は、1.7キロ。
何かあっても困りますし、キズが深いのであれを家に
見に来てもらう人にお願いするのもなあと思ったからです。
何かあればメールで連絡ということで私たちは仕事に出かけました。
毎日、私はメールをチェックし連絡が来ていないことを確認し安堵していました。
そして帰国後・・銀二になにかあったらどうしよう・・と思い迎えにいきましたが、いたって元気な様子の銀二。
病院の方が預かっている間銀二の写真などを撮影してくれて日記も付けて下さっていたので、それをもらいました。
自分では全然銀二の撮影をしてなかったので助かりました。
病院から退院するときの体重は、
1.8キロ。ご飯をたくさん食べたようです。
帰りの車の中で銀二はないたり、隙間に手を入れたら噛んだり
頭を撫でろと頭を押し付けたり甘えてきました。
こんな風に猫らしい行動をしてきたのは
初めてなのでとても嬉しかったです。
顔の様子は変わってしまったけどもこのまま治ると信じていました。
それが8月20日のこと。
それからはいたって平和な毎日でした。
銀二をたまにベットの上に連れてきてお腹に乗せたり
(嫌がってすぐ逃げるのですが)
銀二の様子をみて、体をふいたりして、ご飯を食べて、チュールをあげたり。夜になると爪とぎをしたり、蓮と遊んでいるようでした。
しかし様子が変わってきたのが8月26日。
歩くのもゆっくりになり、
5歩くらい歩くと一回休憩をするようになりました。
そして猫用のご飯箱からご飯が食べづらそうにし始めたので
カラーを外しました。
カラーを外すとゴロゴロいい、ご飯を少し口にしましたが、食べづらそうでした。そのため小さなお皿にご飯を移して食べさせました。固形のご飯が好きなので少し砕いたりして食べさせたりしました。
本人は普通に立ちたかったのですが、立つことができずひっくり
返ったりしてました。水も手であげたりしてました。
翌日、チュールをあげました。
朝、昼とチュールを食べて満足そうでした。
そして左目が閉じられないのかひょっとしたらガンが転移しているのか、
薄い膜をはってました。でも目は見えるようでした。
しかし私は口に出すと現実になると思い、黙ってましたが
今日明日が山場でこれを乗り越えたら復活する。
乗り越えれないかもしれない。
涙が自然と溢れてきて止まりません。
銀二に私はなにもしてないじゃないかとか、何かがいけなくて病気になったのかとか色々考えました。
早起きをして銀二の身体を拭き仕事にでかけました。
もう一切後悔がないように
出来る限りのことをしようと思いました。
8月28日
この日はお昼は、自宅で仕事。夕方から市内で人に会う用事がありました。
なのでギリギリまで銀二の事を見ることができました。
朝ご飯にチュールを食べ、水は手に含ませたもので顔を湿らせる程度。
体重は計っていませんが、、とても軽い。
おそらく1.5キロもないのではないかとおもいました。
でもかろうじて、立つことはでき、3歩くらい歩いて、座り込んでいました。座るのも普通の猫が座るようなポーズは出来ず、へたりこむような
感じです。顔の傷は毎日主人が薬を塗ったり消毒をしていました。
その日も夜帰ってきたらすやすや寝ていました。そして顔を撫でると
とても気持ちよさそうにしていました。
ただ、眠りたくて寝てるのか、ただ単に起き上がれないだけなのか・・
わかりませんでした。体が少し冷えているように感じたので毛布を被せました。蓮が銀二の横で普段鳴かないような鳴き声を出して泣いていました。
ただ、私は諦めてはいません。
8月29日朝から出かける用事があり、また戻ってきてからもMTGの用事がありました。
朝早起きをし銀二の身体や顔を拭き、チュールを少しあげました。左の鼻が利かないようでした、猫は鼻でご飯を判別すると聞いたことがあり、右の鼻にチュールをもっていったら少し食べました。
ほんの一口だけ食べて、その後は、もういい といった様子。もう口が空けれなかったのかもしれません。
水を手に含ませてすこしあげて出かけました。ちょうど台風がきていて大雨でしたが、帰り道はとてもスムーズでした。
20時過ぎに帰宅し銀二の様子を主人が見ていました。私もMTGの予定だけ済ませ、その後銀二のところへ行きました。力が入らない様子でした。
話しかけるとチラッとこっちを見ます。抱き上げました。
そして話しかけるとじっとこっちを見ます。息をしていました。
その後、ぴくぴくと身体が動きました。痙攣をしているようでした。
心臓の鼓動が少なくなっていくのを感じました。
足から、魂が抜けているような、痙攣をするたびに魂が抜けていくような感覚でした。
