【#239】心の奥が火照っていました
第5回 北海道語り手養成講座
先週木曜日に恵庭まで行ってきました。もう北海道に移住して15年が経ちましたが、恵庭と行っても「何となく札幌の方」という感じの地理感覚です。時々ニュースで聞いたことのあるような無いような地名が出てきた時、道産子の妻に「どのあたりにあるの?」と尋ねても「さあー」という返事なので、やはり北海道は広すぎるのです。
その広すぎる北海道の各地から、三浦綾子読書会の「第5回 北海道語り手養成講座」に参加するために恵庭に集まってきました。今回の語り手であるM先生やKさんとご挨拶した時に、「お会いするのは初めてですよね?」と言われ、「あ、そうです。そうですね」と気づきました。オンラインの委員会でご一緒していること、原稿のやり取りをしているので、初めてとは思っていませんでした。
「三浦綾子さんの書籍を人生の味わいとして噛みしめてきた思いを、多くの方々に伝えたいという情熱を持っている」ことが唯一の資格として開かれているのが、三浦綾子読書会語り手養成講座です。正直なところ、前代表のM先生によってその情熱が引き出されて、語り手として応募され準備された方々もおられますが、それもまた良しです。
『果て遠き丘』
1日目のTOPバッターはNさんでした。北見の教会にも来てくれた三浦綾子記念文学館の学芸員でしたが、昨年、退職されました。そのことにも触れつつ、『果て遠き丘』から、「明日への希望を信じて待つ人でありたい」と語られました。Nさんが発表するからとオンラインで申し込まれた方々が多くおられました。Nさんを待ってくれている方がいる、信じてくれている方がおられます。そんなNさんの果て遠き丘の向こうに明日がある、光があると思わずにはおれませんでした。
『愛の鬼才:西村久蔵の歩んだ道』
2番目はKさん。何とバイオリン演奏から始まったのです。最初に講演をしてくれたNさんのピアノ伴奏と共に、Kさんのオリジナル曲が奏でられました(Top画像)。荒涼としていた「江別太」に愛の種が蒔かれ、その「愛深さ」は今に至るまで受け継がれ広がっています。『愛の鬼才:西村久蔵の步んだ道』の講演と演奏を通して、愛のぬくもりによって、「自分ファースト」という衣が脱がされていくことがよく分かりました。
『道ありき』
夕食の楽しいお交わりの後、1日目の最後にWさんがお話しをしてくださいました。この日の少し前に愛犬の散歩中に転んで、顔を縁石にぶつけられたものの、支えられて出席し、発表してくださいました。小学生の時、美しい夕焼けを見ると物悲しくなり、虚無感に襲われていたのには、それだけの大きな理由があったからです。苦しいところをいっぱい通られ、しかしその道に御自身の『道ありき』を見出されました。「私は今、綺麗な夕焼けを見ると神様を思います。『綺麗だろう』と語りかけてくださっているような気がします」と話された時、私たちも一緒に綺麗な夕焼けを見つめているようでした。『道ありき』って、なんと良い作品だろうと心から思う講演でした。
1日目の語り手の内容があまりにも真実なので、心の奥の方が火照っているようで、なかなか眠れない夜となりました。2日目の様子は、土曜日の投稿で紹介いたします。
今日も主の恵みと慈しみが、追いかけてくる1日でありますように。