中国単身駐在上司の奥さん⑦
修羅場へと向かう車中で、オジサン友達社長には簡単に事情を説明しておいた。以前のFAX事件とか、電話事件とか。
「ほう!エライ目に遭ったね!」 驚くオジサン社長。
ちょっと…
なんで楽しそうなの? ^^;;
同乗の台湾人は我々が今から何をしようとしているか知る由もないので色んな事を話しかけてきて、その度に説明を止めて通訳介した会話。会話が終われば、また説明と。そんな意味では説明するに丁度良い1時間半でした。
さて!見慣れた街並みにさしかかり。
いよいよ!竹山宅へ向かいます。
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アパートのエリアの入り口に金小姐が見えた。「あ!ここで、ここで下りる!」と言って車を停めてもらう。「これから飲みに行こうよ」という台湾人にオジサン社長は「next timeね^^」と断り、二人、車を下りました。
着いてしまった(汗)ま、何とかなるさ・・・
「金小姐!(金さん!)我来了!(私、来たよ!)」と声を掛けた。竹山宅までの道で、金小姐から様子を聞く。
「多分、昨日の晩からやってる」
徹夜でケンカ…!?
「何でこんな事になったのか全然分からない」
「昨日、竹山を乗せて奥さんを空港まで迎えに行って。その時は何の問題もなかった」
フムフム
「今朝行ったら、竹山はパジャマのまま。奥さんは紙持って怒鳴ってて。」
という事は昨夜アパートで、何かあったんだな・・・(考)・・・
「竹山を蹴ったりしてた」
ええ~っっ!!DVってヤツ…(汗)やっぱり社長連れてきて正解だったわ…
竹山氏の部屋の前に来た。
ピンポ~ン♪
・・・・・・・・・・・
「パスッパスッ」とスリッパの音がして、ガチャンと鍵を開ける音がしてギイとドアが開いた。
「王先生!(王さん!)」「ニーハオ…」
王さんか・・何だか疲れてる…朝からずっといたんだな。
「NI辛苦了(お疲れ様だね)」「没関係(大丈夫)」
「竹山先生ロ尼?(竹山さんは?)」「還在ロ少(まだケンカしてる)」
「スーザンと旅行に行った写真を出しなさい!」
女性の声だ。てか、スーザン??(悩)
「太太?(奥さん?)」と小声で聞くと、王さんが頷いた。
「早く!!!」
また奥さんの声。竹山さんの声はなし。黙秘権か~??
王さんが中に向かって
「竹山先生、アンズ小姐、来了(竹山さん、アンズさん来たよ)」と声を掛けた。パスッパスッとスリッパの音が近づいて、竹山さんが玄関先に出てきた。
「今晩は~^^;;」と私。竹山さんは私の顔を見て安堵したように、うなづいた。
無精ひげ生えてる…薄いグリーンと白の縦じまのパジャマ着てる。目も赤いな。疲れてるっぽい。
引き続き、私の後ろから「今晩は」と現れたオジサン社長を見て、竹山さんは、目をまん丸にして驚いてた^^;;
「助っ人です(--)」と無表情で私。
ギャラリーとも言う…^^;;
「あ、ああ…今晩は@@」と竹山さん。
多い方がいい。オジサン社長に声を掛けたのは、一人じゃ不安だったのもあるけれど、こういう感情的なケンカは赤の他人が多い方が冷静になるかもしれない…と思った私の判断でもあった。
「王さん、帰っていいよ^^後は私がやるから。ホントお疲れ様」
「大丈夫?」
「没問題(大丈夫) ^^」王さんと金小姐は帰って行った。
「じゃあ…」と竹山さんが我々を招き入れた。
我々はスリッパを慎重に履いて竹山氏のアパートへ一歩を踏み入れました。
さあ!
果たしてどんな鬼ババが我々を迎え撃つのかと、私は(多分オジサン社長も)
ワクワクしていました・・・^▽^;
つづく。
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