そして銀二がかぼそい声で鳴きました。3回ほど泣き、口を開いて ニャンニャン!と初めて猫らしい声をあげました。じっとこっちをみて、その後徐々に鼓動もなくなりました。私はよくわかりました。
最後の痙攣は魂が抜ける瞬間、そして最後口から何か魂が出て、その時に
猫語を話したんだなあと・・
銀二は偉いです。
私が最後仕事終わるまで待って、手の中で旅立ったのですから。
劣悪な環境の中、人間のことを知らず生まれてきて、その後
ようやく飼い猫ぽい暮らしが始まり・・たった2年半で旅立ちました。
私も、なんか愛情をかけたりすると悲しくなるからって目を反らしてきた
猫もいままでいましたが、銀二とはしっかり向き合いました。
ただ一緒に暮らした年数は2年半だったけども
銀二や蓮と仲良くなるためにこっちの都合ばかり押し付けないとか
我慢して接するとか、色々なことを教えて貰いました。
銀二の闘病中が一番私と銀二が仲良くなれた瞬間でした。
とはいえ、色んな後悔があったりもします。
もう1回病気が発覚した4月に戻って、銀二ともっと向き合ったり
怪しい水でもなんでも良さそうなものをあげればよかったとか
色々思います。
そして、もっと色々手を施しておけばよかったとか思います。今もそう思います。早く気づけばよかったなあとか・・
そして同じような猫とは今後も出会う可能性はあるかもしれません。
ただ、銀二は銀二なのです。銀二という猫は銀二だけです。
どんな動物であれ、人間であれ、その人やどの動物と過ごせる時間は
有限です。そして、病気で危篤状態であっても、魂が入っている肉体。
そして抜けてしまった肉体は全然違います。
目の前にあること、目の前に居る人としっかり向き合い
お互い有限の時間を大切に過ごしていこう。こんなことを深く考えたのでした。
いつか肉体から魂がなくなり、物質はいつか消えてなくなってしまいます。でも魂はずっと残ります。
人間は、たまに偲んで思い出してもらって、あの人生前あんなこと言ってたよねなんて話がしてもらえるかもしれません。
ただ、猫は一生懸命生きても、よほど有名な猫ではない限り猫の家族にしか知ってもらえません。
銀二は不思議な猫で、出会いから別れまで、何か私たちに
訴えるために現れて去っていったのかなと思いました。
なので、銀二という頑張り屋の猫がこの世に生まれて、
旅立つまでの記録を残しておこうと思いました。
長い人生、大事なことを忘れてしまう瞬間があるかもしれません。
目の前の人やもの、ことを大切に出来ないこともくるかもしれません。
でも物事は有限ってことを、その時に思い出せるためにも
残しておきます。
もし最後までご覧頂いた方がいらしたら
銀二のことを知ってくれてありがとうございます。
心から感謝です。
後日談
動物のヒーリングやってる知り合いがおり、
銀二をみてもらったところ・・
人間なんて信用できるか。という状態で家にきていたそうです。
その前の家(飼育崩壊の家)では蹴っ飛ばされたり、踏まれたり
猫という扱いをされずとにかくひどい扱いだったそうです。
ゆっくり寝ることも、ご飯を食べることもできず、何も感じない状態だったそうです。
そして私たちと出会い、フン、またか!って感じだったのです。
最期の最後、、病気になったことで初めて、感情が動いたそうです。
なので、銀二いわく、病気になって良かった。ってことらしいです。
そして、銀二は、実はツンデレキャラってこともわかりました。
はじめは全然話さずお前に話すことなんてない みたいな感じが
どんどんお話しだしたそうで・・
おれは生まれ変わったら白猫になるんだぜ!とかできれば
ちょっと茶色くて白い猫がいいぜ!
おかあちゃんおもろいよな。あんなやついねえーぜ!
おとうちゃんの顔がおもろいよな。いつも手になにかもってなんか言ってんだぜ!(ブラッシングを毎日していた)
おい、お前話聞いてんのか!! みたいな・・若干口が悪いけど
面白キャラだったそうです・・・
今では、魂がキラキラしてるそうです。
少しずつお空にあがる準備中らしいです・・・
そしてまだ家にいるそうで、自由な身体で遊びまわっているそうです。
こういうスピ系のことは、真偽はわからないけども・・まあ
ほとんど情報伝えてないのに、銀二の声として伝えてくれたから
私は信じております。
銀二がツンデレで口が悪そうだなあってのは私はなんとなく思ってたのと
何も光がなかった世界に最後少しだけでも人間の良さを示すことが
できてよかったなあ・・と心が救われました。
心と心でなんだか結ばれた気がして、いつでもどこでも銀二に
会えるようなそんな気がして楽になりました。
そして今日玄関空けたら、白と茶色のノラ猫が居たから急に
化けて出たかとおもってビックリしました(笑)
ありがとう。銀二。