中国単身駐在上司の奥さん③
携帯が鳴ってる…
「通知不可」
国際電話、また奥さんか~~~?
…無視する?
切ってしまう?
…余計に怪しまれるか?(汗)
でも、もしかしたら勘違いに気付いた謝りの電話かも?
…(考)…
どっちにしろ何もないんだし、逃げる理由がない。ちゃんと話しよう!
「…もしもし」
「あ、もしもし?竹山の家内ですけど。」
声が硬い。謝りの電話じゃない…
「…はい」
「私ね、やっぱりハッキリさせておこうと思って」
「何を~…でしょう?(汗)」
「竹山の事に決まってるじゃないの」
も~しつこい!><
「奥さん!ホント勘弁して下さいよ!私さっきの電話でも説明しましたけど全くの誤解です!竹山さんと私は何にもありません!(あなたの旦那に興味なんて全くないし)有り得ません!どうして、そんな事おっしゃるのか私には分かりません!!」
「どうして…って、竹山が認めてるんですもの」
「はあっ!?」
有りえない…だって何もないのに!認めるも何も、そんなん有り得ない!!
私が二の句が継げず、絶句している間に、奥さんは竹山さんから聞いたという具体的な話をしてきました。100%記憶にない話が次から次へと出てきて…奥さんの口調が、あまりに断定的なものだから
そんな事あったっけかな…?記憶を辿って、堂々巡りし
いやいや!ないない!(汗)
絶対にない!!(汗)
その内、私も段々冷静になってきて今置かれている状況を客観的に考えてみました。
こういう場面ってドラマで結構見るけど実際体験すると…キツイな~これ(汗)いわゆる「泥棒猫」の役?
しかし、身に覚えがない!全く言われ損じゃないか!?
そして、もう一つ思ったこと。
この人(奥さん)、大丈夫か?
まあ話に筋が通っているし…
声を荒げているワケでもないけど…?
でも、だから余計に怖い…(汗)
ひとしきり私が身に覚えのない話をした後で、奥さんは
「とにかく責任を取ってもらいたいんですよ」
「せきにん…って、何の責任ですか?(汗)」
「家庭を壊した責任ですよ!」
ひぇえ~~~!!(怖怖怖)
その時
「いい加減にしなさい!」
と言う男性の声と共に
プツ!
プーッ、プーッ…
電話が切れた!
・・・なになに!?
何、今の!?
「いい加減にしなさい!」って、竹山さんの声だった!?
何なの~~~(汗)
もう恐ろしくて、携帯の電源を急いで切って。
部屋から飛び出して一緒に出張に来ていた上司に、今の事を訴えに行った。誰かに話さないと、とてもとても平静でいられませんでした…
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どうして、こんな事になったのかという直接の原因は、携帯メールでした。竹山さんが日本へ帰国する少し前に風邪を引いた私。何日か休み回復した頃
「okagesamade daibu yokunarimashita asu wa syukkin dekimasu.gomeiwaku okakeshite sumimasen(お陰さまで大分よくなりまました。明日は出勤できます。ご迷惑おかけしてすみません)」
というローマ字で打ったメール(中国の携帯は当時日本語フォントなかった)を私は竹山さんに送っており。そして竹山さんは、その携帯電話を日本に持って帰り。それを奥さんがチェックし、私からのメールを見て激怒し。竹山さんと大喧嘩になった末、私へ電話をかけてきた(携帯メールに番号出てるし)という事らしい。
竹山さんの奥さんは、かなり嫉妬深い人で以前にも竹山さんがよく話す女性社員との仲を疑って会社に怒りの電話をかけたらしいのですが、その女性社員は70歳のおばあさんだった、という過去もあったようです。
「あいつもメールなんて消しときゃいいのにな」と別の上司が私に言っていましたが…
「竹山さんから私との事を聞いた」と色々言った事については。ある事ない事を言うのは、奥さんがカマをかける時に使う手らしく…(--;;
離れて生活していると、お互いの事が見えなくなってきて。不安を感じた時、見えない部分を想像(妄想?)で補おうとする。相手が自分の知った環境にいれば、まだ良いけれども。行った事もない、想像もつかない場所にいれば、分からないまま色々考える。
「中国って遊べる所が沢山あるらしい」と聞けば、その部分がクローズアップされるのも理解はできる。まあしかし、その辺は竹山さんの普段からの信頼度にもよるのでしょうが・・・。まあ御夫婦の事ですから、他人には分からないでしょう。。
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江蘇に戻った竹山さんは、こそっと私に「マロングラッセ」を、くれました。奥さんからは、その何日か後、お詫びの言葉だけ書いたハガキが来ました。愛人疑惑は解けたようで、ひとまず安心しました…^^;;
つづく。
※一旦、解決したのですが、また別の問題が勃発します。それは次回へ・・・